リテラシーについて

リテラシーというと最近はネットリテラシーのことを言っていることが多いですが、自分の体験と紐づけてリテラシーとは何なのか考えてみます。

距離感がメチャクチャな地図

仕事の都合で役所に相談や打合せに行くことがたまにあります。給水の受水槽の容量などについて見解を確認するための打合せでした。千葉県内のとある市役所に行ったところ水道事業所というのがそこから離れた場所にあるとのこと。窓口のおばちゃんが地図を差し出してくれたのですがその地図を見た感じ、そんなに遠くないな、目的地まで5分くらい?という印象だったので「わかりました歩いて行きます、ありがとうございます」と言って去ろうとしたところ「歩いて行くとちょっと遠いかもしれませんよ…」と言うので「距離的にどれくらいですか?」と聞きました。しかし明確な答えは返ってきません。「あの…車とかで来られたのですか?」「いいえ、歩きです。」

で、結局はっきりした回答がないのでスマホでGoogleマップをチラ見して、なんとなく歩けそうな感じだったので「大丈夫です、たぶん歩けるので」と言い残して市役所を出て歩き始めました。

オチはだいたいわかると思いますが、歩き始めて少しして、この地図スケール感おかしくね?と気付きました。歩き始めてから5分はすでに経過して、でもGoogleマップを見た感じ行けそうな気がしたのでとりあえず歩を進めたわけです。そして交差点で左に曲がって信号機を目印にして歩いていたのですが、交差点の次の信号機の次、3つ目の信号機が無いな?と思って遠くに目をやったら霞んで見える信号機を発見しました。信号機を二度見してからスマホでGoogleマップをもう一度確認してみたところ3つ目の信号機まで600m程度あることがわかりました。そして信号機が赤なのを見て600m先の信号機って意外と肉眼で確認できるんだ…と感慨にふけると同時に、これは市役所から目的地まで全部で2kmくらいあるな…とそこでやっとわかりました。炎天下の中ほとんど日影のない歩道を25分くらいでしょうか、歩いてやっと水道事業所に到着しましたが、熱中症になりそうな勢いの暑さでした。スポーツドリンクを買ってしのぎましたが。

地図を読み取るためのリテラシーがなかった…

リテラシーという言葉についてですがその意味を調べると

“「なんらかの分野で用いられている記述体系を理解し、整理し、活用する能力」を呼ぶようにもなっている(例:「会計リテラシー」など)。そしてまた、「書かれた(印刷された)言語に限らず、様々な言語、コミュニケーションの媒体(例えば、ボディランゲージ画像映像 等まで含む)を適切に読み取り、適切に分析し、適切にその媒体で記述・表現できること」などを指すようになってきている。”

Wikipediaより

つまり私には役所でもらった地図を正確に読み解くだけの「リテラシー」がなかったという言い方をすることができます。Googleマップを見ても最初はそんなに遠くないでしょう、という思い込みがあるためチラ見しかしなかったことが敗因です。歩き出す前に、もっとよくGoogleマップと役所からもらった地図を比較して見るべきだったのです。そうすれば信号機間が600mあること、水道事業所まで2km以上あることは歩き出す前にわかったはずです。タクシーを呼ぶこともできたでしょうし、歩くとしてもそれなりの覚悟を持って行けたかもしれない、少なくとも無駄に騙されたような気分になることはなかったはずです。地図を見て何か変だなと思わなければいけなかったのですが、そんなに遠くないはずという思い込みで間違った読み込みをしたということです。

ただ、ひとつだけ言っておきたいのは2個目と3個目の信号機まで600m程度あったのに対して3個目と4個目の信号機の間は200m程度。これを同じスパンで描いてある地図もおかしいと思う…なんと言うか、だまし絵みたいになっちゃってますから。もっと言うとあたえられた情報の質が著しく低かったと言えます。言い過ぎかな…。

情報と正しく向き合いたい

ネットはいろいろな情報がすぐ検索できるのは良いのですが、自分が信じたい、そう思いたい情報を集めてしまいがちです。広範囲にわたっていろいろ調べているつもりが自分が興味のある対象の狭い範囲をグルグルしているだけになっている場合もあります。あとは関連記事に目がいって脱線したまま最初の目的を忘れて時間だけを浪費することもけっこうあります。新聞や雑誌は全部は読みませんが、興味のある記事の隣に書いてある記事をついつい読んでしまったところ、意外とためになる内容だったりネットとは違う情報の触れ方ができます。新聞の場合は脱線したまま止めどなく関連記事を追いかけるようなことにはならないのが良いのかもしれません。ネットと新聞、どちらが良いというのはないですが向き合い方を考える必要性はありそうです。

「この情報が正しい」などと思い込まず、そして自分が取ってきやすい媒体からの情報だけにとらわれず、与えられた情報を正しく疑いながら向き合って、何か変だなと思ったらとことん調べて考えてみる。そうすれば情報そのものに惑わされることはかなり少なくなるはずです。与えられた情報を鵜呑みにした場合の失敗例として地図の読み取りの失敗をあげてみました。

でも、とことん調べるとかめんどくさいし疲れるよねー。

またとりとめのない文章になりましたが、とりあえず今回はこの辺でおしまいにします。

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