換気方式と換気回数

感染症のこともあり、いま話題にあがることが多くなった換気について。

今回取り上げるのは特別なことではなく設備工事や設備設計に携わるかたが知るべき基本的な換気方式の種類や換気回数の目安についてです。

筆者撮影

換気方式の種類

建築に関わらない方からは換気に種類などあるのか問われそうですが送風機を給気と排気どちらに使用するか、しないかなどで種類分けがあります。

建築関係の仕事をしていると換気方式については基本的な知識として知っているものとして打合せなどの会話で普通に出てくることもあるので覚えておいて損はないです。

換気方式の概要図を示します。

第1種は給気、排気とも送風機を用いる換気方式で換気量の設定によって室内の静圧を正圧にも負圧にも計画することが可能です。

ここで正圧と負圧の説明をしておきます。

正圧の状態は室内から空気が押し出される状態になります。

なので外部から汚染された空気を取り込みたくない手術室などは正圧にします。

負圧の状態は上記の逆で室内へ空気を引き込むイメージになります。

トイレの臭気など汚染された空気をその室から周囲へ漏らしたくない場合は負圧で計画します。

換気方式の説明にもどりますが、第2種は給気に送風機を用いる換気方式で室内は正圧になります。

第3種は排気に送風機を用いるので室内は負圧になります。

上記の3種に加えて自然換気も換気の種類としてあげられます。

給気も排気も送風機を用いずに自然の風圧や気温の差を利用して換気します。春や秋の気候が良いときは窓を開け放しで部屋の空気を入れ替えます、それが自然換気です。

建築的にボイドと呼ばれる空気の通り道を設けて風圧差と温度差で換気を促すのも自然換気の考え方です。

基準換気回数について

室の用途別で基準換気回数をまとめた表です。

換気設計風量基準換気回数 空気調和設備設計計画の実務の知識より             表中の×は一般的に採用されない方式を示す

上記以外の事務室の居室などは以前書いたブログ居室の換気量計算についてに詳細がありますがV=20Af/NとV=0.5Ahなどの計算で算出して決定していきます。

上記の表もあくまで目安なので居室あつかいになる室となる場合は必ず換気量計算をして必要な風量を確認する必要があります。

喫煙室の換気量はどうするか、度々問題になりますが最近は入口などの開口部で喫煙室の外側から内側に向けて0.2m/sの風速が確保できる風量で考えることが多いです。

入口ドアでW800 H2000の開口の場合は

0.8×2.0×0.2×3600=1152m3/h

という感じの計算になり、かなりの風量になることがわかります。

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