前回は継ぎ手部分などを直管部分の50%とする簡易的な計算方法を紹介しました。
最近の教科書にはこの計算例しか掲載されていませんがエルボとチーズ部分の静圧を別途算出して加算する方法もあります。
今回はその計算方法について説明します。

エルボ部分と分岐部分の静圧
エルボ部分静圧の計算式があるのですがこの計算式はそのまま使うことはありません。
教科書見るたびに、あれ、こんな式で計算していたかなと思ってしまうのですが私の記憶力が悪いだけで、エルボの静圧計算はエルボ部分をその直径の何倍の長さの丸ダクト直管長に相当するかを計算するのみです。
なので、難しい式は書いてありますがやることは単純です。
エルボ部分の静圧⊿PTを具体的に求めるための資料が以下です。

いろいろ式が書いてありますが一番右のle/dを判断すればよいだけです。
例えば直径300mmの丸ダクトでエルボの曲がり具合を示すR/dの値が1.0の場合は le/d=17です。
つまり直管相当長はダクト直径の17倍ということなので
le=0.3×17=5.1[m]
ということになります。
次に、丸ダクト分岐部分の静圧計算についてですが以下の資料のようになります。

分岐方向と直流方向で係数ζ(ゼータ)の値の選び方が違うので気をつけます、ρv2/2の部分は動圧です。
具体的に計算
前回ブログと同じダクトルートで具体的に計算をしてみます。

最遠のルートA-H間を計算していきます。
R/d=1.0として計算していきます。
A-H間の全長は49mです。
ダクトサイズはすべて1.0Pa/mとなるサイズで選定しているとして(前回ブログを参考にしてください)直管部分の静圧は
1.0×49=49Pa‥①
エルボBの静圧について、直管相当長はR/d=1.0よりle/d=17
A-C間は350Φなので 0.35×17=5.95m
よってエルボBの静圧は 1.0×5.95=5.95Pa‥②
同様にエルボEは 0.25×17=4.25mより4.25Pa‥③
エルボGは 0.175×17=2.975mより2.975Pa‥④
次に分岐Cについてv1=1800/3600/(0.175*0.175*3.14)=5.2m/s
v3=1800/3600/(0.15*0.15*3.14)=4.72m/s
v3/v1=4.72/5.2=0.9よりζB=1.3
分岐Cの静圧は ζBρv32/2=17.4Pa‥⑤
次に分岐Dについてv1=1200/3600/(0.15*0.15*3.14)=4.72m/s
v2=600/3600/(0.125*0.125*3.14)=3.4m/s
v2/v1=4.72/3.4=1.39よりζB=0
分岐Dの静圧は ζBρv22/2=0Pa‥⑥
次に分岐Fについてv1=600/3600/(0.125*0.125*3.14)=3.4m/s
v2=300/3600/(0.0875*0.0875*3.14)=3.47m/s
v2/v1=3.47/3.4=1.02よりζB=0
分岐Fの静圧は ζBρv22/2=0Pa‥⑦
①~⑦を合計すると
49+5.95+4.25+2.975+17.4+0+0=79.6Pa
吹出しHの静圧15.0Paとしてこれを足して漸拡大および漸縮小の継手を無視しているなどのため安全率10%見込むと
(79.6+15)×1.1=104Pa
ファンを選定する場合は機器抵抗を考慮し200Paであればその数値を加えて最後に動圧分を差し引きます。
動圧は機器吹出し部分で7.0m/sの場合ρv2/2=29.4≒30Pa
よって 104+200-30=274Pa
ファンは1800m3/h 274Paで選定します。
すいません、脱字部分を訂正
「どちらの方が静圧が大きいか微妙なルートが2つあるような場合は両方のルートを計算して確認」です
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計算するのは、すべてのダクトルートの合計ではなく、最遠のルートのみで良いですか。
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質問ありがとうございます😊最遠か最も静圧が大きくなると思われるルートで計算すればよいです。どちらの方が静圧が大きいか微妙なルートがつあるような場合は両方のルートを計算して確認になってしまいますが。
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こちらこそよろしくお願いします😊
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はじめまして、toshiyuです🐬記事を読んで頂き、有り難うございます🎵今後ともよろしくお願いいたします。
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