茜色に焼かれたよ…

久々に映画館で観てきましたよ。

尾野真千子主演の映画。

梅雨が明けるちょっと前です。

少し強めの雨に打たれながら渋谷の街を歩きました。

傘はさしてましたけどね。

学生の頃から買い物なんかでウロウロして、単館上映の話題の映画を友達と観たり、独りで観に来たり。

単館上映の映画館のはしりだったシネマライズは2016年に閉館してしまったし、スペイン坂にあった飲食店、店名はよく知らないけど、たまに使っていたとこも潰れてしまっているし。

でも、相変わらずシャレた人が多いしエネルギーを感じる街なのは今も変わらない。

若い頃、渋谷の何もかもが新鮮で刺激的だったのに対して今は少し遠くから眺めているような感覚です。

歳をとって、若い頃よりいろいろなことがわかって少し客観的になり当事者ではなくなりつつあって、渋谷でうごめいている比較的若い世代中心の価値観から自分が遠のいているのを感じました。

でも、今も渋谷という街は魅力的です。

絵になるというか、なんというか。

ユーロスペースの玄関

尾野真千子のファンになったね

ということで「茜色に焼かれる」を観るために渋谷のユーロスペースに行きました。

尾野真千子が全開で演技をしていました、圧巻です。

ストーリーに関する予備知識はまったくない状態だったのもあるのですが、ここまでやるんだなというくらいの役でした。

なんか、ファンになってしまいますねこの映画を観たら。

その役に入り込みつつもどこかで冷静な部分がないと、なんか見てられないな、みたいな演技になったりするのですが尾野真千子はそういう感じはまったくなくて、たぶん普段はほんとうに普通に生きている常識ある人なんだろうなと感じました。

尾野真千子扮する田中良子が年甲斐もなくかつての高校か何かの同級生の熊木という男に熱をあげるという場面があります。

熊木に対して、惚れちゃった感を出す演技はあれは尾野真千子は普段あんなぶりっ子はしないんでしょうね。

と言いうか、明らかにぶりっ子してます、という演出をするためのわざとらしい演技、だったのかな?不思議なシーンでしたね。

ビミョーな雰囲気が漂っているシーンでした。

とにかく、この映画の尾野真千子は全身全霊で演技していて心を打たれます。

永瀬正敏がメチャいい味出してる

永瀬正敏といえば、これ40代くらいの人の感覚かもしれませんが、ザ・カクテルバーという昔コンビニで瓶入りで売られていた酒ですね(今は缶入りですかね?)、そのCMをやっているときのイメージがいまだにあって。

すごいカッコいいなと思っていました、過去形かよ!ですよね。

最近はちょっと肥えたというか、シャープさがなくなって、なんか冴えないなと思っていたんです。

でも、この映画で歳を重ねた俳優の魅力を感じましたね。

これはこれでカッコいいなと。

やっぱり歳をとっても、どこかに不良の匂いというか反骨精神みたいなものを漂わせていたいなと思いますね。

渋谷のガードレール下

シングルマザーと子供の愛情の物語です、みんな観てほしい!

コロナ禍での映画撮影、そして上映ということですが、いまのこの世の中のおかしなルールとはなんぞやを問う意味でも価値のある映画です。

マスクも役に立っているんだかなんだかわからないけど、ルールだからみんなしてる、みたいなセリフも出てきましたね。

ただ、この映画のほんとうのテーマはこの世の中の批判などではなくてもっと深くて大きなことです。

今、このような状況の中でシングルマザーはこの映画の田中良子のように大変な思いをしている可能性があります。

もちろん、周りの人間がそれに気付いてこのおかしな状況を早く終わらせるようにしないとならない、そう思いますが相変わらず世の中狂ったままです。

そんな中でも、強く生きる当事者達が鮮烈に描かれています。

母と息子が2人乗りで自転車こいでるシーンは、いいですね。

北野武のキッズリターンの男同士の友情での2人乗りというのもいいシーンですが、それを超えました。

自分のなかでの話ですが。

まあ、俺ももう少し、このクソみたいな状況にあらがってみたいと思うし、この先も自分のできる精一杯のことはしっかりやりたいと思いました。

愛だろっ、愛っ。(ザ・カクテルバーより)

愛について言えば、子供に対する親の愛がこの世の中で最も純粋なものなんだろうなと。

男と女の愛は恋愛だから、性欲やら、虚栄心やら、見栄やら、金やらなんやらが絡んできて、実はただの一時の戯れだったと後で気付いてしまうこともあるけど親子の愛はそれとはまったく違うから。

でも、この映画でも語られるように子供を虐待してしまう親もこの世の中には一定数存在するわけで、わからないんだよね。

親=子供を愛する存在、という方程式が必ずしも成り立たないのがこの世の中であって、だから子供を愛することができる親は全力で愛してほしいと願います。

ちなみに、子供にマスクを強要するのは愛でもなんでもないからね!

明治通りの歩道橋から渋谷駅方面を眺めた感じ

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中