ダクト内風速はどう考えて決めればよいのか?入札のために用意された設備図を見ていてたまに風量に対してこれは細過ぎるのではないか、と思われるダクトサイズ選定がされていることがあります。
さすがにそのまま見積もりしてしまったら後からヤバいことになりそうなレベルの場合はダクトメジャーで確認しながらダクトサイズを修正して拾いをします。
適正なダクトサイズを選定するための風速と静圧の考え方とは?

風速の許容値と静圧
ダクト内風速については用途によって許容値があります。
騒音の許容をどこまで受け入れられるかで決まっているようです。

空気調和設備計画設計の実務の知識より
私自身は店舗の設備設計をすることが多いですが、だいたい6~8m/s程度が許容範囲かなと思いながら設計しています。
上記の表でも一般店舗、食堂は 9.0m/sまで許容範囲となっています。
静圧というのは、全圧から動圧を除いたもので、ダクトの抵抗、あるいは圧力損失と思えばよいです。
この静圧については基本は1.0P/mで考えて、低圧ダクトでは0.8~1.5Pa/mの範囲で抑えます。
天井ふところがあまりないため、ダクトサイズを絞らなければならない場面があります。
2.0P/m超えてくるとちょっと風量確保ができるか怪しくなってきます。
ダクトサイズを絞った部分で抵抗がかなり大きくなりその先の風量がしっかり出ない場合もあるので注意が必要です。
もう一点、排煙ダクトは20~15m/sと記載がありますが、これはその施設によって設定が違うので確認が必要です。
経験上の話で言ってしまうと排煙ダクトも高圧ダクトとしてではなく低圧ダクトと同様に考えて設計している施設が多く、ダクト内風速を最高で10m/s程度の考えで設計した方が無難です。
現実的に20m/sというダクト内風速だとかなり抵抗が大きくなってしまい希望している風量が得られないパターンが多いです。
排煙ファンが700Pa以上の静圧で設定されているのになぜか計算通りの風量がでないという‥そんな経験もしました。
過去に風量確保ができず苦労した数件の現場が思い出されます。
ほんとうにこれは一度施工してみて風量測定するまで性能が出るかどうか確認しようがないこともあり注意が必要です。
ダクト圧力の分類とダクトの板厚
ダクト圧力の分類とダクト板厚は以下の資料のようになります。



すべて空気調和設備計画設計の実務の知識より
高圧ダクトの板厚は低圧に比べて1番手上を選ぶイメージです。
スパイラルダクトはハゼの部分の強度があるため角ダクトのような板厚は要求されていません。