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排水配管のトラップについて

排水配管の基本的な事をまとめようかと思ったのですが、いろいろありすぎるなということで今回は排水トラップに関する事をまとめてみました。

管工事施工管理技士の試験にもトラップ関連の問題はよく出てくる印象があります。

これまでの経験もふまえて紹介してみます。

トラップの構造などについて

排水配管内の硫化水などを含む下水ガスや臭気、害虫などが器具を通して室内へ侵入してくるのを防止するためにトラップを設置します。

代表的なトラップの構造が以下のような形です。

排水トラップ各部の名称 給排水衛生設備計画設計実務の知識より

排水トラップの深さ、封水深(図のディップからウェアまでの距離)は5cm~10cmとします。

浅すぎても破封しやすいし、深すぎると流れを阻害する恐れがあるので注意が必要です。

トラップには以下の図のように様々な形があります。

トラップ中の水分がなんらかの理由でなくなってしまう、あるいは減ってしまい配管内の下水ガスが出てきてしまう状態を破封と呼びますが、破封する原因として代表的なものは

・誘導サイホン(排水管内が負圧になり封水が引っ張られる、あるいは正圧になり押し出されてしまう)

・自己サイホン(排水が満水状態で流れるために封水が誘引されて損失する)

・蒸発作用(長い期間にわたって衛生器具を使用しない場合に蒸発によって封水が消失する)

・毛細管現象(トラップ内に髪の毛などがひっかかり、毛細管現象により風水がすこしずつ下流へ流れ込むことにより封水が消失する)

以上があげられます。

洗濯パントラップの接続は排水用フレキを必ず使用する

トラップの話になったついでに洗濯パントラップについての話をしておきます。

TOTOの洗濯パントラップ

洗濯パントラップの接続を塩ビ管で直つなぎした場合、洗濯パントラップを固定する時に本体が微妙に回転して塩ビ管を差し込んだ接続部が剥離してしまうことがあります。

この状態は目に見えないところでおきていて、マンションを引き渡し、入居者が使用し始めてから数ヶ月後に床下が浸水していることが判明するという事故があります。

その住戸の床下全体が浸水しになり居室の壁のボードまで湿ってブヨブヨになった状態を見たことがあります。

一度、部屋の中のものを全て出して移住していただいて全部改装するということになった事例でしたが、これほんとに一大事です。

この解決方法として、洗濯パントラップの接続には排水用フレキシブルジョイントの使用をおすすめします。

排水用フレキシブルジョイント アキレス

雨水配管を汚水管に合流させるには

雨水配管を汚水管へ合流する場合は臭気があがってこないようにトラップマスを経由させて接続します。

溜めマスや塩ビのトラップマスを設置します。

場所が狭くてマスが設置できなければ塩ビ管でUトラップを組むなどで対処します。

雨水トラップマス設置イメージ
塩ビのトラップマス 前澤化成工業(株)

ダブルトラップの禁止

トラップは2つ直列に配置することは禁止されています。

トラップ内が満水状態のためトラップとトラップの間での流れが阻害されるためです。

たまに、グリーストラップへトラップ付きの器具からの排水を接続するのはダブルトラップなのではないのか?という質問をされることがありますがグリーストラップの上流に設置された器具にトラップが付いていてもダブルトラップにはなりません。

グリーストラップはゴミを沈殿させ油を分離するために一度、槽へ放流する形になりますが、この槽は大気に開放されている状態になるためダブルトラップの状態にはなりません。

今回はここまでになります、参考にしていただければと思います!

スプリンクラーヘッドと周辺部材について

今回は仕事で設計の方から質問がありスプリンクラーヘッドのことについて調べたので、そのついでにスプリンクラーヘッド及びその周辺の部材についてブログに書くことにしました。

たまに見かけるスプリンクラーヘッドの上についているまるいお皿について。

これは集熱板だと、みんなそう呼んでいたはずなのですが。

しかし、2年前に行った消防設備士の免許更新の講習で実はこれは集熱板ではないという、かなり衝撃の事実を知らさせて個人的にはびっくりと言うか、そぉなんだ、と思わされたことがありまして…。

tsu234ta によるPhoto AC よりの画像

集熱板というものは存在しない、今は防護板と呼ばれている

集熱板と言われたら字のごとく、火事などになった際にその熱を受け止めてヘッドへ伝えることにより間違いなく作動するために設置するものと思っていました。

しかし、講師の方が実験の結果、集熱板と呼ばれていたまるい板にはあまり集熱効果がないことがわかった、という話をし始めたので眠気が吹き飛んだのですが。

最近では集熱板とは呼ばずに防護板と呼んでいるとの説明。

更新講習のテキストにも集熱効果が認められないという記載があり、思わずアンダーラインを引いてしまいました。

防護板の設置例 消防設備士講習用テキスト消火設備より

読んでみると、平成10年(1998年)には他のヘッドからの被水を防止するものと位置付けられたと書いてありますから、ずいぶん前から集熱板ではないという話はあったことがわかります。

それで昔、消防設備士の試験勉強をした時の問題集H13年版ですが、これも見てみたら、もうすでに集熱板ではなく「ほかのスプリンクラーヘッドから散水された水がかかるのを防止する装置」と書かれていました。

ということは‥集熱板という認識は逆にただ私の思い込みだったということになります。

いや、試験勉強する時点ですでに集熱板という名称は出てきていないので、自分の記憶力や事実の認識がいかに適当で曖昧かを再認識させられました。

でもね、15年前くらいでしょうか、そのころスケルトンで施工した現場で集熱板をつけなさいと上司から言われて何個か発注して取り付けた記憶があります、絶対「集熱板」と呼んでいました。

呼び方も、取り付ける目的も間違っていたということになりますが‥。

まあ、当時の消防検査も通ったし、いまはそのお店も存在していないから完全に過去の歴史として闇に葬りますが。

とにかく、スプリンクラーヘッドの上のまるいお皿は防護板という名称で他のスプリンクラーヘッドの放水による被水を避けるためのものであるということです。

防護板の設置例 消防設備士講習用テキスト消火設備より

スプリンクラーヘッドの種類について

ヘッドの種類について、上記の表のようになります。

閉鎖型ヘッドの1種と2種というのは感度の種別のことで、1種はr=2.3m以上、高感度であればr=2.6m以上のものもあります。

2種はr=2.3mでr=2.6m以上のものは設置できません。

消防設備士1類の試験でもよく問われる内容になりますがヘッドの表示温度と最高周囲温度についての表が以下になります。

ヘッド本体の集熱部あるいはデフレクターの中心部に色別されています。

スプリンクラーヘッドの設置個数と必要水源水量

スプリンクラーヘッドの必要個数、この個数は火災時に同時開放するヘッドの個数です。

これは防火対象物の種類とヘッドの種類により下の表のようになります。

防火対象物とヘッドの種類によるヘッドの必要個数 衛生設備計画設計の実務の知識より

また、必要となる水源水量は上の表から算出した個数に下記の表の右の欄の水量を掛け算して求めます。

ヘッドの種類と必要水源水量 衛生設備計画設計の実務の知識より

例えば地階を除く階数が8階の事務所ビルの場合、標準型ヘッドであれば必要な個数は10個です。

必要な水源水量は

1.6m3/個 × 10個 =16m3

となります。

ヘッドの必要個数は10階までの建築物であれば10個、11階以上だと15個になります。

建築物の床面積に比例して増えるような考えではなく、初期消火にどれくらいのヘッドが必要か、という考え方であることを覚えておいた方が良いです。

改修工事などで床面積が多少増えたからといってスプリンクラーの水源水量まで増えることはあまりないということです。

排水通気配管について

今回は通気配管について書きます。

通気配管については正直に言うと店舗工事の場合、床下の納まりも厳し過ぎるし、どこかで通気立上げるとしてもその場所を確保できない、どうやって通気とるの?という現場がほとんどなのでまともに通気をとれていないという現実があります。

とれる場合はとっていますが、最悪はドルゴ通気頼みという現場がほとんどではないでしょうか。

ドルゴ通気弁は配管内が負圧になった場合しか機能しないので本当の通気の役割を果たしているのかわかりませんが、ないよりはあった方が良いということで取り付けています。

案件によってはドルゴ通気弁の使用を禁止していたりする場合もあるので注意が必要ですが。

まずは通気の取り方の種類から説明していきます。

筆者撮影

代表的な排水通気方式

1.ループ通気方式

ループ通気方式の例

上の図のように最遠の排水器具のトラップの下流で分岐をとり、立ち上げて通気立管にまで延長して接続する形をとります。

通気横間の通気立管への接続高さはそのフロアの最高位の衛生器具のあふれ縁から150mm以上、上方向に離した位置で接続します。

これは万が一、排水管が詰まって器具が満水になってしまったとしても通気配管内へ汚水や雑排水が流れ込まないようにするためです。

この接続高さは気を付けていないと意外と最高位のあふれ縁より下だった、ということもあるので施工時によく確認する必要があります。

2.各個通気方式

この方式は、各器具のトラップから通気を延長して通気横菅にそれぞれ接続するというかたちですが現実的にこの方法で施工している現場を私は見たことがないです。

器具ひとつづつから通気管をとるような施工は想像してみただけでも納まりが悪いし現実的にそのような配管スペースを意匠上確保できない現場がほとんどでしょう。

この方式は指定されない限り現実的に採用されることはほぼないので説明を省きます。

3.伸長通気方式

この方式は通気立管を省略して排水立管上部の伸長通気管のみを用いて通気を行う方式です。

ただし排水立管下部の正圧緩和機能や横枝管内の負圧緩和機能がループ通気に比べて劣り許容流入値も小さくなるため以下の点に留意する必要があります。

1.通気管路には過度の通気抵抗を持つ部材を使用してはならない

2.排水立管にはオフセットを設けてはならない

3.排水立管と排水横主管の接続には大曲ベンドまたはそれと同等以上の性能を持つ継手を使用する

4.排水横主管の水平曲がりは排水立管の芯から3m以内は設けてはならない

5.複数の排水立管を同一の排水横主管に接続する場合は排水横主管に十分な通気を設ける

6.排水横主管または敷地排水管が満流にならない場合は伸長通気方式を使用してはならない

7.排水立管の高さが30mを超える場合はSHASE-S218集合住宅の排水立管システムの排水能力試験法により把握できた排水能力値を許容流量値としその範囲内で使用する。

4.特殊継手排水システム

伸長通気方式の一種で特殊な継手を設けて配管します。

排水管を立管に接続する特殊継手は管内の負圧を緩和するために流速を抑えて流れるようにします。

排水立管と横主管の接続部には正圧を緩和するための特殊継手を設置します。

一般に高層、超高層の集合住宅やホテルで採用されています。

特殊継手のメーカーによって許容流入量値が異なるので確認が必要です。

特殊継手の参考として、クボタケミックスの集合管のカタログの抜粋を以下に掲載しておきます。

クボタケミックスのHPより

排水通気配管の例

排水通気配管の例

教科書には低位通気管は避ける方がよいと書いてありますが、横引き配管は低位通気管として床下を配管するのが現実的な方法です。

できるだけ長さを短くするしかありません。

店舗工事の場合は木工事で床上げすることが多々ありますが、スラブと床の仕上げの間でなんとかするかです。

なのですが、現実は排水管ですらぎりぎり納まるかどうかという現場がほとんどで通気管配管ができない…というかそもそも計画に考慮されていないことがほとんど、というのが現実です。

通気管をとる場合は排水管の真上から45°以内で取り出すので床仕上げが排水管ぎりぎりになっていると、どうしても無理があるのです。

先ほども述べた通り通気立管に接続する位置はそのフロアのあふれ縁から150mm以上上で接続します。

通気管を横引きする場合も内部の水分が溜まらないように勾配をとって配管し、途中でアップダウンさせるような配管はしないようにします。

補助的な通気方式となりますがドルゴ通気弁を使用することが店舗工事ではかなりあります。

ただしドルゴ通気弁は排水管内の負圧の緩和はできますが正圧の場合は臭気の流出を防ぐため閉じる機構になっているので正圧の緩和はできないと覚えておいてください。

森永エンジニアリング㈱のHPより

排水通気配管の図をもう少し補足しておきます。

排水立管の上部の最上階の横管の接続部分より上の部分の立ち上がりと解放部分までを伸長通気と呼んでいます。

この部分は縮小させずに排水立管径のまま立ち上げます。

また、汚水槽の通気は単独で配管します。

汚水槽はポンプアップするときに汚水槽内が急激に負圧に変動します。

この変動の影響を受けないようにするため、他の通気管とは切り離して考えて単独で外部へ解放する必要があります。

今回はこのあたりまでにしておきます!

排水については意外と論点が多いので次回も排水について書こうと思っています。

雨水管の配管サイズを選定する

今年も梅雨入りしました。

雨に関する内容ということで今回は雨水配管の配管サイズ選定などについて説明したいと思います。

と言っても、いままで季節にちなんだテーマで書いたことなどないのですが…紫陽花がきれいだったので雨に関する内容を書こうかなと思ったわけです。

簡単なモデルを使って計算していきます。

筆者撮影 

簡単なモデルで配管経を選定してみる

図に示したa~dの配管径を求めていきます。

ただし最大雨量は80mm/hとして考えていきます。

表1 雨水立管の管径
表2 雨水横管の管径 給排水衛生設備設計計画の実務の知識より

aの配管径:受け持つ屋根面積は3×4=12m2です。

表1を参考に立管の管経を選定しますが、この表は100mm/hの場合の数値になるので80mm/hの場合は80/100をかけて換算します。

よって12×(80/100)=9.6m2となります。

表1より配管径は50Aを選定します。

bの配管径:bの立管は屋根面にと壁面にあたって落ちてくる雨水も受け持つことになります。

垂直壁面はその面積の半分を計算に参入していきます。

面積の合計は 12+(4×4)×0.5+4×18=92m2

80mm/hなので 92×(80/100)=73.6m2となります。

表1より配管径は65Aを選定します。

cの配管径:受け持つ面積は上記の計算より73.6m2です。

表2より75A 勾配1/100 で選定します。

dの配管径: 排水ポンプからの250L/minをどう考えるかですが、この250L/minをいったん雨水を受け持つ屋根面積に逆に換算します。

雨水負荷流量1L/sごとに雨水100mm/hにおいて36m2の屋根面積とします(SHASE-S206 -2009より80mm/hであるかどうかなど関係なく100mm/hの時を基準で屋根面積換算する)。

よって 250/60×36=4.17×36=150m2

これにcの配管径を求めるときに算出した73.6m2をプラスします。

150+73.6=223.6m2

表2より配管径125A 勾配1/200 で対応可能ということがわかります。

雨水排水量は汚水よりも多い

雨水排水の量は汚水よりも大量になります。

ゲリラ豪雨のような大雨が降った場合を想像するとわかると思いますが一気に大量の雨水が流れ込んでくる可能性があるのです。

よって、雨水配管は建物内では必ず汚水雑排水系統とは分けて配管します。

大雨の時に雨水が逆流して大便器などからあふれ出るようなリスクを回避するためです。

雨水配管を外部で汚水配管に合流させる場合、東京都など都市部ではほとんどこの方法で排水していますが、臭気が上がってこないようにトラップますを設置して合流させます。

あるいは汚水ますに接続する手前で配管でUトラップなどを組むかですが、とにかく臭気などの影響を防ぐための処置が必要となります。

ということで、簡単に説明しましたが参考にしていただければと思います!

排水負荷計算について

店舗工事においては店内の排水管を新規で配管して既存排水管の立ち上がりなどへ接続することがよくあります。

新築工事の場合はそれなりに排水管サイズも考慮された計画がされているのですが、築何十年かの物件で立ち上がっている既存排水管を利用しようとする場合、そのサイズが細い場合がかなりあります。

この排水管使えますか、と現場調査依頼いただいたお客様から聞かれたりするのですがサイズによっては即答で「使えません」と答えざるを得ません。

今回のテーマは排水管サイズの判断基準としての排水負荷計算についてです。

ラッキーエースさんによるphotoAC よりの画像

簡単なモデルで計算してみる

まずは教科書にならって排水負荷単位数から排水管サイズを選定していく方法を以下に示します。

ここでは、図のような衛生器具が配置されたフロアが10フロアの10階建てと仮定して計算していきます。

表1:器具排水負荷単位数

給排水衛生設備計画設計の実務の知識より

表2:排水枝管および排水立管の許容最大器具排水負荷単位数

給排水衛生設備計画設計の実務の知識より

①の枝管について、表1より小便器の負荷単位数は4で2台設置されているので 4×2=8

表2より50Aだと負荷単位数6まで、65Aで12まで許容できるので65Aを選定します。

②の枝管については同様に大便器(公衆用)で6、2台なので12ですが大便器の接続が75Aなのでそれより細い管は使用しないので75Aで選定することになります。

③については洗面器の負荷単位数1より2台で2なので40Aとなります。

④について負荷単位数合計22になるので100Aとなります。

⑤について負荷単位数合計23.5になるので100Aとなります。

⑥について負荷単位数合計22+23.5=45.5なので100Aとなります。

⑦立管について45.5の排水負荷単位数のフロアが10フロアあるので合計で455となります。

表2の右側の3階を超える欄を確認すると立管100Aで500まで許容できるので立管は100Aを選定します。

また1フロアあたり45.5で1階分の負荷単位数合計が90を超えていないことも確認しておく必要があります(表2の一番右の欄を確認)。

最後に表3で排水横主管、敷地内への引き込み管口径について確認しておきます。

表3 排水横主管および敷地排水管に接続可能な許容最大器具排水負荷単位数

給排水衛生設備計画設計の実務の知識より

排水負荷単位数合計455より勾配1/100とるものとして150Aで700まで許容可能なので引き込み口径は150Aとします。

実際の設計をする場合は負荷単位数による計算よりも少し安全をみている部分があります

排水モデル図の②の枝管については排水負荷単位数をもとにした考え方では75Aにしました。

しかし、実際に設計する場合は大便器を2台以上受け持つ排水枝管については100Aで描いてしまいます。

とくに店舗の設備設計においては大便器2台が合流するのであれば、その枝管は100Aにしておいた方がよいです。

飲食店においてですが、事務所に比較して使用頻度が高くなり詰まりなどのトラブルの頻度も多いので。

店舗のトイレ詰まりメンテナンスで呼ばれて対応したことも何度かありますが、携帯電話はよく詰まっていることありますね‥ガラケーが多いイメージです。

あとはメガネもありました、まあこれらは配管径がどうこうの話ではなく大便器のトラップに引っかかっているのですが。

また、ここ最近は節水型の便器が主流ですがこれも排水の詰まりの一つの原因になっていますね、メーカーに言っても認めてはくれませんが確実にこのトラブルは増えています。

使用したティッシュなどの固形物の量に対して節水型の4Lや5Lという水量が少ないため固形物が搬送されずに配管の途中で留まってしまうという現象が起きています。

配管の横引き長さが長いとこのトラブルが起きる可能性は上がるのでなるべく横引きを短くできればよいですが、なかなかそうもいかない現場も多いです。

お客様の使用の仕方として、何回か流すようにしていただくという場合もあります、これはもう頭を下げてお願いをしている感じの最後の手段的な話になります。

あとは、節水型便器とは言ってもほとんどの機種で流量調整はある程度できるので7Lや8Lまで設定を変えて流量を増やすことも可能です。

これで解決してクレームが止んだ現場もあるので試してみていただければと思います!

排煙設備について〜2~排煙口サイズやダクトサイズの選定

前回に引き続いて排煙設備の話をしていきます。

今回は機械排煙の風量設定、排煙口のサイズ選定、ダクトサイズ選定など。

排煙ダクト内の風速の考え方について過去の失敗から学んだことも紹介しておきます。

筆者撮影

排煙風量は1m2あたり60m3/h

排煙風量についてどのように決定するかですが簡単な計算で決めています。

排煙したい居室などの面積1m2あたり60m3/h(1m3/min)で計算して決めます。

100m2の居室に対して必要な排煙風量の計算については

60[m3/h ]× 100[m2] =6000[m3/h]

となります。

100m2に対して6000m3/hですから、かなり大きい風量です。

100m2つまり30坪程度の店舗などざらにあります、さらに60坪となると約12000m3hの排煙風量が必要ということになります。

ダクトサイズについてはダクト内風速を15m/sで考えた場合

ダクト断面積は 12000m3/h÷3600s/h÷15m/s=0.22m2

正方形の場合の一辺は √0.22=0.47m

よって470mm×470mm、切りよく現場では500×500のダクトサイズでしょうか。

10m/sで考えると同様の計算で580mm×580mm、現場では600×600など切りよい数字で図面に書き込む感じです。

納まりがきつければ逆に550×550にするかもしれません、むしろ実際の施工の際は納まりに加えて予算などの都合も絡んでサイズをギリギリまで落とそうとする傾向の方が大きいですから余裕をみることはなかなかできないかもしれません。

排煙口のサイズについては排煙口が解放した時の面風速8m/s程度で考えて選定します。

例えば6000m3/hの排煙口のサイズを検討する場合

排煙口面積は 6000÷3600÷8=0.21m2

排煙口が正方形の場合の一辺は √0.21=0.46m

切りよく450mm × 450mm を選定などします。

排煙ダクトのダクト内風速は8〜10m/sで抑えて計画した方がよい、最悪でも12m/sまで

排煙風量は計算するとかなり大きな風量になることはわかりました。

それに伴ってダクトサイズも大きくしなければならないのですが、現場での制約があり、大きなダクトサイズでの計画ができないことがかなりあります。

天井ふところに納まらない、外部を立ち上げたいが隣地境界が近すぎて大きなサイズを立ち上げるだけの余裕がないなど、このような問題がほとんどの現場で出てきます。

このような事情を知ってか知らずか、排煙ダクト内の風速は換気ダクトよりも速い風速で考えてよいことになっています。

風速が早ければダクトサイズは小さくなります。

ダクト内風速の許容値(低圧ダクト)空気調和設備計画設計の実務の知識より

上の資料はダクト内風速と静圧について でも紹介していますが表の下の方に排煙ダクトはダクト内風速20〜15m/sと記載があります。

私自身は換気ダクトについては6〜8m/s程度で考えて計画できればよいと思っています。

風速20m/sまで許容されればダクトサイズはかなりコンパクトにできます。

しかし、現実20m/sでの計画は避けた方がよいです。

若かりし頃、設計施工の改修工事で10F建の8F部分の排煙ダクトの改修工事を教科書に書いてある通りに20m/sで計画して工事したところ、試運転時に風量が予定の半分くらいしか出ていないということがありました。

冷や汗が止まらなかったですが。

この是正工事は困難でした。

天井に何回もぐったかわかりません。

バイパスでなんとかダクティングして、関係者のみなさんの協力を得ながらなんとかギリギリ風量確保することができました。

思い出したくもないですね、解決まで1年くらい引っ張ってしまった案件でかなり精神的にもやられましたからね…。

竹中工務店の設備担当の方と打合せをして、この建物の排煙ダクトの風速はどれくらいで考えて設計しているのか問い合わせたところ、あっさり「10m/s程度ですよ」と答えが返ってきたことはいまも覚えています。

ちなみに、この改修工事を進めるときに既存の排煙設備図面がないため全体が把握できずにかなり困っていて、仕方なく建築した会社に問い合わせた、という経緯になります。

この建物の4Fでも改修工事が少しずれた時期にあって排煙ダクト内風速を8〜10m/sで設計したところ、この階は問題なく風量確保できました。

要するに、言いたいことは排煙ダクトの風速は通常の換気ダクトと同程度かやや速いくらいの風速で計画するのが無難です。

そして、20m/sという風速を出そうとするのはシロッコファンの能力をあげても無理がある、というのが実感です。

いけて15m/sではないでしょうか。

設計するときは基本は8〜10m/sで考える。

最高でも12m/sで計算するというのが現実的なライン、というのが経験から得た感覚です。

排煙風量計算の例

話を風量計算に戻します。

排煙ファンの風量は以下の条件を満たすものとします。

1.1防煙区画のみを対象とする場合は7200m3/h以上でかつ防煙区画の床面積×60m3/h以上

2.2以上の防煙区画を対象とする場合7200m3/h以上でかつ最大防煙区画の床面積×2倍×60m3/h以上

計算例の図を以下に示します。

カラオケ屋さんなど小部屋がたくさんあるような業態で100m2以下不燃仕上げで逃げられない地下階で各カラオケルームに排煙口を設けることがあります。

この場合は10ルームまとめて同時開放で計画されたりします。

現場の状況によって排煙の計画もまったく違うので臨機応変に対応しましょう!

排煙設備について~1~排煙設備の設置基準と構造概要

火災が起きた時に火傷によって死亡するイメージがありますが、実は煙を吸い込むことによる呼吸困難からの窒息が原因で亡くなる方が多く存在することはよく知られています。

防災設備のひとつとしてその建築物の用途や規模によっては排煙設備を設置しなければなりません。

排煙設備の設置基準は建築基準法と消防法に定められています。

排煙窓を開けて煙を排出する自然排煙と排煙ファンで強制的に排出する機械排煙がありますが、今回は主に機械排煙についてその概要を説明していきます。

天井に設置された排煙口 筆者撮影

建築基準法における排煙設備の設置基準

建築基準法における排煙設備の設置対象については以下の表になります。

特定の人が使用する建築物や天井が高く広々としている建築物については設置が免除されています。

不特定多数の人の使用が見込まれる、ある程度の規模の建築物には基本的に排煙設備が必要だと考えたほうがよいです。

設置義務免除部分の要件①~⑩が下記の表になります。

建築基準法施行令126条の2、平成12年建設省告示第1436号より

消防法における排煙設備の設置基準

消防法においては用途と面積で設置するかどうか決められています。

劇場、集会場等は舞台部床面積≧500m2

キャバレー、遊技場、性風俗関連特殊営業店舗、カラオケボックス、百貨店、車庫、これらを含む複合用途施設、などは地階または無窓階床面積≧1000m2

この条件で排煙設備を設置しなければいけません。

消防法施行令より

不特定多数の利用が見込まれる建築物には設置が必要になると考えたほうがよいです。

排煙設備の設置については建築基準法と消防法の両方の条件を満たすようにしなければなりません。

地階(地下の階のこと)には用途によって排煙設備(地下なので機械排煙になる)が必要になるので気をつけたほうがよいです。

また、31mを超える室において準耐火構造の壁で100m2以内に仕切れない場合、経験上だいたいそれは設計計画上やらないか予算上やらないので31mを超える位置にある室については排煙設備の緩和が適用されず、何らかの排煙設備が必ず必要になると思っていたほうがよいです。

排煙設備の構造概要

排煙の区画は最大500m2で排煙垂壁などで区画します。

排煙垂壁は50cm以上(地下街の場合80cm以上)とします。

TEIJINのwebサイトより 不燃シート防煙垂壁

排煙口は歩行距離で30m以内をカバーするように設置します、30mを超える部分があれば排煙口をプラスしていきます。

排煙口は排煙ダクトに直結します、排煙ダクトは不燃材で作製し防煙壁を貫通する場合は隙間をモルタル等不燃材で隙間なく埋めます。

排煙口は通常閉鎖されていて開放装置により開放します。

開放装置は床から0.8~1.5mの位置に設置します。

排煙風量は1m2あたり60m3/hで計算しますが風量やダクトサイズの選定などについては次回説明していくことにします!

結露対策〜4〜夏場の結露いろいろな事例と露点温度計算

最近は5月でも真夏日が記録されることもあり夏本番となると熱帯のような高温多湿となる日があります。

条件によっては気温35℃相対湿度80%となるようなこともありますがこのような日は当然、冷房をガンガンかけて室内を冷やします。

ところで、35℃80%の空気の露点温度は何度かわかるでしょうか。

答えは31℃です。

冷房の設定温度はクールビズとは言っても28℃程度には設定していると思いますから設定温度に達したら露点温度以下なので、そりゃどこかが結露しますよ…というのが設備屋さんの本音でしょう。

そして、室内あるいは室外の場合もありますが、いたるところで結露が発生して、設備屋さんがメンテナンスに呼ばれるわけです。

施工不良が原因の場合もあるので、その時はもう、すぐに謝って是正工事です。

謝り方も年齢を重ねるごとに上手くなっていくものです。

しかし、これはこちらの過失なのか…?と思う微妙な場面もかなりあります。

そんな時にその後の対策を考えるうえで結露に関する知識が少しでもあるのとまったく無いのとでは差が出てきます。

お客様に解決策を素早く提案して、かつ、こちらの過失は50%くらいかな?という雰囲気をただよわせながら交渉してメンテナンス対応にかかった工事費全てはいただけなかったにしても材料と人工代になるくらいは工面できそうな金額はいただけたとなれば、少しでも苦労が報われるというものです。

Michiko Design さんによるPhotoAC よりの画像

夏場の結露はいたるところに現れる

夏場の結露は条件がそろえばいつでもどこにでも現れます。

結露対応とうたわれている製品でも条件次第で結露します。

メーカーの資料を調べてみると、結露しませんとは書いてはありせん。

カタログなどにこれ以上の条件になると結露しますよ、という説明が書いてあり、やはり条件の悪い場所で使用した場合、特に夏場になると結露したという話が耳に入ってきます。

結露対応のブリーズラインも条件次第でけっこう結露します…
結露対応のパンカールーバーですがこれも条件次第で結露します
断熱材付きのパンカールーバーの方が断熱材の厚みにもよりますが、このタイプよりももう少し悪条件でも使えます

空調機のパネルの際や空調吹出し制気口の際でカビが生えたりするケースもあります。

空調吹出し口まわりの結露によるカビの様子
空調機パネルの際での結露したことによるカビの様子

冷房時にパネルや制気口自体が低温になっているため際で室内の空気や天井内の空調されていない空気のと温度差で結露していると思われます。

天井内でEAダクトが結露し水分が滴下し、その跡がカビて天井面に出てきたのが下の写真です。

天井内の空気がかなり高温多湿の状態になっていたようですが、最高気温35℃程度が何日か続き降雨もあった夏場に発生した模様。

近くに空調吹出口が設置されていて冷やされたスチールドアが結露した様子が下の写真です。

例をあげるときりがないのでこの辺にしておきます。

共通して言えることは、結露した物の表面温度がまわりの空気の露点温度以下になっていたから結露したということです。

露点温度算出す

結露している場所、あるいは結露することが予測される場所のまわりの温度と相対湿度を測定すれば露点温度を算出することが可能です。

なのですが、先に言ってしまうと計算式がとてつもなく複雑で自然対数の計算も入ってくるので手計算での算出は無理です。

なので計算式をエクセルで作成して温度と相対湿度を入力すれば自動で露点温度が出るようにしておくしかありません。


td=13.715×LN((6.11×10^(7.5t+237.3))×U/100)/611.213))

+8.462×10-1× (LN((6.11×10^(7.5t+237.3))×U/100)/611.213)))2

+1.9048×10-2× (LN((6.11×10^(7.5t+237.3))×U/100)/611.213)))3

+7.8158×10-3× (LN((6.11×10^(7.5t+237.3))×U/100)/611.213)))4

td:露点温度[℃]

t:温度[℃]

U:相対湿度[%RH]


‥‥いやこの式を解説などする気は一切ありません。

こういう式で露点温度は算出できるんです!

とりあえずエクセルに式をブチ込むしかありません。

ちなみに式の中の LNは自然対数(log e底の計算)で10^は10のべき乗をあらわします、つまり10^2は10の2乗です。

また、空気線図を使用すればおおよその露点温度はわかります。

結露が起きてしまった部分のまわりが何度で湿度が何%か温湿度計で計測して露点温度が何度か算出する。

そして冷媒管の断熱材の表面を表面温度計で計測する。

露点温度と表面温度を比較すれば、再び結露が起きそうかどうかがわかります。

数字を提示しながら対策を提案していくとお客様の信用度は上がります。

数字が示されていると、どこを目標にすればよいかがわかりやすいため安心するのかもしれません。

当然、机上の計算だけでなく現場をよく確認、観察して考えてみることは大事です。

現実を見誤っていたら、いくら計算ができても正しい対策はできないので!

結露対策〜3〜空調配管の結露

夏場の結露について、前回は天井内ダクトの結露について話しました。

今回は空調の冷媒管やドレン管の結露について、発生する原因と解決方法などについて考えていきます。

saki.zaki さんによるPhotoAC からの画像

断熱材の施工不良による結露

天井内配管の冷媒管が夏場に結露してしまいメンテナンス依頼が来ることはある程度の頻度であります。

これまで、いろいろな現場を見てきましたが原因として頻度が多いものをいくつか以下に列挙します。

冷媒管の断熱不良

冷媒管の一部分、断熱材の継ぎ目などで隙間ができてしまい銅管が露出状態になっていることがたまにあります。

冷媒管は長い距離を配管する時は当然、単管を継いでいくのですが断熱材も同様に継いでいきます。

断熱の継ぎ目を接続用テープで巻くのですが人間のやることなのでたまに巻き忘れがあって見逃したまま引き渡して隙間ができたままになっていることがあるのです。

そんなに環境が悪い物件でもないのに冷媒管の結露でメンテナンスが入ったらまず、この断熱の不良を疑ってみた方がよいです。

冷媒管の断熱が潰れている部分で結露

躯体の開口部に冷媒管をまとめて何本も通した結果、断熱材が潰れてしまい断熱材としての機能が発揮できず結露してしまうことがあります。

貫通部付近が結露水でビショビショになっている現場をこれまでにいくつか見てきました。

100φの開口部に9.5×15.9の冷媒管2系統など開口の大きさに対してある程度余裕をもって計画した方がよいです。

また、冷媒管が束で配管されている場合も吊りバンドで支持された部分で束の下の方にある配管の断熱材が重さで潰れてしまうため、結露することがあります。

その他、ダクトなどと接触して潰れるなど、とにかく断熱材が潰れた状態になっていないかの確認は大事です。

ドレン管の断熱不良

ドレン管も冷媒と同様に断熱の不良で結露します。

やはり断熱材の継ぎ目などで隙間ができてVP管が直接湿った空気に触れる状態だと結露します。

ただ、ドレン管は冷媒管ほど低い温度ではないのと冷媒管のように束にして配管することはないため問題となる頻度は比較的低いです。

温度差が大きければ断熱材の表面でも結露は発生する

断熱材の施工不良が原因の場合は、結露の発生箇所は局所的です。

結露水が配管伝いに拡がって、断熱の不具合がある部分からかなり離れたところから結露水が出ている場合もありますが。

断熱材の継ぎ目の隙間や潰れている部分を発見してそこを直せば解決することがほとんどです。

しかし、天井内が高温多湿になるような現場で冷媒管全体が結露してしまう事例もあります。

断熱材の表面温度が天井内の露点温度より低ければ結露は発生します。

天井内が高温多湿のため冷媒管全体が結露してしまった例 支持材の全ネジが断熱材と接触している部分も気になります

断熱材の表面温度がいったい何度くらいになっているのか、いまいち想像がつかないと思います。

内部の冷媒温度が何度かにもよりますが外側の温度が30℃前後の時に表面が20℃前後になっていることはあり得ます。

断熱材の表面温度は計算式からある程度予測することはできます。


熱貫流量 q=(θ0r) / (1/α+x/λ)

断熱材の表面温度 θs=q/α+θr

q:貫流熱量[w/m2]

θ0:断熱材の内側の温度[℃]

θs:断熱材外側の表面温度 [℃]

θr:断熱材外側の気温 [℃]

x:断熱材の厚さ [m]

λ:断熱材の熱伝導率 [w/m・k]

α:断熱材の熱伝達率 [w/m2・k]

保温の場合(暖房時)はα=12 保冷の場合(冷房時)はα=8 とする


断熱材の内側の温度θ0を冷媒管温度と同等として3℃、断熱材外側の気温θrを天井内の気温30℃と想定して計算してみます。

断熱材はGW24K 熱伝導率は0.038とします(空気調和設備計画設計実務の知識より)。

断熱材の厚さは20mmとします。

このとき、各数値を上記の式に代入していくと

熱貫流量 q=(3-30)/(1/8+0.02/0.038) =-41.5[w/m2] ※保冷なので値がマイナスになります。

断熱材の表面温度 θs=-41.5/8+30=24.8[℃]

このように計算である程度表面温度が予測できます。

ちなみに、上記表面温度のときに天井内気温30℃で相対湿度80%だった場合に結露するかどうかですが、露点温度は26℃程度なので断熱材表面が24.8℃だとしたら結露してしまいます。

この場合の解決策としては断熱材の厚さをもっと厚くすることや天井内の気温と湿度を下げるために天井内を空調する、あるいは室内の空調された空気を天井内に循環させるなどが考えられます。

水分が含まれた断熱材の機能は著しく低下してしまう

断熱材に水分が含まれてしまうとその断熱機能は著しく低下してしまいます。

断熱材が水浸しの状態になっているとき、仮に水と同じ熱伝導率になってしまっているとします。

条件は上記と同様、断熱材内側3℃、天井内気温30℃とします。

水の熱伝導率は0.582[w/m・k]で代入していきます。

すると熱貫流量が-169.4[w/m2]

表面温度は8.8[℃]

という計算結果になります。

この温度ではもう結露はとまりません、断熱していないも同然の状態になってしまうことがわかります。

しかも断熱材は一度水分を含んでしまうとなかなか乾かないため、条件が悪い日があるとすぐに結露が発生するようになってしまいます。

今回はこのあたりまでにして、次回は露点温度を求める計算式やその他の結露事例などについて話したいと思います、たぶん次回で結露対策最終回になる予定です!

結露対策〜2〜天井内ダクトの結露について

ここ数年間、夏になると結露のメンテナンスで声がかかることが多くなった気がします。

温暖化で日本の気候が熱帯のそれに近くなっているからかもしれません。

また、建築や設備の施工業者への要求のレベルも何年か前より上がっているのではないかとも思っていて、期待値が上がるのはよいのですが施工業者としてはなかなか全てにうまく対応できていないのが現実です。

ファサードのガラス面が結露してますと言われても、では空調機の温度設定を弱めにしてくださいとお願いしたり、解決方法というより対症療法のような提案しかできない場面もありますが、お客様の要望を聞きながらなんとか対応しています。

夏場の結露対策について考えてみます。

oldtakasu さんによるPhotoAC よりの画像

天井内でダクトが結露する

天井面のボードが湿っていてカビが発生している、というクレームや空調の吹出口周りが異常に濡れていて水がしたたってくるなどのクレームで現場に確認に行き、天井内をのぞいてみたらSAダクト(空調のダクト、冷房時は低温の空気が通る)の結露が確認されることがあります。

経験の話になりますが、原因はいくつかあります。

・断熱の施工不良

そもそもSAダクトなのに断熱が施されていないということもありますが、これはあり得ないことなので自社で施工した物件の場合はただちに是正工事&平謝り、そして始末書提出ですね‥。

そもそも断熱していないパターンはあまり見かけません(極々まれにありますが…私が過去に発見したのは他社で施工した物件でした、ここでは詳しくふれるのは避けます!)。

また、断熱してあるものの断熱材がダクトやBOX類に密着しておらず隙間があるため断熱効果がなく結露するパターンは何度か発見しています。

この場合も施工不良として速やかに是正工事を実施して断熱工事のやり直しをします。

外気が入り込むなど天井内が高温多湿の状態となっている

最近はあまり見かけなくなってきましたがコストダウンのために給気ダクトを省くため生外気を天井内に取り込んで天井に取付けた空(から)器具から店内へ給気する方法で施工している場合があります。

この施工だと、それこそ夏場に気温31℃相対湿度70%などの状態の空気を天井内へそのまま取り込むことになります。

31℃70%の状態の空気の露点温度は24.9℃です。

SAダクトを通る気体の温度は10℃台などとなるので断熱材があっても断熱材の表面で24.9℃以下となる場合があり断熱材の表面で結露が見られることがあります。

写真のように天井内の温度と湿度が高いとSAダクトに断熱材の付きのフレキシブルダクトを使用していても表面で結露してしまう場合があります

排気のEAダクトでも結露する場合がある

ここ数年で何回か確認しましたが、EAダクトが結露してその経路の下に水滴が落ちて天井面にカビが発生したなどのクレームがありました。

ただの固定観念でしかなかったのですが、EAダクトが結露することはないと思っていたので最初に確認した時は少しショックを受けました。

それだけ天井内とEAダクト内に通る空気、つまり室内の空気の温度と湿度の差があるということになります。

例えば、折板屋根の物件の場合は天井内がよく高温になって空調機本体が結露して空調機周りの天井がカビてしまうなどの話はありますがEAダクトが結露して水滴がしたたる話はここ数年で聞く回数が多くなりました。

EAダクトというのは室内の温度と同じで天井内もそこまで室内のとの環境の違いがない想定で断熱材は基本的に巻きません。

しかし現実は天井内の環境が思っているより高温多湿になる日が夏場に存在しているということです。

これを発見した現場ではEAダクトにも断熱材を巻く提案をしました。

また、天井内に西日が射しこむ現場がありましたがやはり天井内が異常に高温となってしまい天井内のダクトや冷媒配管との温度差が大きくなり過ぎて結露しまくる事例もありました。

天井内がおそらくですが40℃は超えていたと思われます。

その場合何が起こるかというと、高温になった時に店内などからの湿気を高温になった天井内の空気が蓄えてしまうということです。

店内など他の場所の湿気を天井内の空気がスポンジのように吸い取るイメージです。

このため夜になって温度が下がると天井内の湿度は異様に高くなります。

測定値で相対湿度94%が記録された日もありこの場合SAダクトの断熱材の表面やEAダクトの表面が全体的に結露するという事態になります。

天井内が高温多湿の場合EAダクトでも結露が発生してしまいます

天井内の環境を高温多湿にしないためには断熱と遮熱をしっかりする

上記の現場ではとにかく西日の射しこみを防ぐために天井内にあった西側の窓面全てにグラスウール保温板+アルミシートで断熱し、天井内ダクトの断熱の補強をした結果改善はしました。

天井内を高温多湿にしないために除湿器を設置するなどの方法も考えられますが、やはり断熱と遮熱をしっかりするのが基本です。

折板屋根の場合は屋上に遮熱塗装などで日射の影響を抑えて、室内側にはウレタン吹付けなどによる断熱をするべきです。

予算がないのか5mm程度のペフシートしか貼っていない現場をかなり見かけるのですが屋根面に遮熱塗装などなんらかの対策がない場合、それだけでは夏場の天井内が異常な高温になります。

サーモセンサー付きの天井内用の排気ファンを設置すれば緩和される可能性もありますが、結局外気を天井内に取り込むことになるのでやはり基本は建築工事でしっかり断熱と遮熱の対策をしておくことこが基本です。

冷媒管が結露するときの話も書きたかったのですが長くなったので次回にしたいと思います!