制気口にはいろいろな種類があります。今回はどの制気口がどのような目的や場所で使用されるかについて説明していきたいと思います。
制気口の形状にはユニバーサルグリルやライン型、アネモ型、ノズル型などいろいろあります。形状別でおおまかに説明していきます!

換気や空調に使用されるユニバーサルグリル
換気設備の吸込みに使用される制気口と吹出しに使用されるものは違います。
吸込みにはHS、吹出しにはVHSを使用することを以前のブログ制気口やフードの面風速についてでふれました。これらはユニバーサルグリルと呼ばれています。
吸込みは目隠しの意味でルーバー状のものがついていればよいのでHSですが給気の場合はその近くにいる人がドラフトを感じることがあり、ある程度の風向調整が必要となるため縦横のルーバー付きのVHSが選定されます。
またVHSは外部からのほこりや虫などの侵入を防ぐためにフィルター付きのVHSFとすることが多いです。

ちなみにVHSのVは垂直のvertical、Hは水平のhorizontal、Sはシャッターの意味で風量調整したい場合に必要です。そしてフィルターが付く場合はF付きとします。
またVHSは空調の吹出口にも選定されます。夏場はグリルの外縁に結露が発生することがよくあります。それを緩和するために結露防止としてまわりの縁にそって樹脂製のカバーが付いているND-VHSを選定することもあります。

デザイン重視のときはライン型
制気口をあまり目立たせたくない場合にライン型が選定されることが多いです。
美術館や博物館など天井面や壁面に何か主張する物体が存在することが好ましくない空間などでは多用されます。
空調に使用される細長い吹出しはブリーズラインと呼ばれています。

ブリーズラインは風向の調整が可能です。現場に合わせて自由に長さを設定して注文することができます。
カームラインという言葉も聞いたことがあると思いますが、ぱっと見た感じはブリーズラインとあまり変わらないので何が違うのだろうと私も長い間疑問に思っていました。
カームラインは風向の調整ができない、ブリーズラインと違うのはそこになります。
吹出しにカームラインを選定してもよいですがまっすぐにしか吹き出さないため吹出し方向にいる人にドラフトをあまり感じさせたくない場合はカームラインではなく風向調整可能なブリーズラインを選定する必要があります。
エアーカーテンの吹出しに使用したり、吹出しではなく風向が関係ない吸込み、レターングリルのかわりにカームラインが使用されることが多いという印象です。

カームラインを空調のレターンとして使用する場合にフィルター付きとすることも可能です。幅や長さについても柔軟に対応可能なのでメーカーさんに相談するなどして最適なものを選定していただければと思います。
以前のブログでも触れましたが吹出しおよび吸込みの風速が4m/s以上になると風切音が発生することがあるので選定の際には4m/s以下となるような大きさとする必要があります。
吹出しに使用されるアネモ型
空調などの吹出し口としてよく使用されているのがアネモ型の制気口です。

天井面に取り付けます。吹出した気体がアネモの羽によって拡散されて周囲の空気と混合しやすくなります。
製品によっては横方向メインか、縦方向メインかくらいのある程度の風向調整が可能のようです。
ショッピングセンターや大規模な事務所ビルの全体空調の吹出口としてよく採用されています。
このアネモも空調の吹出しとして使用され夏場によく結露するので結露防止型のラインナップもあります。またステム天井に組込むタイプの製品もありますので用途や目的に応じて使い分けていただければと思います。
結露については協立エアテックの外面植毛と断熱材を施して無結露とうたっている商品があります。ヒーター付きの商品もあったと思います。

今回はここまでにして、次回も制気口の話題の続きでいきます!