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制気口やフードの面風速について〜制気口はなるべくコンパクトサイズで選定〜

制気口や厨房内に設置されるフードなどの面風速はどのように考えて設定すればよいのか?

大きく取りすぎると風量も大きくなりダクトの納まりが悪くなるため換気設備の設計や施工に支障が出ることがあるので注意が必要です。

厨房のフード 筆者撮影

制気口サイズを風速から設定する

排気設備の吸込口あるいは給気設備の吹出口に取付ける制気口。

このサイズについては大きすぎるものを取付けるとコストの無駄なのと天井の納まりが悪くなるので最低限の大きさで設定します。

ではなにを基準に決めるかと言えば、吹出しあるいは吸込みの風速です。

4m/sを越えると風切り音が発生する可能性があるので基本は3m/s以下で考えます。

計算する時は2〜3m/sで考えればよいです。

制気口には様々な形状があります。

空調技研工業(株)のWEBカタログより

代表的なものとして上の写真のような制気口がありますがルーバーが横に付いている制気口をH、風量調整のシャッター付きのものをHSと呼んでいます。

縦横にルーバーが付いていればVH、さらにシャッター付きであればVHSです。

右上に開口率82%と書いてあります、これは制気口の大きさを決定する上で重要です。

開口率が半分になると制気口は2倍の大きさにする必要があるので。

では上記HSのサイズを求める計算例を下に示します。


風量400m3/hの吸込口として設置するHSのサイズをもとめます。

制気口の吹出し風速は3m/sで考えます。

まず制気口面積Sをもとめます。

S=400m3/h÷3600s/h÷3m/s÷0.82

最後の0.82は開口率です、メーカーカタログなどに書いてありますがわからない場合HSやVHSについては私は0.7として計算しています(今までそれで不具合が出たことはありません)。

よって S=0.0451m2

正方形の制気口だとした場合一辺の長さは平方根でもとめます。

√0.0451=0.212m

きりのよい大きさで選定するので制気口の大きさは250mm×250mmとします。


開口率についてもう少し補足します。

室内の制気口やガラリは開口率70〜80%程度に対して外部に面して取付けるガラリは雨風の侵入を抑えるため開口率は少なめで20〜40%程度です。

計算する前にカタログなどで開口率を確認する必要があります。

厨房フードの面風速はどう考えるか

厨房の換気量計算についてで説明したように火気使用室の換気量はV=40KQやV=30KQなどの式を用いて求めます。

しかし、例えば厨房器具のガス消費量をもとにV=30KQで求めた風量が700m3/hだったとしてもその厨房器具の上部に設置する厨房フードの風量を700m3/hとすることはほぼありません。

厨房フードの風量の大きさは面風速を基準にして決めることがほとんどだからです。

厨房フードの面風速は通常0.3~0.5m/sで設定します。

数字の根拠については厨房設計の知識やさしい局排設計教室などを確認していただければと思います。

参考書などによっては1.0m/sでの設定を推奨している場合もありますが風量が大きくなり過ぎるため実際の設計においてはほとんど採用していないのが現実です。

では面風速0.4m/sとしてフードの風量を求める計算例を示します。


フードのサイズが1500W×850D

面風速0.4m/sとする場合の風量は

1.5m×0.85m×0.4m/s×3600s/h=1836m3/h

設計風量として10%程度の余裕を考慮して

1836×1.1=2020m3/h とします。

フードの面風速をもとにして計算した風量とV=30KQで求めた法的に必要な風量700m3/hを比較します。

2020m3/h > 700m3/hより法的に必要な風量を満たしているので問題なし。


喫煙室の入り口は面風速0.2m/sで計算

東京都福祉保健局の資料に喫煙室の出入口で喫煙室の外から中に向かって0.2m/s以上の風速を確保することが書かれています。

リンク東京都福祉保健局 喫煙室出入口風速

神奈川県の資料に風の流れのイメージがあります。

神奈川県公共施設における受動喫煙防止条例分煙に関する基本的考え方より

喫煙室の入口が800W×2000Hの開口だった場合、0.2m/sの風速を確保したいときに必要な風量は

0.8m×2.0m×0.2m/s×3600s/h=1152m3/h

となります。

喫煙室を作る場合、思ったより大きな風量が必要になります。

なので一軒の店舗でも複数箇所喫煙室を設ける場合は客席の一般排気の何倍もの風量が喫煙室の排気として必要になることも実際にあります。

またこれは建築的な内容ですが喫煙室の出入口を開き戸で計画すると煙があおられて外部に出てしまう可能性が高くなるため引き戸で計画することが推奨されています。

0.2m/sの風とはどのくらいのものなのか疑問に思う方もいると思います。

言葉で説明するのが難しいですが、そよ風以下です。

気流検知器という煙を流して風の流れを調べるものがありますが、それを使ってやっと流れがわかるくらいで皮膚で感じ取れるレベルの風ではありません。

あるいは風速計で計測すれば風速の数値は測ることができます。

ちなみに人間がそよ風と感じているのは2〜3m/sくらいの風です。

今回は淡々と面風速の考え方と計算例などを紹介してみましたがぜひ参考にしていただければと思います!

屋内消火栓の概要〜非常時に消火栓を使いこなせるか?〜

屋内消火栓には1号消火栓と2号消火栓があります。2号消火栓は起動ボタンを押してホースを1人で伸ばすことが可能なので非常時でもなんとか使えそうな気がしていますが1号消火栓は非常時にうまく使いこなせるか?

屋内消火栓設備の概要の紹介と合わせて考えてみます。

himawariinさんによるPhotoACからの写真

屋内消火栓の概要

屋内消火栓の設置基準は消防法施行令第2章第3節第2款第11条にあります。

消防法令別表に建築物の用途の種類分けがありますがその用途と面積によって消火栓設備が必要かどうかを判断します。

例えば(3)項に分類されている飲食店や(4)項の百貨店などについては延べ面積700m2以上の場合設置が必要ですがショッピングセンターなどの複合用途となる(16)項のイに分類される建築物になると150m2以上から設置しなければならないです。

不特定多数が利用することが想定される建築物では規制が厳しくなります。

主要構造部を耐火構造として壁および天井を難燃材料とした場合は面積を3倍の数値として読みかえることもできます。つまり700m2なら2100m2まで緩和されます。

詳細については建築消防adviceや建築関係法令集などの書籍で確認をお願いします。

屋内消火栓の概略図が下記になります。

屋内消火栓設備概略図 筆者作成

地下に水源となる消火水槽と消火栓ポンプを設置します。

ポンプには呼水槽がセットになります。

また起動装置と連動などをするために制御盤も必要になります。

各階に消火栓を設置し屋上に補助高架水槽を設置します。

1号消火栓と2号消火栓はどう違うのか

次に消火栓の種類について、1号消火栓と2号消火栓が存在します。下記がそれぞれの消火栓の外観などになります(能美防災㈱と㈱立売堀製作所の製品)。

能美防災(株)のHPより
(株)立売堀製作所のHPより

ショッピングセンターや中規模以上の事務所ビルなどでみかけたことがあるかと思います。

1号消火栓と2号消火栓の仕様をまとめた表が下記になります。

1号2号屋内消火栓の仕様 日本消火装置工業会の資料を参考に筆者作成

1号と2号の違いとして大きいのは1号消火栓が2人で操作することを前提としてしているのに対して2号消火栓は1人でも操作できることです。

易操作性1号消火栓の普及が進んでいる

消火栓は消防隊しか使用できないと思っている方もいるかもしれませんが一般の方が使用する前提のものです。

しかし1号消火栓は訓練を受けた人でなければなかなか非常時にとっさにその操作はできないというのが現実です。

1号消火栓は平ホースと呼ばれる布製のホースをいったん伸ばした状態にする必要があります。

そして起動ボタンを押してバルブを開ける。

バルブを開けるときにホースは伸ばした状態で先端のノズルは火元に向いていないとならない、そういう前提です。

実際、屋内消火栓がどれほど使われて効果を発揮しているのか?

調べてみたら初期消火器具等のユニバーサルデザイン化に関する調査研究会報告に参考になる資料がありました。

この報告によると実際の火災時の消火栓の使用率は平均すると消火栓の設置対象物のうち年間平均で2391件の火災がありそのうち328件で消火栓を使用したので使用率は13.7%ということがわかります。

そして、この数値はここで独自に計算しますが鎮圧に効果ありの件数が平均で57件なので2.37%ということになります。

初期消火器具等のユニバーサルデザイン化に関する調査研究報告より

なんとなく思っていた通り、消火についてそこまで大きな効果がある設備ではないが、ないよりはあったほうがよい設備というのが正直なところかなとは思います。

法的な設置基準があるので、そのようなことに関係なく条件に当てはまる場合は設置しなければならないのですが。

能美防災の消火栓の紹介にもあるとおり、現在は易操作性1号消火栓という1人でも操作可能なものも製品として販売されており設置の推奨がされています。

1人で操作できる消火栓の場合、効果を発揮する確率が15%程度は上がる傾向があります。

1人で操作可能な消火栓にはこのシールが添付されています。  筆者撮影

なかなか1号消火栓を非常時に使いこなすのは難しそうだけど易操作性1号消火栓や2号消火栓であればなんとかなりそう…な気がします!

空調機選定〜3~困った時はこのメーカーのこの機種で

空調の設計図を見ていると室内機から室外機までが遠すぎる図面がしばしばあります。機種によって室外機までの距離は決まっていて遠すぎると施工不可能の時があります。

また、これだけビジネスの先行きが不透明な状況だと現在どんなに利益が出ていても設備投資は極力抑えようとするお客様がほとんどです。空調設備について困った時の対処法とコストダウン提案について少し考えてみます。

スネーィルさんによるphotoACからの写真

家庭用ルームエアコンの配管延長は20mまで

高付加価値機種やハウジングエアコンなどは30m以上というものもありますが

家庭用ルームエアコンと言えば壁掛形、そして冷媒管延長は20mまでという機種がほとんどです。

正直言って制限された長さを多少超えても能力は出ます。

制限の倍の長さを延長した場合は話は別です、規定の能力は期待できません。

では、制限をちょっと超えて何が問題かと言うと何か不具合があった場合のメーカー保証が効かなくなることです。

冷媒の長さは関係ないのではないかと思われるトラブルでも、決まり事を無視した場合はなんやかんや言われて施工側の責任にされるパターンが多いのでメーカーが決めていることはできる限り守らなければなりません。

話がやや脱線しましたが、では制限長さを超えた冷媒配管長で設計されていた場合どうするか?

まず、考えるのは室外機をもっと近くに置くことができないか、ですが物件によってはどうしても無理ということもあります。

例えば設計図書に広めの事務所にダイキンの壁掛ルームエアコンS40XTFXPが選定されていたとします。冷媒管長の制限は20mです。

家庭用の壁掛ルームエアコンFXシリーズ    ダイキンのHPより

しかし図面を見る限り室外機置場がどう見ても室内機から40m程度離れている…

スケールをあてて確認してみても40m以上ある…これは設計ミスだ!というのは簡単ですが施工側として解決案を提示すれば仕事全体もスムーズに進むし追加金額もいただけるかも…。

ということでダイキンの店舗オフィス用エアコンSZRA40BFVへの変更を提案します。もちろん配管延長50mまでOKです!

店舗オフィス用の壁掛エアコン          ダイキンのHPより

家庭用ルームエアコンと見た目はほとんど変わりません。しかし備わっている機能が違います。

同じ壁掛けの機種でも室外機置場選定の自由度はかなり上がります。

ただし値段は店舗オフィス用の方がやや高額となる場合が多いと思います。

また電源ですがルームエアコンの場合、室内機側から電源を取る場合が多いですが店舗オフィス用は室外機から電源送りする場合が多いので電気の施工業者さんとも工事前に打合せをしてお互いに確認しておいた方がよいです。

室外機置場が狭くてレイアウトできない場合は

広めの店舗や事務所に複数台、例えば10台などの空調機の設置をしたいけど室外機置場が限られている場合、

マルチエアコンを選定すれば室外機は1台にまとめることが可能です。

また、配管延長距離もこの機種が最も長くとることができます。

室外機から最遠の室内機までダイキン、三菱電機など90mまで施工可能、高低差は50mまで対応できます。

ダイキン マルチエアコン RVR Aシリーズ   冷媒配管接続要領  ダイキンのHPより

このマルチエアコンの中でもさらにコンパクトな室外機として販売されているのがダイキンのmachiマルチや三菱電機のシティマルチSです。

ダイキン machiマルチ
通常のマルチエアコンの室外機がマッシブな形状をしているのに対してmachiマルチはスリムな形状をしているので狭小スペースにも納めることができます。
三菱電機 シティマルチS 
こちらもスリムな形状で狭小スペースに納まるのが売りですがダイキンのmachiマルチより能力選定のレパートリーが少ないのが難点

どちらのメーカーも同じようなラインナップだろうかと思いきや三菱電機が8.0kwから16.0kwまでの能力なのに対して

ダイキンは11.2kw〜33.5kwの空調能力までの機種が用意されています。

けっこう22.4kw〜33.5kwの室外機を選定する場面はあります。

ダイキンのmachiマルチの方が選択の幅が広いので正直、重宝しています。

冷暖同時仕様は2管式の三菱電機でコストダウン!

この仕事をするようになって初めて知りましたが、この世の中には冷房と暖房を同時にできる空調機が存在します。

どういうこと?と思った方のために簡単に説明するとカラオケ屋さんなど小部屋がたくさんある業態の場合

ある個室では若者が熱唱して汗をかいているので冷房運転をしているけどある部屋では年配の方がゆっくり過ごしていてちょっと肌寒く感じるから暖房運転をしている

冷暖同時のイメージ  ダイキンのHPより

このような使い方が可能な空調機になります。

通常の空調機を冷暖切替と呼ぶのに対して冷暖同時とか冷暖フリーと呼んでいます。

冷暖切替の室外機から延長する冷媒管はガス管と液管の2管式で配管します。

これに対してほとんどのメーカーの冷暖同時の室外機からは高圧液管と低圧ガス管そして高圧ガス管の3管式で配管します。

しかし三菱電機の冷暖同時だけは業界で唯一2管式です。

ダイキンの冷暖同時空調機は3管式
三菱電機の冷暖同時は業界唯一の2管式

ダイキンの配管模式図の赤丸で囲った部分、ここは室外機から室内の冷媒の流れを制御するBSユニットまでのメイン管です。

3管式になっています。

この部分、図面では短く見えますが室外機まで50m以上離れている場合もあります。

そのメイン管の部分が下の三菱電機の配管模式図では2管式になっているのがわかります。

配管が1本少ないだけでも以外とコストダウンの効果はあり、メイン管50mの延長だとしたら概算で20万円程度のコストダウンにはなります。

たった20万円と思うかどうかは人それぞれですが、数十万でもお客様にとっては大事なお金ですから同じスペックであれば少しでも安くできる方を選ぶべきです。

なので私自身が空調設備設計をしていて冷暖同時の機種を選ぶ場合、メーカー指定がなければ躊躇なく三菱電機をスペックしています。

蛇足ですが業務用エアコンについてはメンテナンスの対応が一番よいのはやはりダイキンです、その次が三菱電機です。

その他のメーカーのメンテンスの対応はあまり良くないという印象を私は持っています。

まず、現場にメーカーの人間が確認しに来るまでに時間がかかり過ぎます。

メンテナンスに割くことのできる人員が多くとれないのかもしれません。

ということで各メーカーの長所を確認して設計や施工に活かしてみてください!

ガスマイコンメーターの機能などを紹介

住宅や店舗にガス設備がある場合は必ず設置されているガスメーターですがガスの使用量を計測するのはもちろんのこと、他にも機能があります。今回は都市ガスのガスメーターをメインにしてその種類やサイズなどについて説明していきます。

stevepbさんによるpixabayからの写真

ガスマイコンメーターの機能は使用量の計測だけではない

まず、ガスのメーターの外観ですが下の写真になります。

ガスマイコンメーター 筆者撮影

建築や設備関係の仕事に携わっているかたでなくても見たことがあるかと思います。

職人さんなどはランドセルと呼んでいることもあり、厚みもあってゴツい外観です。

16号メーターは300W×215D×422Hなのでちょうどランドセルくらいの大きさです。

ガスメーターですからガスの使用量の計測をして中央部の表示にカウントされた数字が出ます。

その他、安全などに関するいろいろな機能が備わっています。

1.遮断機能

合計流量オーバー、個別流量オーバー : ガス栓の誤解放、ゴム管外れなどメーターの下流に異常な大流量が流れた場合に1分以内にガスの流れを遮断します。

安全継続使用時間オーバー : ガス機器の消し忘れなどによる異常長時間使用の場合の遮断

感震 : 約200ガル(震度5)以上の地震発生時に遮断

圧力低下 : マイコンメーターの上流(ガスが入ってくる側)のガス供給圧力が30mmAq以下になった場合に遮断

外部信号入力 : 都市ガス警報機や不完全燃焼警報機などとの連動遮断

2.復帰機能

地震の後にガスが止まってしまうことがあります。

マイコンメーター上側中央あたりの表示ランプが赤く光って点滅していたら感震機能が働いて遮断した状態となっています。

復帰ボタンを止まるまで指でしっかり押す(押し込んだまま2秒間待ってから離す)と復帰します。

ただし、リスク回避の機能として復帰後2分以内にガスが流れた場合再遮断しますので、3分間程度はガス機器などを使用せずに待つ必要があります。

3.警報機能

メーターから先の配管での少量漏れや口火を連続使用した場合など30日間連続してガスが流れ続けた場合にガス漏れ警報を表示します。

常時口火を使用する場合は誤警報防止のため口火流量を登録することが可能です。

ガスマイコンメーターのサイズとメーター番号

マイコンメーターのサイズについて製造メーカーの愛知時計電機㈱の製品を参考に紹介します。

愛知時計電機㈱リンク https://www.aichitokei.co.jp/products/gas/

1~6号までは家庭用に取り付けられていることが多いです。マンションのPS(パイプスペース)の点検口を開けると水道メーターとこの1~6号のガスメーターが見られると思います。

家庭用に取り付けるガスメーターは4~6号あたりです。広い家で給湯器が2台付いていたりすると10号の家庭もあるかもしれません。

メーターひとつひとつにメーター番号があてがわれています(この番号はガス料金の明細などに記載されるお客様番号とは異なります)。

上の写真のようにメーター番号はメーターに添付されているラベルの9桁の番号で確認できます。メーター番号の上に記載されているNS16というのは遮断機能、通信機能付きでサイズは16号であることを意味します。

新規案件の現場調査で入った空きテナントにガスメーターがポツンと残されていることなどがよくあります。

メーター番号を確認して、その後の工事などの相談時に東京ガスなど地域のガス業者へ伝えると話がスムーズに進むので建築、建築設備関係者のかたは現場調査時にこの番号をメモする癖をつけておくとよいと思います。

ガスメーターのサイズ選定の考え方

ガスメーターサイズの選定について簡単に説明しておきます。

まず、その住居や店舗で使用されるガス消費量の合計を確認します。この数値は給湯器や厨房機器などガス消費機器の種類および台数で決まります。

ガスメーターサイズ選定の計算例を示します。


40坪程度のレストランに下記のガス機器(それぞれのガス消費量(kw)も記載)が設置されていると想定した場合

・24号給湯器 52.3kw 1台

・ガスコンロ 40.0kw 1台

・ガスフライヤー 15.0kw 1台

ガス消費量の合計は52.3+40.0+15.0=107.3kw

消費量の単位をkcal/hに直します

107.3kw × 860 = 92278kcal/h…①

ガス流量1m3/hあたりのガス消費量は10250kcal/hなので

①より 92278 ÷ 10250 = 9.0m3/h

メーターの1号あたりが1m3/hなので9.0m3/h以上の流量で使用できるメーターサイズとして10号メーターを選定します。


ガス消費量は1m3/hあたり10250kca/hに切り替わるころ10年以上前の話ですが

メーターサイズの選定について、こちらで計算して東京ガスの担当者に、このサイズでいいですか?

と相談したら今は10250kcal/hで計算しているのでそれだとだめかもしれないという話が出てきました。

以前はガス消費量は1m3/hあたり10250kcal/hではなく11000kcal/hで計算していました。

10250kcal/hでは今までより同サイズのメーターで使用できるガス消費量が少なく算出されるからメーターサイズや配管サイズが大きくなってコストアプップではないのか、とちょっとクレームをしたのを覚えています。

結局、同時使用率を調整することでメーターサイズを大きくすることは避けるよう調整してくれました。

あと、昔は16号メーターがなくて15号メーターでした。

なぜ15号がなくなったかというと10号メーターと15号メーターが聞き分け難かったからです。「じゅうごう」と「じゅうごごう」確かに当時は混同されないように慎重に発音していた記憶があります。

ということで最後は昔話になりましたが建築や設備関係の方は営業トークの雑談ネタにでもしていただければと思います!

住まいの換気をコントロール

朝晩が肌寒い季節になってきました。なぜかこの家のこの場所で寝ているとすごく冷える感じがする、という時は近くに給気口があるのでは?工夫をしながらある程度住まいの換気をコントロールする方法を考えてみます。

kscz58ynkさんによる写真ACからの写真 

冷たい風を感じたら給気口の開閉で調整してみる

冬場、家の中でレビを見ているときや寝ているときに妙に寒さというか冷たい風のようなものを感じる場合は給気口からの外気流入が影響している可能性があります。

ソファーが置いてあるすぐそばに給気口がある場合もあります。

ご存知かとは思いますが住居の給気口は下のカタログ写真のようなものとなります。

UNIXのHPより

上の四角い給気口はプッシュ式で開閉します。下の丸い給気口は真ん中の部分を回して開閉します、開き具合を変えれば風量の調整も可能です。

寒いと感じた時にはこの給気口を閉めてしまうか調整可能なタイプであれば風量を絞ってしまえばかなり寒さは緩和できます。寒ければ寒い日ほど閉めた時にその違いを感じると思います。

様々なメーカーのいろいろな商品があるので自宅に取り付けられている製品の可能な範囲で調整してみてください。

本来は24時間換気の給気の意味で開けておくべきなのですが、寒い日は仕方がないです。

空気のよどみを感じたら窓を開けて換気しましょう。

また、1ヶ所を閉じたとしても部屋が複数あって複数の給気口がある住宅の場合は他の給気口からは新鮮空気が入ってきます。

屋内側の結露を緩和したい場合は

紺色らいおんさんによる写真ACからの写真 

冬場は朝方に屋内側の窓面で結露することがあります。窓面の表面温度は外気温の影響でかなり低くなります。

例えば室内温度が20℃相対湿度50%の場合、露点温度は10℃程度なので窓面温度が10℃を下回ってくると結露し始めます。

外気温度一桁の朝などはかなり結露する確率は高くなってきます。

特に気密性の高い新築のRC造のマンションなどではこのタイプの結露が起こりやすいです。

では、この結露を緩和するにはどうしたらよいかですが外気温と室内温度の差が小さければ結露は起こりにくくなるので給気口を開けてなるべく外気を取り込むということになります。

すると、冬場の室内温度を下げたくないから給気口を閉じたいのに結露を緩和させたい場合は開けることになり相反する調整をどうすればよいのか、ということになります。

では、どう考えるかですが例えば夜中の間、人が過ごさないリビングは給気口を開けておいて寝室となる部屋は閉めておくという調整をするかです。

あるいは換気扇の強弱で風量の調整、タイマーで朝方の数時間は換気扇の電源をオフにして寒さ対策とするなどが考えられます。

給気口のフィルター掃除をして空気がよどまないようにする

給気口にフィルターが付いているタイプが多いですが、このフィルターも放置していると目詰まりします。

フィルターが目詰まりすると外気の取り込みがスムーズにできないため室内空気のよどみの原因になります。

簡単にですがフィルターなどの清掃方法を以下に紹介します。

以上、換気をコントロールするというより給気口の管理をどうするかという話に終始した感じになりましたが参考にしていただければと思います!

給水の負荷流量計算

ポンプの選定などをする際に給水の負荷流量として瞬時最大流量を算出する必要があります。

流量の確認をするために計算したい、だけど教科書をひっぱり出してきて思い出しながら計算するのがおっくうだと思う方、私もその一人です。流量計算の考え方を簡単にまとめてみます。

PublicDomainPicturesによるPixabayからの画像 

器具給水負荷単位による方法 まず給水負荷単位数の累計を算出

SHASE-S2009などに瞬時最大流量の求め方として4つの算出方法が示されていますがそのうちのひとつの方法、器具給水負荷単位とHunterの同時使用流量のグラフから簡便に求めることができます。

単純化した給水管ルートの図を下に示します。このモデルの給水負荷単位から同時使用流量をどのように求めるか説明しながら話を進めます。

図:給水配管ルートのモデル 事務所と考え公衆用として扱うこととする

次に器具給水負荷単位が示された表が以下になります。

表:器具給水負荷単位      
給排水・衛生設備計画設計の実務の知識を参考に筆者作成

図から器具数をひろい、上記表より器具給水負荷単位を確認して器具給水単位の累計を求めます。実際の計算手順は以下になります。


表より大便器、洗浄弁、公衆用3個所の給水負荷単位は1台当たり10なので

10 × 3 = 30

同様に小便器、洗浄弁、公衆用5台の給水負荷単位は5なので

5 × 5 =25

洗面器、公衆用5台の給水負荷単位は2より

2 × 5 =10

給水負荷単位の累計はこれらの合計なので

30 + 25 + 10 =65

給水負荷単位累計は65となります。


ちなみに洗浄弁というのはフラッシュバルブのことでタンクなしのタイプのハンドルやボタンあるいは自動操作で給水管から直接便器に大量に洗浄水を流すタイプの洗浄の仕方のことです。

グラフから同時使用流量を読み取る

下に示すグラフから器具給水負荷単位数65の時に同時使用流量の数値を読み取ります。

グラフ1:器具給水負荷単位数と同時使用流量を表すグラフ  R.B.Hunter
グラフ2:器具給水負荷単位数と同時使用流量を表すグラフ 器具給水負荷単位数の小さい部分を拡大

曲線1は大便器洗浄弁の器具が多い場合 曲線2は洗浄弁の大便器が多い場合に使用します

赤でマーキングしたように器具給水負荷単位65の位置から上にまっすぐ伸ばした直線と曲線1が交わる点でまっすぐ横を見ていくと同時使用流量は210l/minとなることがわかります。


流量がわかったら配管径や給水ポンプの選定ができるわけですが、そのあたりの話は次の機会にしたいと思います。

また、このグラフの曲線について計算式はないのか?疑問に思うかもしれませんが近似式はあるようですので興味のある方はさらに調べてみてください。

もっと簡易的に流量の概算値を知る方法

水栓をかなり大きく開いたときに流れる流量は15l/min程度です。おおよそ下の写真右から2番目の状態です(1000l/h≒16.7l/min)。

給水栓からの時間当たり流量比較 米子市のHPより(おそらくどこかの衛生器具メーカーカタログの抜粋)

例えば、ある店舗で同時使用する水栓が5個所だと想定した場合に1栓あたり15l/minですから同時使用流量の概算値は下記の計算になります。

15l/min × 5個所 = 75l/min  

上記の結果が得られます。この計算はシンプルですが申請などが絡まない現場において必要最低限の流量の概算値を予測する場合はかなり役に立ちます。

建築設備専門家の方には是非使っていただければと思います!

厨房の換気量計算について

店舗の施工における飲食店などの厨房の換気量は居室の換気量の考え方とは全く異なる考え方で計画します。汚染された空気を排出するためにかなり換気量が大きくなる傾向があります。

acworksさんによる写真ACからの写真 

フードの形状などによって厨房の換気量は変わる

法的に必要な換気風量を計算します。

建築基準法施行令20条の3および建設省告示第1826号より調理室等に設ける換気設備の内容に下記の換気量計算法が示されています。


・火気使用する厨房機器の上部にフードなしで排気する場合

火気使用排気計算イメージ図 筆者作成

V=40kQ

V : 有効換気量(m3/h)

k : 理論廃ガス量 定数0.93

Q : 燃料消費量 (kW)


・火気使用する厨房機器の上部にフードⅠ型を設置して排気する場合

火気使用排気計算イメージ図 筆者作成

V=30kQ

V : 有効換気量(m3/h)

k : 理論廃ガス量 定数0.93

Q : 燃料消費量 (kW)


・火気使用する厨房機器の上部にフードⅡ型を設置して排気する場合

フードⅡ型は排気口に向かってテーパーがかかった形状でフードを製作します。フードⅠ型の補修効率25%に対してⅡ型は50%としての計算となります。

火気使用排気計算イメージ図 筆者作成

V=20kQ

V : 有効換気量(m3/h)

k : 理論廃ガス量 定数0.93

Q : 燃料消費量 (kW)


・火気使用する厨房機器から直接的に煙突によって排気する場合

排気量はかなり少なく設定することが可能な形です。

火気使用排気計算イメージ図 筆者作成

V=2kQ

V : 有効換気量(m3/h)

k : 理論廃ガス量 定数0.93

Q : 燃料消費量 (kW)


フードⅠ型を設置する場合の換気量の計算例を示します。

Ⅰ型を設置するのでV=30kQの式を使用します。

燃料消費量25kWのガスコンロが設置されていた場合に必要な有効換気量Vは

V=30 × 0.93 × 25 =697.5(m3/h)

よって法的に必要な風量は697.5(m3/h)であることがわかりました。

フードと火元の離隔距離

上記の計算をする場合の条件としてフードの下端と火元(ガスコンロであれば五徳の上端まで)の距離を1.0m以下とする必要があります。

フードおよびグリースフィルターの離隔距離の関係 筆者作成

また、火災予防条例で火元からグリースフィルターまでは1.0m以上としなさいという決まりがあるので混同しないよう注意が必要です。

フードは換気量の計算上ある程度火元に近くないといけないが、グリースフィルターは火災の可能性を考慮してあまり火元に近付け過ぎないでください、という意味です。

厨房の排気量は最終的にフードの面風速を確保することで決定します。

これに関しては次の機会に説明をしたいと思います。

空調機選定の考え方~2~

空調機の形にはさまざまな種類があります。どのような形の機種がどのような用途の部屋で選定、使用されているのでしょうか。

mohamed_hassanさんのイラスト pixabayより

事務所などで使用されている天井カセット形

・天井カセット4方向形

天井カセット4方向は事務所でもっともよく使われている形状です。どこの施設に行っても必ずどこかでみかけると思います。

天カセット4方向形  写真ACより

吹出し方向が多いので小さい部屋であれば中央あたりに配置すれば1台で部屋を均等に空調できます。

広い事務所や飲食店の客席においても天カセ四方向を複数台バランスよく配置して設計することが多いです。

各メーカーともこの形の空調機のオプション機能や周辺部材が最も充実しています。

加湿機能や中性能フィルターの追加、少し離れた位置にダクト延長により吹出し口を取付けることができるなどシチュエーションに応じて様々な対応が可能です。

・天井カセット2方向形

天井カセット2方向 三菱電機のHPより

廊下の長手方向に吹出すように配置したり事務所などのライティングレールに沿って配置して見た目を整える目的で使用するなどが考えられます。

・天井カセット1方向形

天井カセット1方向形 三菱電機のHPより

天井のレイアウトの都合上、空調機を部屋の片側に寄せたい場合があります。

そんな時は天井カセット1方向形を選定し、片側に寄せて配置します。こちらも事務所や店舗の客席などで使用されています。

デザイン重視の場合は空調機を隠す

・天井ビルトイン形

天井ビルトイン形 三菱電機のHPより

デザインの都合上天井に空調機があらわになることを避けたい時はこのビルトイン形を選定して写真で丸い穴が見えますが、そこにダクトを取付けて延長し吹出口を取付けます。

ダクト延長のイメージ  三菱電機の仕様書に筆者加筆

吸込みパネル部分は見えてくるのでデザイン的に邪魔にならない位置に配置します。

吹出口を自由な位置に取付けられること、吹出口のデザインを自由に選べることが利点でこの形の機種を選定すればデザインの幅が広がります。

また店舗の厨房はこのビルトインで空調することが多いです。吸込口を厨房の汚れた空気に影響されない位置に配置して空調機自体の劣化を防止するねらいがあります。

・天井埋込形

天井埋込形 三菱電機のHPより

さらに吸込口の形状や色も自由にしたい、位置も自由に配置したいという場合には天井埋込形を選定します。メーカーによっては天井隠蔽形と呼ぶ場合もあります。

吸込み側もダクティングするので全体の工事費用はアップします。

天井内に納まらない場合は天吊形

・天吊形(1方向)

天吊形 三菱電機のHPより

天井ふところが200mmしかない場合など、そもそも空調機が天井内に隠せない場合はきよく天吊形を選定します。

なにか物体が天井から出てくる感じになるので高級感のある雰囲気重視の店舗などでは選定されませんが、事務所や量販店の売場などではよく選定されています。

・厨房用天吊形

厨房用 三菱電機のHPより

ステンレスボディで汚れに強くオイルガードフィルター付きで内部の熱交換器を保護しています。

調理時にあまり油煙の出ない喫茶店の厨房であれば厨房用以外の天井カセット形を設置することもありますが、フライヤーや大型のグリルを使用するような厨房には厨房用空調機をつけたりビルトイン形で吸込み口を汚染されない位置に配置するなどの対策をします。

これらの対策を怠ると空調機が短期間で傷んだり故障したりするので注意が必要です。

家庭用といえば壁掛形

・壁掛形

家庭用の空調機はほとんどが壁掛形です。

 壁掛形 三菱電機のHPより

なぜかと言われるとはっきり答えられませんが、一般的に住居は天井高がその他の用途の建築物に比べて低く設計される傾向があり天井内に空調機本体を納める前提で設計されていないことが多いからかもしれません。

壁掛形で計画される場合多くは空調機を取り付けた壁の外部側に室外機を設置する計画にします。

壁掛形で計画された場合でも室外機の位置が屋上など離れた位置にある場合もありますが冷媒管の長さに制限があるため家庭用の場合と業務用の場合で室外機設置条件の自由度は変わってきます。

そのあたりの詳細はまた次の機会に書きたいと思います。

便器と便座の隙間から

衛生設備関連でお客様からよくいただくクレームに大便器まわりの床が濡れているので便器のソケットから排水管が外れているのではないか、というものがあります。

私のところに半年から1年に1回は相談が来る感じなので全国の設備屋さんが対応している総数はかなりの件数と思われます。

lyperzytによるPixabayからの画像 

なぜ便器まわりの床だけが濡れているのか?

結論から言うと、大便器と便座の隙間に尿が入り込んでそれが便器を伝って重力で下に流れ、最終的に便器と床の際に溜まります。これが原因であることが多いです。

この原因となる使用者がトイレを出たあと、しばらくして次にトイレを使用する人が見たときに、床と便器の隙間からなにか液体が漏れ出しているように見えるのですが実はその前にトイレを使用した方の尿が床に溜まっている状態なのです。

尿が便器と便座の隙間から外へ出て便器先端部から下へ便器表面を伝って床の便器まわりに溜まるイメージを下図に水色で示しました。

床の便器周りから水が漏れている、とか、便器まわりの床が水浸しだから排水管が外れているのではないか、というクレームについてはまず便器と便座の隙間から外へ出てしまった尿が原因ではないか疑ってみてください。

便器と便座の隙間から尿が出ないようにする対策方法

原因がだいたいわかったところで、お客様にこれをどう説明してどう対策するか。

最近は座りション派の男性も増えました。

マンション住まいの方は特に飛沫の影響で汚れるのを嫌う家族から立って小便をすることを禁止されている家庭も多いと思います。

私自身も公衆トイレの使用以外ではほぼ座りションです。

意図せず放った尿がちょうど隙間に到達して結果的に汚してしまっていたということがあったかもしれません。

尿が外に出てしまうことを防止する商品がいくつかあるので紹介します。

Panasonic アラウーノのモレガード

Panasonicが販売している樹脂性の大便器アラウーノはその形状により便器と便座の隙間から尿が飛び出ないような対策をしています。

PanasonicのHPより アラウーノ モレガードの説明

SANKO トイレ汚れ防止パッド

汚れ防止パッドという商品もあります。

便器先端部の便座との隙間に貼って飛び出そうになる尿を吸い取るという作戦です。

AmazonよりSANKO商品のページを抜粋

その他にも対策できる商品がありますので調べてみてください。

排水管が外れているのではないか?という話を真に受けてお金をかけて大便器を外して確認作業をしたけど何の解決にもつながらなかった、ということにならないように紹介してみました!

問題解決につなげていただけると嬉しいです。

居室の換気量計算について

設備設計などに頻繁に使う換気量計算について説明します。初級の設備屋さん向けの内容になります。まず法的に必要な風量をクリアさせることを考えます。

居室の換気量計算

事務所や店舗の客席など人が滞在する室については建築基準法施行令第20条の2に示された下記の計算方法にに基づいて居室の換気量を求めなければなりません。


V=20Af/N

V : 有効換気量(m3/h)

Af : 居室の床面積(m2)

N : 一人あたりの専有面積(m3)


ちなみにm3/h(立米パーアワー)は換気量を表す時に使用する単位で一時間あたり何m3の換気をするかを意味しています。

Af/Nの部分は居室の床面積を一人あたりの専有面積で除してします。つまり居室に何人の人間が存在するのかということを計算しています。それを20倍すれば必要な換気量が得られます。

もう少し噛み砕いて言うと、一人あたりに必要な換気量は20m3/hでこの値に居室を利用する人数を掛け算すれば必要な換気量を算出することができる、ということになります。

計算例を示します。

居室面積 Af=30m2 の居室の換気量を求める場合、一人あたりの専有面積 N=5mとしたときの有効換気量Nは

N=20Af/Nより

N=20×30/5=20×6=120

よって必要となる換気量は120m3/hとなります。

居室に存在する人が6人で1人あたり20m3/hが必要なので居室全体で120m3/hが必要となるということです。

シックハウス対策で必要な換気計算量

次に2003年7/1から建築基準法施工令第20条の7および20条の8によって施行されたシックハウス対策のために必要となる換気量について説明します。

規制の対象となる科学物質はクロロホルピスとホルムアルデヒドとなります。このうちクロロホルピスは使用禁止とされています。

よってホルムアルデヒドを発散する可能性のある建材についての規制を確認していきます。

まず、内装仕上材の使用制限についてですがホルムアルデヒドの発散量は下の表のようにクラス分けされています。

国土交通省のHPより抜粋

ホルムアルデヒドの発散量が0.005mg/m2 以下の場合はF✩✩✩✩(フォースターと呼んでいます)発散量が多くなるごとに星は減ります。最下クラスの第1種ホルムアルデヒド発散建築材料に関しては使用禁止、第2種と第3種は建材の使用面積が制限されます。

この時、換気量によって使用可能な面積が変わりますが下の計算式によって求めることができます。

三菱換気送風機総合カタログを参照して筆者作成

しかし、実は上記のN2S2 + N3S3 ≦A の計算について少なくとも私は実務で使用したことがありません。なぜなら現在生産されている仕上材のほぼ全てが規制対象外のF✩✩✩✩で作られているからです。

24時間換気の換気計算量

ただしF✩✩✩✩で作られた仕上材を使用した場合においても家具などからの発生が考えられるため下記の計算式で求めた居室の換気量を確保する必要があります。これがいわゆる24時間換気と呼ばれるものです。


・住宅の居室等 V=0.5・A・h

・上記以外   V=0.3・A・h

V : 有効換気量(m3/h)

A : 居室の床面積(m2)

h : 居室の高さ(m)


住宅の居室は0.5回/hつまり1時間で居室の50%にあたる体積の空気を入れかえる、それ以外は30%にあたる体積を入れかえるということを意味しています。

計算例を示します。

面積が40m2で平均天井高さ2.7mの住宅の居室の24時間換気量を求める場合V=0.5・A・hより

V=0.5×40×2.7=54

よって24時間換気として必要な換気量は54m3/hとなります。

店舗などの居室は住宅の居室ではないのでV=0.3・A・hでも本来よいはずですが実際確認申請に絡む図面を作成する場合の換気計算書では安全側の値になるV=0.5・A・hを使用していることが多いです。

設備設計で換気量計算をする場合、法的に必要な換気量を計算する場合は上記の居室の換気量N=20Af/N と 24時間換気のV=0.5・A・hとV=0.3・A・h これを覚えておけばよいです。