白雪姫からアナ雪への飛躍
最近小学校1年生の子供がずっと家にいます。それはなぜか?

小学校が休校だからです。ようやく6月から小学校も始まるようですがクラスを3つの班に分けて週2で通うようにして密を避けるとのこと…まだ通常に戻るまでに時間がかかりそうです。
で、子供が家にいる時何をしているか?うちの子供の場合はかなりの時間テレビを見ています。放っておけば3時間くらいずっと見ているので、そんなに見てはダメだとたまに怒りますが怒るとイジけたりします。アニメが大好きでドラえもんとクレヨンしんちゃんは鉄板です。土曜日が待ち遠しくてたまらないようです。アニメの映画もかなり見ていますが一時期繰り返し見ていたのが「アナと雪の女王」です。今も思い出したようにアナ雪を見始めることがあります。特に興味も無かったので一緒に見ることもなかったのですが、あまりにも何度も子供が見ていたので、最初はぶつ切りで目に入っていたストーリーがそのうちつながって全体がわかるようになりました。
思ったのはこれはおもしろい映画だなと、売れるのもわかる気がしました。ディズニー映画だと白雪姫とかシンデレラは有名というか知らない人はいないと思いますが女の子が王子様に見染められて幸せになるというストーリーで、うがった見方かもしれませんが男の権威に女が取り入るということで幸せを掴んでいます、夢ぶち壊し、ストーリー端折りすぎですいません。
アナ雪で出てくる王子様、ハンス王子は実は悪役という設定で、アナを助けるクリストフという男も脇役気味で、真実の愛で雪が溶ける話もクリストフとの愛で…というわけではなく姉のエルサとの愛によって成されます。序盤においては主役級の目立ちかたをするハンス王子が実は悪役というのは最初に見たときには衝撃的でした。
もっと言ってしまうとアナ雪においては男はアナとエルサの引き立たせ役でしかない、男に媚びることもないキャラが男からちょっと助けてもらいながら冒険するし、自分の殻を破って覚醒しちゃったりする。これは現代の女の子による女の子のための物語なんだと、そう思います。もう男に媚びる女性像は古い、権力や容姿で男を選ぶことはない、女の子は女の子の意思で自由に人生の選択をして強く生きていくんだという、そういうメッセージが込められているのではないでしょうか。白雪姫やシンデラの時代からの飛躍はかなりのものです。
「ありのままの自分」とは
劇中でエルサが自分自身の能力を解放する象徴的なシーンでLet it goという歌を歌います。これ、うちの子も大好きでお風呂とかで大声で歌い始めたりします、歌詞はめちゃくちゃですが…。
日本語バージョンだと「ありのままで」という副題がついていますがよくよく歌詞を聞いてみると、このままじゃダメなんだという動機からのありのままの自分になるという、そういう歌詞です。これけっこう実はツラい状況で現在の自分を受け入れてはおらず、本当の自分は環境などに押さえ込まれてしまって全ては出せていない、ということです。現代の女性の状況を象徴しているようにも感じます。

ビートルズの名曲Let it beもありのままという意味ですが、こちらは今のままの自分でもいいんじゃない?そんなに無理しなくて、というニュアンスが強いと思います。悟りの境地というかいろいろあるけどまあ、今のこの状況を受け入れてやっていきましょうという感じです。
キリスト教徒であるポール・マッカートニーが聖母マリア様からいただいた言葉として歌っていますから、かなり宗教感が入り込んだ厳格ささえ感じてしまう歌です。個人的にはやはりビートルズのLet it beの方が好きかな。なんか聞いていると落ち着きますし…小さい頃母さんがよくレコードで聴いてたのを思い出します。
Mother Mary comes to me
Speaking words of wisdom
Let it be
マリア様は僕のところに来て
素晴らしい言葉を言ってくれたんだ
ありのままでいいんだよって
なんか結局ビートルズいいよねみたいな感じで終わりますが、間違いなく言えるのは現代の要請はLet it beではなくLet it go!です、だからアナ雪はみんなが見る映画になったのだと思います。
裏を返すと現実と理想のギャップが大きい競争社会を象徴しているとも捉えることができます。ひねくれた見方かな…。
とりとめない話ですいません。