カテゴリー別アーカイブ: 衛生設備

排水通気配管について

今回は通気配管について書きます。

通気配管については正直に言うと店舗工事の場合、床下の納まりも厳し過ぎるし、どこかで通気立上げるとしてもその場所を確保できない、どうやって通気とるの?という現場がほとんどなのでまともに通気をとれていないという現実があります。

とれる場合はとっていますが、最悪はドルゴ通気頼みという現場がほとんどではないでしょうか。

ドルゴ通気弁は配管内が負圧になった場合しか機能しないので本当の通気の役割を果たしているのかわかりませんが、ないよりはあった方が良いということで取り付けています。

案件によってはドルゴ通気弁の使用を禁止していたりする場合もあるので注意が必要ですが。

まずは通気の取り方の種類から説明していきます。

筆者撮影

代表的な排水通気方式

1.ループ通気方式

ループ通気方式の例

上の図のように最遠の排水器具のトラップの下流で分岐をとり、立ち上げて通気立管にまで延長して接続する形をとります。

通気横間の通気立管への接続高さはそのフロアの最高位の衛生器具のあふれ縁から150mm以上、上方向に離した位置で接続します。

これは万が一、排水管が詰まって器具が満水になってしまったとしても通気配管内へ汚水や雑排水が流れ込まないようにするためです。

この接続高さは気を付けていないと意外と最高位のあふれ縁より下だった、ということもあるので施工時によく確認する必要があります。

2.各個通気方式

この方式は、各器具のトラップから通気を延長して通気横菅にそれぞれ接続するというかたちですが現実的にこの方法で施工している現場を私は見たことがないです。

器具ひとつづつから通気管をとるような施工は想像してみただけでも納まりが悪いし現実的にそのような配管スペースを意匠上確保できない現場がほとんどでしょう。

この方式は指定されない限り現実的に採用されることはほぼないので説明を省きます。

3.伸長通気方式

この方式は通気立管を省略して排水立管上部の伸長通気管のみを用いて通気を行う方式です。

ただし排水立管下部の正圧緩和機能や横枝管内の負圧緩和機能がループ通気に比べて劣り許容流入値も小さくなるため以下の点に留意する必要があります。

1.通気管路には過度の通気抵抗を持つ部材を使用してはならない

2.排水立管にはオフセットを設けてはならない

3.排水立管と排水横主管の接続には大曲ベンドまたはそれと同等以上の性能を持つ継手を使用する

4.排水横主管の水平曲がりは排水立管の芯から3m以内は設けてはならない

5.複数の排水立管を同一の排水横主管に接続する場合は排水横主管に十分な通気を設ける

6.排水横主管または敷地排水管が満流にならない場合は伸長通気方式を使用してはならない

7.排水立管の高さが30mを超える場合はSHASE-S218集合住宅の排水立管システムの排水能力試験法により把握できた排水能力値を許容流量値としその範囲内で使用する。

4.特殊継手排水システム

伸長通気方式の一種で特殊な継手を設けて配管します。

排水管を立管に接続する特殊継手は管内の負圧を緩和するために流速を抑えて流れるようにします。

排水立管と横主管の接続部には正圧を緩和するための特殊継手を設置します。

一般に高層、超高層の集合住宅やホテルで採用されています。

特殊継手のメーカーによって許容流入量値が異なるので確認が必要です。

特殊継手の参考として、クボタケミックスの集合管のカタログの抜粋を以下に掲載しておきます。

クボタケミックスのHPより

排水通気配管の例

排水通気配管の例

教科書には低位通気管は避ける方がよいと書いてありますが、横引き配管は低位通気管として床下を配管するのが現実的な方法です。

できるだけ長さを短くするしかありません。

店舗工事の場合は木工事で床上げすることが多々ありますが、スラブと床の仕上げの間でなんとかするかです。

なのですが、現実は排水管ですらぎりぎり納まるかどうかという現場がほとんどで通気管配管ができない…というかそもそも計画に考慮されていないことがほとんど、というのが現実です。

通気管をとる場合は排水管の真上から45°以内で取り出すので床仕上げが排水管ぎりぎりになっていると、どうしても無理があるのです。

先ほども述べた通り通気立管に接続する位置はそのフロアのあふれ縁から150mm以上上で接続します。

通気管を横引きする場合も内部の水分が溜まらないように勾配をとって配管し、途中でアップダウンさせるような配管はしないようにします。

補助的な通気方式となりますがドルゴ通気弁を使用することが店舗工事ではかなりあります。

ただしドルゴ通気弁は排水管内の負圧の緩和はできますが正圧の場合は臭気の流出を防ぐため閉じる機構になっているので正圧の緩和はできないと覚えておいてください。

森永エンジニアリング㈱のHPより

排水通気配管の図をもう少し補足しておきます。

排水立管の上部の最上階の横管の接続部分より上の部分の立ち上がりと解放部分までを伸長通気と呼んでいます。

この部分は縮小させずに排水立管径のまま立ち上げます。

また、汚水槽の通気は単独で配管します。

汚水槽はポンプアップするときに汚水槽内が急激に負圧に変動します。

この変動の影響を受けないようにするため、他の通気管とは切り離して考えて単独で外部へ解放する必要があります。

今回はこのあたりまでにしておきます!

排水については意外と論点が多いので次回も排水について書こうと思っています。

雨水管の配管サイズを選定する

今年も梅雨入りしました。

雨に関する内容ということで今回は雨水配管の配管サイズ選定などについて説明したいと思います。

と言っても、いままで季節にちなんだテーマで書いたことなどないのですが…紫陽花がきれいだったので雨に関する内容を書こうかなと思ったわけです。

簡単なモデルを使って計算していきます。

筆者撮影 

簡単なモデルで配管経を選定してみる

図に示したa~dの配管径を求めていきます。

ただし最大雨量は80mm/hとして考えていきます。

表1 雨水立管の管径
表2 雨水横管の管径 給排水衛生設備設計計画の実務の知識より

aの配管径:受け持つ屋根面積は3×4=12m2です。

表1を参考に立管の管経を選定しますが、この表は100mm/hの場合の数値になるので80mm/hの場合は80/100をかけて換算します。

よって12×(80/100)=9.6m2となります。

表1より配管径は50Aを選定します。

bの配管径:bの立管は屋根面にと壁面にあたって落ちてくる雨水も受け持つことになります。

垂直壁面はその面積の半分を計算に参入していきます。

面積の合計は 12+(4×4)×0.5+4×18=92m2

80mm/hなので 92×(80/100)=73.6m2となります。

表1より配管径は65Aを選定します。

cの配管径:受け持つ面積は上記の計算より73.6m2です。

表2より75A 勾配1/100 で選定します。

dの配管径: 排水ポンプからの250L/minをどう考えるかですが、この250L/minをいったん雨水を受け持つ屋根面積に逆に換算します。

雨水負荷流量1L/sごとに雨水100mm/hにおいて36m2の屋根面積とします(SHASE-S206 -2009より80mm/hであるかどうかなど関係なく100mm/hの時を基準で屋根面積換算する)。

よって 250/60×36=4.17×36=150m2

これにcの配管径を求めるときに算出した73.6m2をプラスします。

150+73.6=223.6m2

表2より配管径125A 勾配1/200 で対応可能ということがわかります。

雨水排水量は汚水よりも多い

雨水排水の量は汚水よりも大量になります。

ゲリラ豪雨のような大雨が降った場合を想像するとわかると思いますが一気に大量の雨水が流れ込んでくる可能性があるのです。

よって、雨水配管は建物内では必ず汚水雑排水系統とは分けて配管します。

大雨の時に雨水が逆流して大便器などからあふれ出るようなリスクを回避するためです。

雨水配管を外部で汚水配管に合流させる場合、東京都など都市部ではほとんどこの方法で排水していますが、臭気が上がってこないようにトラップますを設置して合流させます。

あるいは汚水ますに接続する手前で配管でUトラップなどを組むかですが、とにかく臭気などの影響を防ぐための処置が必要となります。

ということで、簡単に説明しましたが参考にしていただければと思います!

排水負荷計算について

店舗工事においては店内の排水管を新規で配管して既存排水管の立ち上がりなどへ接続することがよくあります。

新築工事の場合はそれなりに排水管サイズも考慮された計画がされているのですが、築何十年かの物件で立ち上がっている既存排水管を利用しようとする場合、そのサイズが細い場合がかなりあります。

この排水管使えますか、と現場調査依頼いただいたお客様から聞かれたりするのですがサイズによっては即答で「使えません」と答えざるを得ません。

今回のテーマは排水管サイズの判断基準としての排水負荷計算についてです。

ラッキーエースさんによるphotoAC よりの画像

簡単なモデルで計算してみる

まずは教科書にならって排水負荷単位数から排水管サイズを選定していく方法を以下に示します。

ここでは、図のような衛生器具が配置されたフロアが10フロアの10階建てと仮定して計算していきます。

表1:器具排水負荷単位数

給排水衛生設備計画設計の実務の知識より

表2:排水枝管および排水立管の許容最大器具排水負荷単位数

給排水衛生設備計画設計の実務の知識より

①の枝管について、表1より小便器の負荷単位数は4で2台設置されているので 4×2=8

表2より50Aだと負荷単位数6まで、65Aで12まで許容できるので65Aを選定します。

②の枝管については同様に大便器(公衆用)で6、2台なので12ですが大便器の接続が75Aなのでそれより細い管は使用しないので75Aで選定することになります。

③については洗面器の負荷単位数1より2台で2なので40Aとなります。

④について負荷単位数合計22になるので100Aとなります。

⑤について負荷単位数合計23.5になるので100Aとなります。

⑥について負荷単位数合計22+23.5=45.5なので100Aとなります。

⑦立管について45.5の排水負荷単位数のフロアが10フロアあるので合計で455となります。

表2の右側の3階を超える欄を確認すると立管100Aで500まで許容できるので立管は100Aを選定します。

また1フロアあたり45.5で1階分の負荷単位数合計が90を超えていないことも確認しておく必要があります(表2の一番右の欄を確認)。

最後に表3で排水横主管、敷地内への引き込み管口径について確認しておきます。

表3 排水横主管および敷地排水管に接続可能な許容最大器具排水負荷単位数

給排水衛生設備計画設計の実務の知識より

排水負荷単位数合計455より勾配1/100とるものとして150Aで700まで許容可能なので引き込み口径は150Aとします。

実際の設計をする場合は負荷単位数による計算よりも少し安全をみている部分があります

排水モデル図の②の枝管については排水負荷単位数をもとにした考え方では75Aにしました。

しかし、実際に設計する場合は大便器を2台以上受け持つ排水枝管については100Aで描いてしまいます。

とくに店舗の設備設計においては大便器2台が合流するのであれば、その枝管は100Aにしておいた方がよいです。

飲食店においてですが、事務所に比較して使用頻度が高くなり詰まりなどのトラブルの頻度も多いので。

店舗のトイレ詰まりメンテナンスで呼ばれて対応したことも何度かありますが、携帯電話はよく詰まっていることありますね‥ガラケーが多いイメージです。

あとはメガネもありました、まあこれらは配管径がどうこうの話ではなく大便器のトラップに引っかかっているのですが。

また、ここ最近は節水型の便器が主流ですがこれも排水の詰まりの一つの原因になっていますね、メーカーに言っても認めてはくれませんが確実にこのトラブルは増えています。

使用したティッシュなどの固形物の量に対して節水型の4Lや5Lという水量が少ないため固形物が搬送されずに配管の途中で留まってしまうという現象が起きています。

配管の横引き長さが長いとこのトラブルが起きる可能性は上がるのでなるべく横引きを短くできればよいですが、なかなかそうもいかない現場も多いです。

お客様の使用の仕方として、何回か流すようにしていただくという場合もあります、これはもう頭を下げてお願いをしている感じの最後の手段的な話になります。

あとは、節水型便器とは言ってもほとんどの機種で流量調整はある程度できるので7Lや8Lまで設定を変えて流量を増やすことも可能です。

これで解決してクレームが止んだ現場もあるので試してみていただければと思います!

高置水槽のサイズ選定

前回は受水槽のサイズについて話しましたが、今回は高置水槽についてです。

高置水槽のサイズや水槽に水を送る揚水ポンプの揚程についても検討してみます。

筆者撮影

高置水槽の有効容量

揚水ポンプと高置水槽の有効容量のは次式の関係があります。


Ve≧(Qp-Qpu)・T1+Qpu・T2

Ve:高置水槽の有効容量[L]

Qp:ピーク時予想給水量 [L/min]

Qpu:揚水ポンプの揚水量[L/min]

T1:ピークの継続時間[min]15~30分

T2:揚水ポンプの最短運転時間[min]


一般に高置水槽容量Veは時間平均給水量の1時間分としています。

下の図のように、高置水槽の低水位部分は (Qp-Qpu)・T1 

なのでピーク時に水槽が空にならないような考え方となっています。

また、低水位から高水位の間の水量は電極によるポンプの発停の間に揚水ポンプで汲み上げる水量を意味します。

揚水ポンプの揚程

揚水ポンプの揚程は次式となります。


H≧H1+H2+V2/2g

H:揚水ポンプの揚程[m]

H1:揚水ポンプの吸水面から揚水管頂部までの実高さ

H2:揚水管路における継手部などの摩擦損失水頭[m]

V2/2g:揚水管の吐き出し口における速度水頭[m]

g:重力加速[m/S2]


実際に数値を入れて計算してみます。

1日の水使用量120m3=120000L/日で使用時間9時間、ピークの継続時間は30分、揚水ポンプの最短運転継続時間は15分とします。

時間最大予想流量を時間平均流量の2倍として

120000/9 × 2=26600[L/h] 

時間最大予想流量=揚水ポンプの揚水量として

Qpu=26600[L/h]=443.5[L/min]

ピーク時予想給水量Qpは時間最大予想流量を時間平均流量の3倍として

Qp=120000/9 × 3=39900[L/h]=665[L/min]

このとき高置水槽容量Veを求めるには

Ve≧(Qp-Qpu)・T1+Qpu・T2 に上記の数値を代入していきます。

Ve≧(665-443.5)×30+443.5×15=13298[L]=13.3[m3]

また、受水槽から高置水槽までの高さを50m、管路の長さを60m摩擦損失は配管長の2倍と仮定して、配管内流速1.5m/s 単位当たり摩擦損失0.34kPa/mの場合の揚水ポンプの揚程Hを計算すると

H≧H1+H2+V2/2g より

H≧50+60×0.34×2/9.8+1.5×1.5×/(2×9.8)=54.2[m]

※V2/2g の速度水頭部分は省略しても差支えはありません。

 

最近は高置水槽で計画する案件は少ない

私の知る限りでは、高置水槽で計画する新規案件はあまりないという印象です。

小規模から中規模の建築物の場合、まず検討されるのは増圧ポンプです。

増圧ポンプを設置するのがコスト面においても施工的にもメリットがあります。

わざわざ受水槽室を計画する必要もなければ、受水槽清掃などのわずらわしいメンテナンスもなくなります。

階段の下のスペースや外部の隣地との隙間などに増圧ポンプは設置できてしまうので計画の幅が広がります。

ある程度大きいマンションなどは地下ピット内に受水槽を設置してそこから加圧ポンプで直送するという方法が多いのではないでしょうか。

私の場合、店舗工事がメインであまり規模の大きい建築に関わっていないためそのあたりの事情はもっとわかる方がいると思いますので別途、確認していただければと思います!

受水槽のサイズ選定

受水槽方式の場合に受水槽のサイズをどのように考えて選定すればよいのか。

建築物の規模が大きくなれば受水槽も大きくなるであろうことはわかりますが何を基準に選定すればよかいのか、どのような計算に基づき選定するのか説明します。

筆者撮影

受水槽の容量を計算

受水槽の容量Vsは使用時間から考えたときに以下の計算式により考えます。


Vs ≧ Vd – Qs・T ‥①

Vs :受水槽の有効容量[m3]

Vd:一日の使用水量[m3/日]

Qs:水源からの給水能力[m3/h]

T:1日の平均水使用時間[h]


また、水の使用時間帯意外の時間帯に受水槽を満水にする必要があるため次式も満たすようにします。


Qs ・(24-T) Vs ‥②


実際に数値を代入しての計算例を示します。

事務所で Vd:一日の使用水量120[m3/日]

Qs:水源からの給水能力127[L/min]

T:1日の平均水使用時間9[h]

の場合を計算します。

まず給水能力Qsの単位を直しておきます。

Qs=127[L/min]=0.127×60 [m3/h] =7.62 [m3/h]

以上の数値を①の式に代入していきます。

Vs ≧ Vd – Qs・T= 120-7.62×9=51.4 [m3]

次に②の式も確認しておきます。

Qs ・(24-T) Vs ‥②

7.62×(24-9)=114.3 [m3]

よって受水槽容量は51.4[m3]以上 114.3[m3]以下 で選定します。

受水槽の容量の目安は一日使用水量の半分程度となるので

60[m3] で決定します。

半分程度なので70[m3]などでもよいですが、とりあえずジャスト半分ということで。

1日の使用水量について

受水槽の容量については各自治体や水道事業所によって規定があるので必ず各地域の水道局などへ確認する必要があります。

各自治体で規定はそれぞれですが、よく見かけるのは1日の使用水量の4/10~6/10の範囲で計算する規定です。

1日の使用水量については下記の資料などを参考に求めてください。

給排水衛生設備計画設計の実務の知識の資料を参考に筆者作成

水同局の担当者とはよく打合せをする必要があります

類似の既存施設や既存店舗の過去の給水使用量のデータを参考にすれば、もっともその現場に合致した選定ができるはずであるし受水槽サイズを小さくしたいときなど、水道局との交渉にそのような資料を持っていくと話がまとまりやすいです。

ただし、水道局によって考え方がだいぶ異なるためその水道局独自の規定に従ってくださいの一点張りの場合もありますので気をつけてください。

既存店舗の使用量の資料を持って、受水槽の容量を抑えたい要望を水道局に相談した場合に8割〜9割は柔軟な対応をしてくれます。

受水槽のサイズダウンが可能な場合もありますが、やはりその水道局の規定にどうしても従ってほしい、ということも当然あります。

その場合は、交渉を長引かせても意味がないので妥協できるところで妥協するしかありません。

そんなに水の量は使わないのにな、と思いつつかなり大きい受水槽を設置した例は過去にも何回かありました。

本来、受水槽の容量が大きすぎると水槽内の残留塩素濃度が減少し雑菌繁殖の原因となるため好ましくはありません。

類似既存店の過去データという、もっとも信頼に値するデータを無視して規定に従わせる水道局の判断が正しいのか疑問は残ります。

ただ、「この地域の他の店舗もこの規定に従っていますので平等性を考慮すると特例を認めるわけにはいきません」という話にも一理あるため、なかなかゴリ押しはできません。

まあ、仕事が滞ることは問題なのでそのときの状況を見ながらうまくやるしかないです!

一酸化炭素中毒は死に直結する〜給湯器の設置について〜

室内に給湯器を設置して排気筒により排気する場合やダクト対応型の排気ダクト内に燃焼後の汚染された空気を排気する方法の給湯器を設置する場合は特定ガス工事監督者の資格を持つ者が施工を指導しなければいけない決まりになっています。

給湯器の設置工事は取り扱いを間違えると一酸化炭素中毒により最悪は死亡事故につながる可能性もあるほどのリスクを伴うものです。

fotoblend さんによるpixabay よりの画像

過去におきた重大事故例

平成5年5月、山梨のリゾートマンションで密閉式の暖房機能付瞬間湯沸器の機器のみを交換して排気筒の健全性を確認せずに再利用したことが原因で7名の死亡と中毒者2名となる事故が発生しています。

ガス消費機器設置工事監督者 再講習テキスト より

既存の排気管は20年以上使用されていたもので腐食によって穴が空いていたことに加えて給排気トップの金網が破れて、そこから鳥が入り込み排気管内部に巣が作らてれている状態でした。

また、機器交換時に排気管と機器接続部のサイズが合わずガムテープで隙間を塞ぐという杜撰な施工がなされていました。

鳥の巣が障害になり排気が正常に排出されない状態のまま運転し続けたことにより一酸化炭素が発生し、排気管の穴などの隙間から天井内を経由して居室へ流れ出ました。

一酸化炭素を吸い込んだ結果、居室にいた7名が死亡、2名が中毒となる重大な事故に至っています。

事故から考えられる対策としては

・機器交換時に排気管の確認を行い、新設する機器と合うものか確認する。

・天井裏の排気管に異常がないか確認する、目視できない場合は内視鏡などで確認する。

・排気管については容易に外れないよう抜け防止の処置が講じられていること、気密保持の処置が講じられていることを確認する。

以上になります。

正直、この事例を見た時に私が思ったのは20年以上使用された排気管の再利用を安易にしてはいけないということです。

現場確認をよくした上で排気管の再利用でなく新規に交換する機器に合わせて排気管も更新する判断をすべきでした。

気を抜くとこのような判断をしてしまう可能性はゼロではないので、自分自身も現場調査は丹念に行い安易な判断に繋がらないように心がけたいです。

CO濃度と吸入時間および体に現れる症状について

一酸化炭素、COの比重は0.967で無色無臭なので空気中に拡散しても気づきにくいですが、発生時にアルデヒド等の刺激物も発生するのでその異臭はします。

COは血中の酸素を運搬するヘモグロビンと結びつきやすい性質がありますが、酸素よりも200から300倍も結合力が強いため微量でもCOを吸込むと酸素の運搬能力は著しく低下します。

ガス機器の使用中に頭痛や脱力感、または目が痛くなったり異臭を感じた場合はすぐにそのガス器具の使用を中止して窓を開けるなどして換気をしてください。

CO濃度によって中毒症状は大きく違います。

以下にCO濃度と中毒症例についてに資料を添付します。

CO濃度と吸入時間による一酸化炭素中毒症例  ガス消費機器設置工事監督者 再講習テキスト より

ガス消費機器設置工事監督者は排気筒の確実な施工を実施することが重要

特定ガス消費機器工事の監督に関する法律は、特定ガス消費機器の設置工事の欠陥に関わる災害を防止するために工事事業者の工事の監督に関する義務等を定めたものです。

特に排気筒の確実な施工は重要なものなので強制給排気型や強制排気型、フード対応型の給湯器を設置するなどの特定工事を特定工事業者が施工した場合には表示を付すことが第6条に規定されています。

いわゆる特監シール これを給湯器などに添付します

FF(強制給排気型) および FE(強制排気型)の場合の表示ラベル貼付位置の例を下に示します。

フード対応型の場合の表示ラベル貼付位置の例を下に示します。

最近の給湯器はセンサーで汚染物質を感知して自動で運転停止するなど性能が向上してることもあり事故は減少傾向です。

しかし過去の事故事例から死亡者が発生している事例もあり、このような痛ましい事故を起こさないために排気筒などが確実に施工されているか確認することは大事なことです。

ちなみにこのシールを貼ることができるのはガス消費機器設置工事監督者の資格者となります。

講習のみで資格はもらえるので必要があればお金はかかりますが講習を受けて資格をとりましょう!

給水方式について

建築物への給水の仕方について、その建築物の規模や用途などで違った方式が採用されます。

今回は、給水方式にはどのような方式があって、どのような特徴があるのか説明していきます。

kscz58ynk さんによるphotoAC よりの画像

給水方式の分類

給水本管から配管を分岐して受水槽を経由しないで直接的に給水する方式を水道直結方式といいます。

水道直結直圧方式 と 水道直結増圧方式があります。

建築物内に受水槽を設けて給水する方式を受水槽方式といいます。

高置水槽方式 ポンプ直送方式 圧力水槽方式

がありますが、圧力水槽方式については新規の採用がないため説明を省きます。

水道直結方式は衛生的

・水道直結直圧方式

水道本管から直接、建築物内へ給水を引き込む方式で2F建てまでの建築物に限定されていましたが、最近は高圧配水システムを採用してる水道事業所において4~5Fまで供給できるようになっています。

受水槽を設けないので水が滞留する時間がなく衛生的であることがメリットですが、水道本管が断水した場合は直ちに断水することがデメリットとなります。

・水道直結増圧方式

給水本管から直結の形ですが10F程度までの中規模建築物についても対応できるように増圧ポンプを設置して水圧を制御する方式です。

増圧ポンプのイメージ テラル㈱のHPより

インバーターによる変速制御と台数制御によって流量をコントロールしています。

また、ポンプユニットから本管側へ逆流しないように逆流防止装置が設けられています。

水道本管の圧力を利用できるため省エネルギーになるのと、1年毎の清掃が義務付けられていない10m以下の受水槽の建築物を水道直結増圧方式にすることによる衛生面の向上がメリットとしてあげられます。

この方式も水道本管が断水すると断水します。

増圧ポンプを設置する場合に水道局メーターはバイパスユニットとしなければなりません。

メーターバイパスユニット ㈱日邦バルブのHPより

受水槽が無いためメーター交換時でも給水可能とするためにこのような処置がとられています。

受水槽方式は給水本管が断水してもすぐに断水しない

・高置水槽方式

高置水槽方式は1FあるいはB1Fなどのレベルで受水槽を設け揚水ポンプで屋上の高置水槽まで水を持ち上げます。

高置水槽からは自然の重力によって給水する方式です。

最上階での水圧確保ができるように高置水槽の高さを設定しなければならないので、ペントハウスの上にさらに架台を組んで屋上のスラブから7~10m上になるように設置されている水槽を見かけたことがあるのではないでしょうか。

ちなみに10m上に持ち上げれば約0.1Mpa(1.0kgf/cm2)の水圧を確保できます。

しかし最近はこの高置水槽の採用はかなり減っています。

水槽は2つ必要なのでその設置場所および維持管理に労力や経費がかかることが避けられる理由だと考えられます。

改修工事の際に高置水槽をやめて水道直結増圧方式かポンプ直送方式かいずれかに変更している事例が多いです。

新築工事にいたっては、現在ほとんどこの高置水槽方式は採用されていないというのが実感です。

・ポンプ直送方式

受水槽でいったん水を貯めて、そこから直送ポンプ(加圧ポンプとも言う)で建築物内の各所へ水を送る方式です。

受水槽方式のメリットとしては給水本管が断水しても受水槽内に貯められた水は電源喪失さえしてなければ使用できることです。

受水槽への給水には定水位弁(通称FMバルブ)を使用します。

定水位弁は副弁(ボールタップから電磁弁に至る部分)と主弁がセットになっていて水位が下がってボールタップが下がると副弁が開きそれに連動して主弁が開きます。

主弁はマンションなど流量が多い場合は50Aなどのサイズとなるため、この配管径のバルブの開閉はウォーターハンマーを起こす可能性が高く、その衝撃音が問題となることや配管継手部や機器類の損傷につながる可能性があるためそれらを防止する目的で定水位弁を用いています。

20Aまでの細い配管であればボールタップそのままで給水していますが25A以上では副弁を用いた定水位弁での供給をしています。

定水位弁の配管例 ㈱ベンのHPより

今回のテーマである給水方式の説明はここまでになります。

参考にしていただければと思います!

給水ポンプの選定について

給水設備において受水槽から高架水槽までの送水、あるいは受水槽から直接各水栓などへはポンプによって送水されてます。

ポンプを選定するときにどのように考えればよいのか、建物の高さや配管の距離によって変わることは想像がつきます。

計算例を示しながら説明していきます。

croissant. さんによるphotoAC からの画像

直送ポンプの選定について

給水ポンプ選定をする際に能力を決定するために瞬時最大流量と揚程を確認する必要があります。

給水ポンプの送水量は瞬間最大流量以上とし、揚程は算出した揚程以上として選定します。

まず瞬時最大流量の求め方は以前のブログで紹介した給水の負荷流量計算を参照してください。

瞬時最大流量は210L/minとします。

次に揚程ですが下記に示す式で求めます。


H≧H1+H2+H3

H:直送ポンプの揚程[m]

H1:直送ポンプの吸水面から最高位にある器具までの実高さに相当する水頭[m]

2:管路における摩擦損失水頭[m]

H3:最高位にある器具や水栓の必要圧力に相当する水頭[m]


ちなみに揚程とは摩擦損失などを水柱の高さとして表現したものになります。

下に図示した系統について揚程の計算をしてみます。

また、計算を簡略化するために条件を下記のように設定します。

最遠の器具までの配管長は60mとし摩擦損失はその配管長の摩擦損失と同等とします。

単位当摩擦損失は0.35kPa/mとします。

以上の条件での計算例を示します。

H1は図より11.0m

H2については配管長60mで摩擦損失はその配管長の摩擦損失と同等という条件より配管長の2倍に対する摩擦損失をもとめればよい

2=60×2×0.35/9.8=4.3m

3については最高位かつ最遠の位置にある大便器洗浄弁の流水時必要圧力が70kPaより

H3=70/9.8=7.14m

これらの値を代入して計算していきます。

H≧H1+H2+H3

=11.0+4.3+7.14=22.44m

H≧22.44m という結果が得られます。

ポンプ選定図で品番を決定する

エバラポンプのカタログを参照します。

F1300型吐き出し圧力一定・並列交互運転方式で選定していきます。

下記の選定図で給水量210L/min を垂直にとり、揚程22.44mを水平にとって交わる点がどこに位置するかを確認します。

ポンプ選定時 エバラポンプのカタログより

ちょっと微妙な位置になりますが32-5.6Sの範囲に交点が記入されます。

次に下に示した仕様表から32-5.6Sの機種は 32BIPME5.6S となります。

この機種は単相100Vなのでもし三相200Vで選定したい場合は32BIPME5.75 を選定すればよいです。

エバラの給水ポンプユニットF1300型、交互並列運転方式の外観は下の写真です。

エバラポンプ F1300型

とりあえずはポンプの選定ができました。

本音を言うと配管経路の摩擦損失計算をもっと細かくしたかったのですが煩雑になるので今回は簡略化しました。

またの機会に挑戦したいと思います。

排水設備の機能について〜SARSはトイレから〜

コロナウイルスの一種であるSARS(重症急性呼吸器症候群)は日本では2類に分類される指定感染症ですが現在は収束しています。

2002年の11月に中国の広東省で初の感染者が確認されてから2003年9月の収束まで30カ国で8098人の感染者と774人の死亡者が確認されました。

感染が広がる中で香港の高層マンションで排水菅の不備により321人が感染したという事例がありますが排水管の不備とはいったいどういうことなのでしょうか。

Alexas_Fotos さんによるPixabay よりの画像

便器から飛沫が飛ぶ可能性

大便器まわりにウイルスが多く存在するという話がありますが、あながち嘘でもなく、ダイヤモンドプリンセス号においてもトイレ周辺から新型コロナウイルスが多数検出されたという報告があったようです。

香港城市大学の研究によればトイレの水を流す際に1回あたり最大80万個のウイルスを含む飛沫が空中に吹き上がるとのこと。新型コロナトイレの糞口感染対策が盲点

つまり排水管に不備などなくとも飛沫は飛んでいるということですがSARSの感染拡大のひとつの原因となった高層マンションでの排水管の不備はさらに多くの飛沫を飛ばす状態になっていた可能性があります。

このSARSの話は「感染症の世界史」という本にあります。

マンションの排水管の不備で(感染源となった)男性の飛沫や糞沫に含まれていたウイルスがトイレの換気扇に吸い上げられてマンション内に拡散した可能性が高い、という記載です。

その事実は確かに書かれていますが排水管の不備というのが具体的にどのようなことだったのかまでは残念ながら書いてありません。

ネットで調べたら何か出てくるかと思いましたが探し方も悪かったのかもしれませんが何も出てきません。

そこで、どのような状態だったことが考えられるかのか予想してみました。

排水管内からガスが逆流

排水は立管から各階で枝配管を分岐させる形で配管します。

例えば最上階のトイレからSARSに汚染された汚物が流れたとした場合、排水立管が全体的に汚染されます。

そして、ここがポイントだと思っていますが、排気のための換気扇を作動させたのはよいが、給気口がない、あるいは給気口はあるが何らかの理由で閉鎖している状態だった場合、室内およびトイレ内は負圧になります。

室内およびトイレ内が負圧の状態になると排水管内のガスを引っ張って吸い上げてしまうことがあります。

マンションの排水管と
排水管内ガスが移動するイメージ

さらに大便器のトラップの封水が便器の不良などで破られ易い状態だったとしたら大便器から排水管内のウイルスを含んだ飛沫が大量に逆流してくる可能性はあります。

321人の感染者を出したという事実を見ると、このような不具合が起こっていたのではないかということが予想されます。

現在の日本国内のマンションの計画はそこまで杜撰なものはないので同じようなことが起きる可能性は低いですが、施工時に室内やトイレ内が負圧になり過ぎないか、各器具のトラップは問題なく機能するかなどは確認しておく必要があります。

たとえSARSウイルスの飛沫でなくとも、大便器からかなりの量の飛沫が飛んでくるとしたら、それはよくないので…。

給水配管径を流量線図と許容摩擦損失から決める

今回は給水配管の配管径はどのように考えて決定するかを説明します。わかりにくい部分もあるので私も苦手意識がありますが設備屋さんとしては避けて通れないテーマです。長めになりそうですが、なるべくわかりやすく説明していきます。

kscz58ynkさんによるphotoACからの画像

まず許容摩擦損失を求める

まず2F建ての建築物のイメージでの給水配管のモデルを以下に示します。

給排水・衛生設備計画設計の実務の知識を参考にしていますが、現在では採用が避けられがちな高架水槽の計算がモデルになっています。

たぶん、話をわかりやすくするための高架水槽のモデルだと思いますがそれでも教科書を読んで一回で理解するのは難しいので詳細の説明を追加していきます。

給排水・衛生設備計画設計の実務の知識を参考に筆者作成

図示された給水配管の配管径を求めていきますが、まず許容摩擦損失の公式を示しておきます。


R=((H-P/K(L+l))×1000

R:単位長さあたりの許容摩擦損失(mmAq/m)

H:静水頭に相当する水圧(mAq)

P:器具の水圧または標準水圧(mAq)

K:局部損失を考慮した管路係数(2.0~3.0)

L:主管の直管長(m)

l:枝管の直管長(m)


高架水槽で給水する場合、最も条件が悪いのは最上階の最遠の器具です。

上記モデルの場合はGの大便器洗浄弁が最も条件が悪い水が出にくい器具です。

このGすなわち2Fの大便器洗浄弁までの配管径を考えるための許容摩擦損失を計算します。


G点の静水頭:H=9.5+1.5-0.6-0.6=9.8mAq=96.1kPa

…9.8mは高架水槽からGまでの落差を意味します。最後にPaの単位に換算し直しています。

G点の必要静水頭:P=7.0mAq=68.6kPa 

…これは大便器洗浄弁自体の摩擦損失です。器具によって任意の摩擦損失になります、ここでは7.0mAqとするということです。

A-B間の距離  LAB=1+3+9.5=13.5m

B-G間の距離 LBG=0.5+1.5+1.5+1.5+1.0+1.0+1.5+1.0+0.6+0.5+0.6=11.2m

許容摩擦損失Rは

R=((HG-PG) / K(LAB+LBG) )×1000mmAq /m 

で表されるので上記の数値をそれぞれ代入して

=((9.8-7.0)/2(13.5+11.2))×1000

=56mmAq/m = 549Pa/m これが2F部分の許容摩擦損失です。

同様に1F部分の許容摩擦損失を計算します。

R=((9.8+4.5-7.0)/2(13.5+4.5+11.2))×1000

=125mmAq=1226Pa/m これが1F部分の許容摩擦損失です。

瞬間最大流量を求めてから流量線図で配管径を選定する

次に瞬間最大流量を求めます。

これについては給水の負荷流量計算を参照してください。

2FのG-F間は110L/minになります。

この区間の配管径を流量線図で判断します。

硬質塩化ビニルライニング鋼管の流量線図  建築設備設計基準(国土交通省大臣官房官)より

2Fの許容摩擦損失は594Pa/mという計算結果だったので摩擦損失はそれ以下になる範囲で選定していきます。

110L/minの位置から右にまっすぐ線を伸ばして配管径50Aとぶつかったところのまっすぐ下をみていくと235Pa/mです(ウィリアム・ヘーゼンの公式より数値を求められますがここでは詳細を省略)。

そして流速は2.0m/sを超えないように選定します。これは大事です。

給水配管の流速はおおよそ1.0~2.0m/sの間で選定するというのは覚えておくとよいです。

594Pa/mなので配管径50Aは問題なし、ということになります。

1Fについては1226Pa/m以下の範囲でみていきます。

計算と配管選定の結果を以下の表に示しますので流量線図で間違いがないか確認してみてください。

1Fの摩擦損失で1箇所だけ許容摩擦損失を超えた1275Pa/mでの選定があります、水色で網がけしたところになります。

超えたらダメなのでは?と私も思いましたが流速が2.0m/sを超えていなければ多少許容摩擦損失は超えていても確かに大勢に影響はないのでこのような結果を教科書でも示しているのだと思います。

さらに言ってしまうとポンプで圧送する場合は2m/sを超えた設計となっている現場はかなりあります。

許容摩擦損失はあくまで目安であり、水がある程度の勢いで水栓などから出て問題なく使用できればそれでよいということです。

給水圧が足りなかった苦い経験

とは言っても、やはり基本にはある程度忠実に考えて設計や計画をしないと思わぬトラブルがおきるので注意が必要です。

まだ3年目か4年目の頃だったと思いますが既存で屋上に高架水槽が設置されている現場で最上階にお客様用のトイレを作った現場でのこと。

大便器から水が出ないと騒ぎになっだことがあります。

高架水槽との落差が無さすぎて圧力が確保できなかったのです。

大便器はサティスだったと思いますが最低使用圧力が静水圧で150kPaは必要です。

通常の考え方で高架水槽から最上階大便器までの落差は15mは必要ということです。

落差も足りないことに加えて配管長もやや長く分岐が多かったので摩擦損失も大きかったのだと思います。

新装開店するお店でトイレが使えないのはあり得ない、ということで急遽小さい加圧ポンプを発注して最上階のみ別系統で給水を配管し直して圧送するという処置をとりました。

これ言葉で書くと数行ですがお客様への説明から計画し直しの図面描いて承認とってとかなり大変な騒ぎでしたよ…。

しかも設計施工での受注だったので追加工事として認められることもなく利益を削って対応したという現場でした。

勉強にはなりましたが残せるはずの利益が残せなかったのは痛かったです。

と言うか、高架水槽は屋上に架台つけて高さ確保しないとダメなのではないか?と後で気づきましたが。

既存の利用者は最上階にトイレは設置していなかったのかもしれません。

高架水槽の現場では圧力が足りたないという事態がおきやすいので設備屋のみなさん気をつけてください! そんなこと知ってるか…。

やっと配管径まで選定することができました…次の衛生設備の回ではポンプの選定について説明したいと思っています!