久々に設備屋さんのブログへ投稿です!最近はメーカーからの機器や材料の供給が不安定で品物によっては納期がすぐに出ないものもあり、建築、建設業界の方みなさんも苦慮していると思います。
2022年の9月現在、私がわかる範囲では業務用給湯器は昨年の夏から納品が遅れるようになり、いまだに発注してもすぐに納期が出ない。あとはスプリンクラー関係の部材、そしてポンプ類、電材だと高圧用のCVTなどのケーブル、このあたりが納期がかかる、あるいはいつ納入できるかわからないと言われてしまう状況と思います。
あるマンションで上層階、10Fから最上階の14Fあたりの水の出が悪くなったとのことで、原因は加圧ポンプの不具合とのこと。
エバラ製のポンプだったのですぐに品番を確認して現行品で納品できるか問い合わせてはみましたが、やはり納期については半年くらいかかります、と言われてしまいました。

「並列交互運転」ポンプユニットのモーター故障
マンションの上層階では朝や晩御飯どきなど水の使用量が多い時間帯で特に水の勢いが弱いか、あるいは止まってしまうという状態。
かなり生活に支障が出ていると言える状況で本来であればポンプ自体、設置してから15年くらい経過しているようなので物があればすぐにでもユニット全体を交換したいのだがそれもできず。
ポンプユニットは並列交互運転の機種で2台のポンプがついていますがそのうちの1台が故障で止まっているため水の使用量が多い時間帯には2台並列で同時に動いて供給していたのが故障によりポンプ1台での供給になってしまい上層階で水圧が不足してしまう。
メーカーの代理店の方の提案でポンプの在庫はあるのでポンプ交換でいきましょう、ということになり急いで見積もりをもらってマンションの管理組合に承認をとってから発注をかけました。
ここで、ポンプの運転方式について少し説明しておきます。
・単独交互運転
どちらかが故障したときのバックアップの意味で2台のポンプを搭載しています。No.1のポンプとNo.2のポンプが交互に発停して片方のポンプだけが劣化していくことを防止し寿命を延ばします。
・並列交互運転
こちらもポンプ2台搭載で故障した時のバックアップと交互運転するところは同じですが、水の供給量が多く必要な場合は2台同時で並列運転します。電源として必要な消費電力はモーター2台分を考慮しなければなりません。
試運転でエア抜きなどをするときは給湯器を経由させずに水を出す
話しをもどして、ポンプ単体では在庫があるとのことで作業員の都合を確認して交換日を設定。マンションや下層階のテナントに断水作業の時間帯などを周知、当日朝、ポンプが納入されて作業開始。


滞りなく作業は進み交換したポンプで試運転を実施しました。この時に上層階の住居に入らせていただいてエア抜きと交換作業時に配管内に入り込んだ汚れをいったん出し切るために風呂場の水栓をしばらくの時間全開にしました。
お湯を出してしまうと給湯器のストレーナーに汚れが詰まってしまいお湯が出なくなるというトラブルが発生することがあるので試運転時の水出しはお湯ではなく水を出して行います。
交換後は問題なくピーク時間帯でも水の供給ができるようになったとのことなのでよかったです。
ポンプが故障した場合、しばらくはこのように部材の交換で対応という感じが多くなるのかもしれません。増圧ポンプも半年以上待ちなどはざらにあるようなので注意が必要です。
とにかく、水が出るようになってよかった!