仕事で負荷計算書が必要になったときに以前は教科書を見ながら手計算状態で作成していたので時間がかかっていました。
今は負荷計算の書式をエクセルで資料として作ったので、と言うか作ってもらったのですが、とにかく書式が存在するので計算書作成が速くできるようになりました。
ただし、書式があるのをいいことに何も考えずに数字を代入するだけという考えで作成するとおかしな計算結果になります。
イレギュラーな要素がある場合もあるので、やはり案件に応じて慎重に計算書を作る必要があります。
室内で発生する内部発生熱負荷というものをどこまで考慮して計算するのがよいのか、よく悩みます。
結局、よきにはからうということになるのですがお客様への説明はできるようにしておく必要があるので、どのように考えて計算したかを明確にしておかなければなりません。

人体発熱
人体からの発熱は人体表面からの対流と放射による顕熱(SH)と発汗により放熱される潜熱(SL)があります。
下の表のように作業状態や温度帯別で数値が示されています。
作業状態によって顕熱と潜熱の割合は異なりますが合計した全発熱量の数値は一定となることがわかります。

空気調和設備計画設計の実務の知識より
機器発熱・照明発熱
OA機器の発熱量と厨房機器による発熱量の資料が以下になります。

空気調和設備計画設計の実務の知識より

空気調和設備計画設計の実務の知識より
照明発熱については照明器具の消費電力に遅れ係数を掛け算して求めます。
床単位面積あたりの冷房負荷qEは次式で求めることができます。
qE=W・rL
qE:単位床面積あたりの照明負荷[W/m2]
W:単位床面積あたりの照明の消費電力[W/m2]
rL:証明負荷遅れ係数
(露出型0.85 埋込型0.75 だが安全をみて1.0とする場合が多い)
早い話が照明器具の消費電力を調べて合計して遅れ係数を掛け算すればそれが照明発熱による負荷と考えることができるという意味になります。
遅れ係数を1.0で考える場合は照明器具の消費電力の合計がそのまま照明発熱の負荷の数値ということになります。
厨房機器から発生する熱
上記の資料で厨房機器発生熱負荷の表を示しましたが、この表をよく見ると厨房機器の消費電力に対する負荷の量は書いてあります。
なのですが、ガス機器についての表がありません。
結局ガス機器の場合は直火で焼いたり煮たりするわけで、その熱量についてはうまいこと数値化できないということなのかわかりませんが空調用の熱負荷に換算するような表がありません。
ガス機器の厨房機器から発生する熱を空調熱負荷に換算する方法が見当たらない、かつそれを本当にやろうとするとかなり大きな空調負荷になることが予想されます。
ということで、この空調負荷計算の話題になってから何回か同じことを書いていますが、厨房はそこで作業する人に直接冷気を当てるスポット空調で考えてパンカールーバーなどを配置します。

また厨房に設置する空調機の能力は想定で400~500W/m2で考えて選定すればほぼ問題は起きません。
ということで空調熱負荷計算はこの第4回目でいったん区切って他の話題に移ります。
またの機会に熱負荷計算書の書式を紹介できればと思っていますがしばらく換気や衛生などの記事も書きたいのでいつになるかわかりませんが、すいません。