ダクト内風速と静圧について

ダクト内風速はどう考えて決めればよいのか?

入札のために用意された設備図を見ていてたまに風量に対してこれは細過ぎるのではないか、と思われるダクトサイズ選定がされていることがあります。

さすがにそのまま見積もりしてしまったら後からヤバいことになりそうなレベルの場合はダクトメジャーで確認しながらダクトサイズを修正して拾いをします。

適正なダクトサイズを選定するための風速と静圧の考え方とは?

Tama66 さんによるpixabayよりの画像

風速の許容値と静圧

ダクト内風速については用途によって許容値があります。

騒音の許容をどこまで受け入れられるかで決まっているようです。

ダクト内風速の許容値(低圧ダクト) 
空気調和設備計画設計の実務の知識より

私自身は店舗の設備設計をすることが多いですが、だいたい6~8m/s程度が許容範囲かなと思いながら設計しています。

上記の表でも一般店舗、食堂は 9.0m/sまで許容範囲となっています。

静圧というのは、全圧から動圧を除いたもので、ダクトの抵抗、あるいは圧力損失と思えばよいです。

この静圧については基本は1.0P/mで考えて、低圧ダクトでは0.8~1.5Pa/mの範囲で抑えます。

天井ふところがあまりないため、ダクトサイズを絞らなければならない場面があります。

2.0P/m超えてくるとちょっと風量確保ができるか怪しくなってきます。

ダクトサイズを絞った部分で抵抗がかなり大きくなりその先の風量がしっかり出ない場合もあるので注意が必要です。

もう一点、排煙ダクトは20~15m/sと記載がありますが、これはその施設によって設定が違うので確認が必要です。

経験上の話で言ってしまうと排煙ダクトも高圧ダクトとしてではなく低圧ダクトと同様に考えて設計している施設が多く、ダクト内風速を最高で10m/s程度の考えで設計した方が無難です。

現実的に20m/sというダクト内風速だとかなり抵抗が大きくなってしまい希望している風量が得られないパターンが多いです。

排煙ファンが700Pa以上の静圧で設定されているのになぜか計算通りの風量がでないという‥そんな経験もしました。

過去に風量確保ができず苦労した数件の現場が思い出されます。

ほんとうにこれは一度施工してみて風量測定するまで性能が出るかどうか確認しようがないこともあり注意が必要です。

ダクト圧力の分類とダクトの板厚

ダクト圧力の分類とダクト板厚は以下の資料のようになります。

ダクト圧力の分類
ダクトの板厚 角ダクト
ダクトの板厚 スパイラルダクト
すべて空気調和設備計画設計の実務の知識より

高圧ダクトの板厚は低圧に比べて1番手上を選ぶイメージです。

スパイラルダクトはハゼの部分の強度があるため角ダクトのような板厚は要求されていません。





“ダクト内風速と静圧について” への 2 件のフィードバック

  1. いつもHP拝見しております。教えてください。
    厨房の排気設計を各厨房フード内の吸込み風量(フードサイズ(㎡)×風速0.3~1.5m/s×3600で計算)の合計で排気ファンを設定しています。(静圧を考えワンランク上のファン)
    この考え方とダクト内風速から必要換気量を割り出す考え方とはイコールと考えて良いでしょうか。つまり、ダクト内風速が6~8m/sでダンパー調整でフード内を0.3~1.5m/sにするというイメージでしょうか

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    1. 返事遅くなりました、すいません
      フードの面風速は指定がなければ0.3〜0.5m/sで考えればよいです。例えば1500W×800Dのフードだと0.4m/sで1728m3/hです。
      で、このフードに対するダクトサイズはダクト内風速6m/sで考えた時断面積が0.08m2で正方形で考えると一辺が280mm、まあ300□で作る感じです。ファンはやはり強めの選定をしておいて、ダンパーなどで風量絞って調整というイメージです。必要換気量はあくまでフードサイズ及び火気使用の量から計算した結果で判断して、ダクトサイズは決定した風量を搬送するのに適するサイズを選定という考えでよいです。答えになってますでしょうか?

      いいね

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