いま熱があったらPCR検査、あるいは症状がなくても自主的にPCR検査を受ける方もいるようです。
しかしPCR検査とはいったい何を調べているものなのか、本当にPCR検査をみんなが受ければ安心を得られるのでしょうか。
マスコミによる一方的な情報は正しいのか考えてみます。

コロナウイルスは1種類ではないがPCR検査でどのコロナが検出されているかまではわからない
PCR検査とは何を知るための検査なのか?というと特定の遺伝子のウイルスが検査の対象となる人の体内に存在するかを調べるものです。
しかし完璧に新型コロナの感染者を特定できる検査方法ではないようです。
コロナには旧型コロナ4種類とSARS MARSがあることが知られています、また新型コロナも武漢型から少し変化しています。
新型コロナウイルスを特定するには厳密に言えば、ウイルスを形成する3万個の遺伝子配列全てが一致しなければなりません。
しかしPCR検査では3万の遺伝子のうち200~300個の配列の一致しか確認できません。
それでもこの200~300個の配列が一致した場合は陽性という検査結果が出ます。
よって、陽性という結果が出たとしてもそれが旧型のコロナのものなのか武漢型なのか変化した新型コロナなのかはわかりません。
旧型の4種類のコロナは感染症の指定すらありません。
どのコロナなのかあいまいであるにも関わらず陽性であれば感染症2類相当の扱いをされて新型コロナ陽性者と認定されているというのが現実です。
PCR検査サイクル数40の場合はわずかな遺伝子の残骸も検出してしまう
また、サイクル数というものがありますが、この値によって検査結果に違いがあるということが知られています。
PCRというのは数少ない遺伝子を検出可能な数にまで増幅させてその存在を確認する方法ですが1サイクルで2コピーされる、2サイクルで4コピーされます。
では30サイクルではコピーはいくつかというと1,072,741,824コピーです。
約10億コピーです。
40サイクルだと1,099,511,627,776 約1兆コピーです。

しかしサイクル数があがるほど検出する確率が上がるからよいのではないか、ということではないようです。
アメリカではPCRの製造メーカーや検査機関が独自の基準を設けて37~40サイクルで検出しているがこのサイクル数だと感染後体内で退治されたあとのウイルスの残骸まで検出して陽性としてしまう可能性が指摘され、これは人が立ち去ったあとの部屋でその人の髪の毛を発見しているようなものだと言われています。
ニューヨークのワーズワース研究所ではニューヨ-クタイムズ誌から要請を受けて調べた結果、2020年7月に40サイクルで陽性とされた872人のうち35サイクルで43%が陰性、30サイクルで63%が陰性であったとのことです
日本でのPCR検査サイクル数の基準は40サイクルです。
この場合、無症状で30〜35サイクルであれば陰性の方も陽性と判定されて隔離となるケースがかなり出ている可能性があることがわかります。
本来、症状もなく感染させる可能性も低い人を隔離して社会的な活動を制限することには人権の視点から考えても問題があります。
カリフォルニア大学のウイルス学者ジュリエット・モリソン氏は合理的なサイクル数は30〜35サイクルだろうと述べています。
またフランス、マルセイユのメディテネラ感染症大学病院研究所の研究論文によれば34サイクル以上の患者からは感染性のあるウイルスは検出されなくなるとのこと。
死んだウイルスの残骸しか出なくなるということだと思われます。
逆に34サイクル以上の検査には意味があまりなく、そこまでやって検出されない場合は陰性と判断してよいのではないでしょうか。
PCR検査の精度
PCR検査の感度、実際にウイルスが体内に存在する人が陽性であるという結果となる確率は約70%程度と言われています。
30%はウイルスを保有していても通り抜けていくということです。
正直、私はこの検査、ザルだと思っています。
PCR推進して隔離を叫ぶ人達がこの事実をどうとらえているかわかりませんが、この確率で陽性者を隔離していったところでゼロコロナなど実現できるはずがありません。
例えば1m四方の板があったとしてその面積の30%の開口を作るとすると一辺は54cmの穴になります。
なぜこの検査でゼロコロナを実現できると思えるのかが不思議です。
PCR検査をして陰性が出れば社会生活も安心だと本気で思っているのでしょうか、検査したその次の瞬間に感染することもあり得るのに。
では、毎日検査するのでしょうか、安くなったと言っても検査1回3000円として30日間毎日検査したら9万円、偽物の安心のために毎月払う人がいるのでしょうか。
あまりにも馬鹿げた話だと常識の感覚のある人であればすぐに気づくはずです。
PCR検査で無症状の感染者も隔離してゼロコロナを目指そう!と言っているテレビのコメンテーターは狂っているなと思いながら見ています。
ユダヤ人を強制収容所に送り込んだナチスに近い感覚ではありませんか。
PCR検査数を増やしても感染者数を抑えることにはつながらない
PCR検査を増やしても感染者数を抑えられないのはあたりまえです。
あたりまえ過ぎて言う必要性があるのかわからないのですがPCRは検査方法であって治療法ではありません。
よって、検査を増やせば増やすほど陽性者の絶対数は増える減らせば減るという結果にしかなりません。
以前と比較して陽性者あるいは感染者が減っている傾向が見られるとしたら、それは検査のおかげではありません、隔離のおかげでもありません。
増える要因として考えられるのは冬になると空気が乾燥してウイルスが空気中に舞いやすくなることや喉が乾燥して粘膜の保護機能が低下するためウイルスが体内で増殖しやすくなるなどです。
感染者が減る要因はその逆の状態になるからです、つまり春、夏になれば陽性者、感染者は減ります。
ただそれだけです。
0.1μmのウイルスの侵入を人間が簡単にコントロールすることなどできないのです。
実際に検査数と感染者数のグラフを見ていきます。


このグラフを見て私が読み取れるのは、検査数と感染者数は連動しているということです。
少なくとも検査数を増やせば感染を抑えられるという結果を読み取ることはできません。
これが現実です。
PCR検査は症状のある人の病名の確定と対処法の決定のために使うことに限定して無症状の人の検査は隔離のための検査であり混乱を大きくするだけで意味がないのでやめるべきです。
新型コロナとはどう共生していくか、それを考える必要があります。
本の紹介
コロナ論2 小林よしのり 著
マンガと思ってあなどってはいけません。マンガ部分以外のウイルスの専門家の宮沢孝幸准教授や医師の萬田緑平氏の対談もこの問題を考えるうえで参考になります。
感染症と文明 山本太郎 著
人類の生活が狩猟採集から農耕牧畜へと変化したために感染症と付き合う運命となったことなどが、菌やウイルスとの共生についての考察が書かれています。