前回のブログで冷媒について書きましたが、そもそも空調機内で冷媒がどのように働くものなのかについての説明をしておいた方がよいと思い今回書くことにしました。
なぜ、空冷ヒートポンプのエアコンから夏に冷えた空気が出たり、逆に冬は暖かい空気を出すことが可能なのでしょうか?
冷媒を介して外気と熱のやりとりをどのようにしているのか考察してみます。

冷房時の冷媒の流れ
冷房時は下図のように冷媒が流れます。

室内機をスタート地点で見ていくと
1.室内機にもどってくる室内空気(RA)の温度が30℃と仮定 蒸発器で低温で液体の状態の冷媒(5℃程度)がRAの熱により気体へと変化する この時熱を奪うので空気の温度は下がって20℃(これも仮定ですが)で室内機から出て室内空気を冷やす
2.低温の気体の状態で冷媒が室外機の圧縮機へ送られる
3.圧縮機で冷媒が圧縮されて高温の気体の状態で凝縮器へ
4.高温の気体の状態の冷媒は70℃程度となっていて凝縮器で外気に熱を放出 外気は40℃程度だとしたら熱交換して60℃程度ででてくるイメージ
5.高温の液体となった冷媒が膨張弁を通って圧力が急激に減じられることにより低温の液体となり室内機へ送られる
そして1に戻る、このサイクルが繰り返されています。
圧縮機で冷媒を外気温よりも高温にした状態にすることにより夏の暑い日でも熱を外気へ放出することができるというところが肝です。
暖房時の冷媒の流れ
では次に暖房時の冷媒の流れを見ていきます。
冷房の時と冷媒の流れが逆になるというのがポイントです。室内機が凝縮器、室外機が蒸発器の役割になり冷房時と逆の役割を果たすことになります。

1.レターンの室内空気(20℃程度と仮定)が凝縮器で高温高圧の気体の状態の冷媒(70~80℃程度)と熱交換し30℃(仮定)で出ていって室内空気を暖めます
2.高温高圧の液体の状態(40~50℃程度)で冷媒が室外機へ送られます
3.室外機に入って膨張弁を通過する際に減圧され低温の液体(マイナス5℃~5℃程度)となり蒸発器へ
4.蒸発器で外気と熱交換 熱を外気から吸収して低温の気体へと変化します
5.低温の気体を圧縮機で高温高圧の気体へ変化させて室内機へ送ります
そして1へもどってこのサイクルを繰り返します。
ポイントは外気温より冷媒温度を低い状態にして冬の冷たい空気からでも熱を受け取ることができるということです。
暑い夏にどうやって熱を外気へ放出するのか、寒い冬にどうやって熱を外気から吸収するのかがわかったかと思います。
今回は空冷ヒートポンプ空調機の冷媒のサイクルについて説明してみました。他のサイトでも同じような説明はあるのですが、自分なりにまとめ直してみました。
わかりやすく説明しようと思っていろいろ考えたのですが、やはりうまく説明するのが難しいですね…。