空調機に使用する冷媒の種類

R22が2019年12月で製造停止になり、古い空調機については冷媒がないという理由で修理不可能となるということも出てきそうですね。

冷媒の回収作業の際にどの種類の冷媒が使用されているか判断がつかないと作業が滞ってしまいます。

私自身は冷媒についての知識があまりなく空調機に使用されているいくつかの冷媒の名前を知っているくらいですが冷媒は多種多様に存在します。

そのいくつかの冷媒についてさえ、何が何だかわからず頭の中がごっちゃになっているのが現実ですが、今回はおおまかにCFC、HCFC、HFCに分けて、それらの特徴と使用されていた時期などについて簡単にまとめておきます。

CFCはオゾン層に穴を開けてしまう

まず最初にCFCですがクロロフルオロカーボンの略になります。フロンとも呼ばれています。

単一冷媒でR11 R12 混合冷媒でR500 R501 などがあります。まあ、私自身この冷媒が使用された機器を直接見たことがありませんが…。

このCFCですが1970年には、上空のオゾン層を破壊することが判明し(オゾン層が破壊されると紫外線が直接降り注ぐため皮膚がんの増加や環境への悪影響が懸念される)1987年のモントリオール議定書で全面的に生産中止、廃止が決定し1995年に生産停止となっています。

HCFCはCFCよりオゾン破壊係数が小さい

HCFCはハイドロクロロフルオロカーボンの略です。CFCが冷媒として使用できなくなる替わりに使われるようになったものです。

単一冷媒としてはR22などがあります。混合冷媒でR401A R402Aなど。

R22は空調機の冷媒として使用されていて、15年以上前の古い空調機でR22が使用されているものが現在も確認できます。感覚的な話になってしまいますが家庭用空調機の2〜3%程度はいまだにR22を使用した空調機が残っているのではないかというくらいの頻度で見かけます。

改修工事で更新したこの東芝の既存ルームエアコンの冷媒もR22でした 調べると1995年頃の製品なので27年前ということになります

このHCFCのオゾン破壊係数はCFCの1/10〜1/50と小さいのですがまったく破壊しないわけではないためモントリオール議定書では2020年に全面廃止が決まっていました。ちなみにR12のオゾン破壊係数(ODP値)が1.0に対してR22は0.055なので約1/18ということになります。

そして冒頭でも書いた通りR22は2019年12月で製造停止となっています。現在、R22は入手困難な状況でR22を使用した古い空調機については修理が困難となるため各空調機メーカーから更新が推奨されています。

オゾン破壊係数0のHFCが登場

そして、オゾン破壊係数ゼロのHFCが開発されます、ハイドロフルオロカーボンの略です。名前が似ているのでもう訳がわからない感じになっているかもしれませんが…。

以前はHCFCが代替フロンと呼ばれていましたが現在は特定フロンとして規制され、そして新たに開発されたHFCが代替フロンと呼ばれています。

HFCはオゾン破壊係数が0です、オゾン層にまったく影響しない冷媒ということになります。HFCには単一冷媒にR32 混合冷媒にR407C R410Aなどがあります。

2000年頃から2005年くらいまででしょうか、HCFC(R22)からHFCへの移行期には新設の空調機の冷媒でR407Cを見かけましたが次第にR410Aが主流になって2020年頃まで空調機の冷媒はほぼ全てR410Aとなっていました。

「代替フロンに関する状況と現行の取組について」経済産業省 環境省の資料より抜粋

温暖化対策のためR410AからR32へ

しかしこのHFC、オゾン破壊係数は0なのですが温暖化係数が大きいという欠点があるのです。そして2020年頃R410Aから温暖化係数がより小さいR32への移行が始まります。

ちなみにR410AはR32とR125が50%ずつで混合された冷媒なので以前からR32は使用されていたのですが、単一冷媒として使用することになったという流れです。

R410Aの温暖化係数(GWP値)2090に対してR32は675なので温暖化に与える影響は約1/3ということになります。

R32の欠点としては微燃性があるため安全面での問題があることがあげられます。

話を戻してGWP値について補足ですが、二酸化炭素CO2の温暖化係数を1.0とした時に比較対象のものがその何倍かという数値です。R410Aは2090倍ですからかなり温暖化については影響が大きい冷媒ということになります。R32の675倍も小さい数値ではないと言えます。

現在、冷媒は充填量と回収量を管理することになっています。また、みだりに大気中に冷媒ガスを放出することは禁止されていて違反した場合は罰金の支払いをすることなどが法的に定められている(フロン排出抑制法)ので回収作業が面倒だからといって大気中に放出してしまうような悪質な業者さんはまずいないと思います。

なのでどれほどのHFC冷媒ガスが排出されているか感覚的にはわからないのですが経済産業省・環境省の資料によると2019年にはHFCはCO2換算で4970万トン排出されたというグラフになっていて2004年以降増え続けてしまっているという状況であることがわかります。

「代替フロンに関する状況と現行の取組について」経済産業省 環境省の資料より抜粋

モントリオール議定書キガリ改訂では先進国についてHFC冷媒は2036年までに基準年(2011〜2013年)の85%削減という厳しい目標がかかげられています。

次世代の冷媒として期待されるHFO

そして、次世代の冷媒として温暖化係数も少ない冷媒としてHFO(ハイドロフルオロオレフィン)が注目されているようです。

主な冷媒の特性をまとめて表にしたものを以下に示します。

冷媒ODP(オゾン破壊係数)GWP(温暖化係数)燃焼性毒性備考
CFCR12110.9不燃なし1996年全廃
HCFCR220.0551.81不燃なし2020年全廃
HFCR410A02090不燃なし
HFCR320675微燃性ありなし
HFOR1234yf04微燃性あり(R32より低い)低いが毒性あり(検証中)

HFO-1234yfが次世代の冷媒として有力候補にあがって研究開発が進められています。表に示したようにオゾン破壊係数は当然ゼロで温暖化係数も4と低いことがわかります。微燃性はあるもののR32よりも低いわずかなもの、とのこと。

少し気になるのが、低いが毒性があるということ。

過去に建築系の材料として使用されていたアスベストも当初はそこまで問題のある物質とは認識されていませんでしたが、吸い込むと肺に影響が出るなど人体に有害であることが判明して現在は使用禁止となっています。

古い建築物の解体作業ではアスベストが含まれている建材が確認された場合は公的機関への報告が必要となり、その処理についてはアスベストが飛散しないように細心の注意を払って対応するため処分にそれなりの時間と費用がかかることになります。

変圧器や蛍光灯の安定期などに含有されるPCBも毒物であることが判明してその扱いと処分については法的に決められた流れに沿わなければなりません。

新しい冷媒がこれらのような扱いにならなければよいと思います、というかそうならないために現在も研究開発が続けられているということですね。

冷媒について簡単にまとめようと思いましたが、調べ出すと奥が深いです。あっちはいいけどこっちはだめ、といういたちごっこ的な話に見えてしまいますが最善を尽くす必要はあるので今後も研究開発は継続されてよりよい冷媒が開発されるとよいと思います。

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