空調機選定の考え方~2~

空調機の形にはさまざまな種類があります。どのような形の機種がどのような用途の部屋で選定、使用されているのでしょうか。

mohamed_hassanさんのイラスト pixabayより

事務所などで使用されている天井カセット形

・天井カセット4方向形

天井カセット4方向は事務所でもっともよく使われている形状です。どこの施設に行っても必ずどこかでみかけると思います。

天カセット4方向形  写真ACより

吹出し方向が多いので小さい部屋であれば中央あたりに配置すれば1台で部屋を均等に空調できます。

広い事務所や飲食店の客席においても天カセ四方向を複数台バランスよく配置して設計することが多いです。

各メーカーともこの形の空調機のオプション機能や周辺部材が最も充実しています。

加湿機能や中性能フィルターの追加、少し離れた位置にダクト延長により吹出し口を取付けることができるなどシチュエーションに応じて様々な対応が可能です。

・天井カセット2方向形

天井カセット2方向 三菱電機のHPより

廊下の長手方向に吹出すように配置したり事務所などのライティングレールに沿って配置して見た目を整える目的で使用するなどが考えられます。

・天井カセット1方向形

天井カセット1方向形 三菱電機のHPより

天井のレイアウトの都合上、空調機を部屋の片側に寄せたい場合があります。

そんな時は天井カセット1方向形を選定し、片側に寄せて配置します。こちらも事務所や店舗の客席などで使用されています。

デザイン重視の場合は空調機を隠す

・天井ビルトイン形

天井ビルトイン形 三菱電機のHPより

デザインの都合上天井に空調機があらわになることを避けたい時はこのビルトイン形を選定して写真で丸い穴が見えますが、そこにダクトを取付けて延長し吹出口を取付けます。

ダクト延長のイメージ  三菱電機の仕様書に筆者加筆

吸込みパネル部分は見えてくるのでデザイン的に邪魔にならない位置に配置します。

吹出口を自由な位置に取付けられること、吹出口のデザインを自由に選べることが利点でこの形の機種を選定すればデザインの幅が広がります。

また店舗の厨房はこのビルトインで空調することが多いです。吸込口を厨房の汚れた空気に影響されない位置に配置して空調機自体の劣化を防止するねらいがあります。

・天井埋込形

天井埋込形 三菱電機のHPより

さらに吸込口の形状や色も自由にしたい、位置も自由に配置したいという場合には天井埋込形を選定します。メーカーによっては天井隠蔽形と呼ぶ場合もあります。

吸込み側もダクティングするので全体の工事費用はアップします。

天井内に納まらない場合は天吊形

・天吊形(1方向)

天吊形 三菱電機のHPより

天井ふところが200mmしかない場合など、そもそも空調機が天井内に隠せない場合はきよく天吊形を選定します。

なにか物体が天井から出てくる感じになるので高級感のある雰囲気重視の店舗などでは選定されませんが、事務所や量販店の売場などではよく選定されています。

・厨房用天吊形

厨房用 三菱電機のHPより

ステンレスボディで汚れに強くオイルガードフィルター付きで内部の熱交換器を保護しています。

調理時にあまり油煙の出ない喫茶店の厨房であれば厨房用以外の天井カセット形を設置することもありますが、フライヤーや大型のグリルを使用するような厨房には厨房用空調機をつけたりビルトイン形で吸込み口を汚染されない位置に配置するなどの対策をします。

これらの対策を怠ると空調機が短期間で傷んだり故障したりするので注意が必要です。

家庭用といえば壁掛形

・壁掛形

家庭用の空調機はほとんどが壁掛形です。

 壁掛形 三菱電機のHPより

なぜかと言われるとはっきり答えられませんが、一般的に住居は天井高がその他の用途の建築物に比べて低く設計される傾向があり天井内に空調機本体を納める前提で設計されていないことが多いからかもしれません。

壁掛形で計画される場合多くは空調機を取り付けた壁の外部側に室外機を設置する計画にします。

壁掛形で計画された場合でも室外機の位置が屋上など離れた位置にある場合もありますが冷媒管の長さに制限があるため家庭用の場合と業務用の場合で室外機設置条件の自由度は変わってきます。

そのあたりの詳細はまた次の機会に書きたいと思います。