制気口やフードの面風速について〜制気口はなるべくコンパクトサイズで選定〜

制気口や厨房内に設置されるフードなどの面風速はどのように考えて設定すればよいのか?

大きく取りすぎると風量も大きくなりダクトの納まりが悪くなるため換気設備の設計や施工に支障が出ることがあるので注意が必要です。

厨房のフード 筆者撮影

制気口サイズを風速から設定する

排気設備の吸込口あるいは給気設備の吹出口に取付ける制気口。

このサイズについては大きすぎるものを取付けるとコストの無駄なのと天井の納まりが悪くなるので最低限の大きさで設定します。

ではなにを基準に決めるかと言えば、吹出しあるいは吸込みの風速です。

4m/sを越えると風切り音が発生する可能性があるので基本は3m/s以下で考えます。

計算する時は2〜3m/sで考えればよいです。

制気口には様々な形状があります。

空調技研工業(株)のWEBカタログより

代表的なものとして上の写真のような制気口がありますがルーバーが横に付いている制気口をH、風量調整のシャッター付きのものをHSと呼んでいます。

縦横にルーバーが付いていればVH、さらにシャッター付きであればVHSです。

右上に開口率82%と書いてあります、これは制気口の大きさを決定する上で重要です。

開口率が半分になると制気口は2倍の大きさにする必要があるので。

では上記HSのサイズを求める計算例を下に示します。


風量400m3/hの吸込口として設置するHSのサイズをもとめます。

制気口の吹出し風速は3m/sで考えます。

まず制気口面積Sをもとめます。

S=400m3/h÷3600s/h÷3m/s÷0.82

最後の0.82は開口率です、メーカーカタログなどに書いてありますがわからない場合HSやVHSについては私は0.7として計算しています(今までそれで不具合が出たことはありません)。

よって S=0.0451m2

正方形の制気口だとした場合一辺の長さは平方根でもとめます。

√0.0451=0.212m

きりのよい大きさで選定するので制気口の大きさは250mm×250mmとします。


開口率についてもう少し補足します。

室内の制気口やガラリは開口率70〜80%程度に対して外部に面して取付けるガラリは雨風の侵入を抑えるため開口率は少なめで20〜40%程度です。

計算する前にカタログなどで開口率を確認する必要があります。

厨房フードの面風速はどう考えるか

厨房の換気量計算についてで説明したように火気使用室の換気量はV=40KQやV=30KQなどの式を用いて求めます。

しかし、例えば厨房器具のガス消費量をもとにV=30KQで求めた風量が700m3/hだったとしてもその厨房器具の上部に設置する厨房フードの風量を700m3/hとすることはほぼありません。

厨房フードの大きさは面風速を基準にして決めることがほとんどだからです。

厨房フードの面風速は通常0.3~0.5m/sで設定します。

数字の根拠については厨房設計の知識やさしい局排設計教室などを確認していただければと思います。

参考書などによっては1.0m/sでの設定を推奨している場合もありますが風量が大きくなり過ぎるため実際の設計においてはほとんど採用していないのが現実です。

では面風速0.4m/sとしてフードの風量を求める計算例を示します。


フードのサイズが1500W×850D

面風速0.4m/sとする場合の風量は

1.5m×0.85m×0.4m/s×3600s/h=1836m3/h

設計風量として10%程度の余裕を考慮して

1836×1.1=2020m3/h とします。

フードの面風速をもとにして計算した風量とV=30KQで求めた法的に必要な風量700m3/hを比較します。

2020m3/h > 700m3/hより法的に必要な風量を満たしているので問題なし。


喫煙室の入り口は面風速0.2m/sで計算

東京都福祉保健局の資料に喫煙室の出入口で喫煙室の外から中に向かって0.2m/s以上の風速を確保することが書かれています。

リンク東京都福祉保健局 喫煙室出入口風速

神奈川県の資料に風の流れのイメージがあります。

神奈川県公共施設における受動喫煙防止条例分煙に関する基本的考え方より

喫煙室の入口が800W×2000Hの開口だった場合、0.2m/sの風速を確保したいときに必要な風量は

0.8m×2.0m×0.2m/s×3600s/h=1152m3/h

となります。

喫煙室を作る場合、思ったより大きな風量が必要になります。

なので一軒の店舗でも複数箇所喫煙室を設ける場合は客席の一般排気の何倍もの風量が喫煙室の排気として必要になることも実際にあります。

またこれは建築的な内容ですが喫煙室の出入口を開き戸で計画すると煙があおられて外部に出てしまう可能性が高くなるため引き戸で計画することが推奨されています。

0.2m/sの風とはどのくらいのものなのか疑問に思う方もいると思います。

言葉で説明するのが難しいですが、そよ風以下です。

気流検知器という煙を流して風の流れを調べるものがありますが、それを使ってやっと流れがわかるくらいで皮膚で感じ取れるレベルの風ではありません。

あるいは風速計で計測すれば風速の数値は測ることができます。

ちなみに人間がそよ風と感じているのは2〜3m/sくらいの風です。

今回は淡々と面風速の考え方と計算例などを紹介してみましたがぜひ参考にしていただければと思います!

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