ガスマイコンメーターの機能などを紹介

住宅や店舗にガス設備がある場合は必ず設置されているガスメーターですがガスの使用量を計測するのはもちろんのこと、他にも機能があります。今回は都市ガスのガスメーターをメインにしてその種類やサイズなどについて説明していきます。

stevepbさんによるpixabayからの写真

ガスマイコンメーターの機能は使用量の計測だけではない

まず、ガスのメーターの外観ですが下の写真になります。

ガスマイコンメーター 筆者撮影

建築や設備関係の仕事に携わっているかたでなくても見たことがあるかと思います。

職人さんなどはランドセルと呼んでいることもあり、厚みもあってゴツい外観です。

16号メーターは300W×215D×422Hなのでちょうどランドセルくらいの大きさです。

ガスメーターですからガスの使用量の計測をして中央部の表示にカウントされた数字が出ます。

その他、安全などに関するいろいろな機能が備わっています。

1.遮断機能

合計流量オーバー、個別流量オーバー : ガス栓の誤解放、ゴム管外れなどメーターの下流に異常な大流量が流れた場合に1分以内にガスの流れを遮断します。

安全継続使用時間オーバー : ガス機器の消し忘れなどによる異常長時間使用の場合の遮断

感震 : 約200ガル(震度5)以上の地震発生時に遮断

圧力低下 : マイコンメーターの上流(ガスが入ってくる側)のガス供給圧力が30mmAq以下になった場合に遮断

外部信号入力 : 都市ガス警報機や不完全燃焼警報機などとの連動遮断

2.復帰機能

地震の後にガスが止まってしまうことがあります。

マイコンメーター上側中央あたりの表示ランプが赤く光って点滅していたら感震機能が働いて遮断した状態となっています。

復帰ボタンを止まるまで指でしっかり押す(押し込んだまま2秒間待ってから離す)と復帰します。

ただし、リスク回避の機能として復帰後2分以内にガスが流れた場合再遮断しますので、3分間程度はガス機器などを使用せずに待つ必要があります。

3.警報機能

メーターから先の配管での少量漏れや口火を連続使用した場合など30日間連続してガスが流れ続けた場合にガス漏れ警報を表示します。

常時口火を使用する場合は誤警報防止のため口火流量を登録することが可能です。

ガスマイコンメーターのサイズとメーター番号

マイコンメーターのサイズについて製造メーカーの愛知時計電機㈱の製品を参考に紹介します。

愛知時計電機㈱リンク https://www.aichitokei.co.jp/products/gas/

1~6号までは家庭用に取り付けられていることが多いです。マンションのPS(パイプスペース)の点検口を開けると水道メーターとこの1~6号のガスメーターが見られると思います。

家庭用に取り付けるガスメーターは4~6号あたりです。広い家で給湯器が2台付いていたりすると10号の家庭もあるかもしれません。

メーターひとつひとつにメーター番号があてがわれています(この番号はガス料金の明細などに記載されるお客様番号とは異なります)。

上の写真のようにメーター番号はメーターに添付されているラベルの9桁の番号で確認できます。メーター番号の上に記載されているNS16というのは遮断機能、通信機能付きでサイズは16号であることを意味します。

新規案件の現場調査で入った空きテナントにガスメーターがポツンと残されていることなどがよくあります。

メーター番号を確認して、その後の工事などの相談時に東京ガスなど地域のガス業者へ伝えると話がスムーズに進むので建築、建築設備関係者のかたは現場調査時にこの番号をメモする癖をつけておくとよいと思います。

ガスメーターのサイズ選定の考え方

ガスメーターサイズの選定について簡単に説明しておきます。

まず、その住居や店舗で使用されるガス消費量の合計を確認します。この数値は給湯器や厨房機器などガス消費機器の種類および台数で決まります。

ガスメーターサイズ選定の計算例を示します。


40坪程度のレストランに下記のガス機器(それぞれのガス消費量(kw)も記載)が設置されていると想定した場合

・24号給湯器 52.3kw 1台

・ガスコンロ 40.0kw 1台

・ガスフライヤー 15.0kw 1台

ガス消費量の合計は52.3+40.0+15.0=107.3kw

消費量の単位をkcal/hに直します

107.3kw × 860 = 92278kcal/h…①

ガス流量1m3/hあたりのガス消費量は10250kcal/hなので

①より 92278 ÷ 10250 = 9.0m3/h

メーターの1号あたりが1m3/hなので9.0m3/h以上の流量で使用できるメーターサイズとして10号メーターを選定します。


ガス消費量は1m3/hあたり10250kca/hに切り替わるころ10年以上前の話ですが

メーターサイズの選定について、こちらで計算して東京ガスの担当者に、このサイズでいいですか?

と相談したら今は10250kcal/hで計算しているのでそれだとだめかもしれないという話が出てきました。

以前はガス消費量は1m3/hあたり10250kcal/hではなく11000kcal/hで計算していました。

10250kcal/hでは今までより同サイズのメーターで使用できるガス消費量が少なく算出されるからメーターサイズや配管サイズが大きくなってコストアプップではないのか、とちょっとクレームをしたのを覚えています。

結局、同時使用率を調整することでメーターサイズを大きくすることは避けるよう調整してくれました。

あと、昔は16号メーターがなくて15号メーターでした。

なぜ15号がなくなったかというと10号メーターと15号メーターが聞き分け難かったからです。「じゅうごう」と「じゅうごごう」確かに当時は混同されないように慎重に発音していた記憶があります。

ということで最後は昔話になりましたが建築や設備関係の方は営業トークの雑談ネタにでもしていただければと思います!

住まいの換気をコントロール

朝晩が肌寒い季節になってきました。なぜかこの家のこの場所で寝ているとすごく冷える感じがする、という時は近くに給気口があるのでは?工夫をしながらある程度住まいの換気をコントロールする方法を考えてみます。

kscz58ynkさんによる写真ACからの写真 

冷たい風を感じたら給気口の開閉で調整してみる

冬場、家の中でレビを見ているときや寝ているときに妙に寒さというか冷たい風のようなものを感じる場合は給気口からの外気流入が影響している可能性があります。

ソファーが置いてあるすぐそばに給気口がある場合もあります。

ご存知かとは思いますが住居の給気口は下のカタログ写真のようなものとなります。

UNIXのHPより

上の四角い給気口はプッシュ式で開閉します。下の丸い給気口は真ん中の部分を回して開閉します、開き具合を変えれば風量の調整も可能です。

寒いと感じた時にはこの給気口を閉めてしまうか調整可能なタイプであれば風量を絞ってしまえばかなり寒さは緩和できます。寒ければ寒い日ほど閉めた時にその違いを感じると思います。

様々なメーカーのいろいろな商品があるので自宅に取り付けられている製品の可能な範囲で調整してみてください。

本来は24時間換気の給気の意味で開けておくべきなのですが、寒い日は仕方がないです。

空気のよどみを感じたら窓を開けて換気しましょう。

また、1ヶ所を閉じたとしても部屋が複数あって複数の給気口がある住宅の場合は他の給気口からは新鮮空気が入ってきます。

屋内側の結露を緩和したい場合は

紺色らいおんさんによる写真ACからの写真 

冬場は朝方に屋内側の窓面で結露することがあります。窓面の表面温度は外気温の影響でかなり低くなります。

例えば室内温度が20℃相対湿度50%の場合、露点温度は10℃程度なので窓面温度が10℃を下回ってくると結露し始めます。

外気温度一桁の朝などはかなり結露する確率は高くなってきます。

特に気密性の高い新築のRC造のマンションなどではこのタイプの結露が起こりやすいです。

では、この結露を緩和するにはどうしたらよいかですが外気温と室内温度の差が小さければ結露は起こりにくくなるので給気口を開けてなるべく外気を取り込むということになります。

すると、冬場の室内温度を下げたくないから給気口を閉じたいのに結露を緩和させたい場合は開けることになり相反する調整をどうすればよいのか、ということになります。

では、どう考えるかですが例えば夜中の間、人が過ごさないリビングは給気口を開けておいて寝室となる部屋は閉めておくという調整をするかです。

あるいは換気扇の強弱で風量の調整、タイマーで朝方の数時間は換気扇の電源をオフにして寒さ対策とするなどが考えられます。

給気口のフィルター掃除をして空気がよどまないようにする

給気口にフィルターが付いているタイプが多いですが、このフィルターも放置していると目詰まりします。

フィルターが目詰まりすると外気の取り込みがスムーズにできないため室内空気のよどみの原因になります。

簡単にですがフィルターなどの清掃方法を以下に紹介します。

以上、換気をコントロールするというより給気口の管理をどうするかという話に終始した感じになりましたが参考にしていただければと思います!

給水の負荷流量計算

ポンプの選定などをする際に給水の負荷流量として瞬時最大流量を算出する必要があります。

流量の確認をするために計算したい、だけど教科書をひっぱり出してきて思い出しながら計算するのがおっくうだと思う方、私もその一人です。流量計算の考え方を簡単にまとめてみます。

PublicDomainPicturesによるPixabayからの画像 

器具給水負荷単位による方法 まず給水負荷単位数の累計を算出

SHASE-S2009などに瞬時最大流量の求め方として4つの算出方法が示されていますがそのうちのひとつの方法、器具給水負荷単位とHunterの同時使用流量のグラフから簡便に求めることができます。

単純化した給水管ルートの図を下に示します。このモデルの給水負荷単位から同時使用流量をどのように求めるか説明しながら話を進めます。

図:給水配管ルートのモデル 事務所と考え公衆用として扱うこととする

次に器具給水負荷単位が示された表が以下になります。

表:器具給水負荷単位      
給排水・衛生設備計画設計の実務の知識を参考に筆者作成

図から器具数をひろい、上記表より器具給水負荷単位を確認して器具給水単位の累計を求めます。実際の計算手順は以下になります。


表より大便器、洗浄弁、公衆用3個所の給水負荷単位は1台当たり10なので

10 × 3 = 30

同様に小便器、洗浄弁、公衆用5台の給水負荷単位は5なので

5 × 5 =25

洗面器、公衆用5台の給水負荷単位は2より

2 × 5 =10

給水負荷単位の累計はこれらの合計なので

30 + 25 + 10 =65

給水負荷単位累計は65となります。


ちなみに洗浄弁というのはフラッシュバルブのことでタンクなしのタイプのハンドルやボタンあるいは自動操作で給水管から直接便器に大量に洗浄水を流すタイプの洗浄の仕方のことです。

グラフから同時使用流量を読み取る

下に示すグラフから器具給水負荷単位数65の時に同時使用流量の数値を読み取ります。

グラフ1:器具給水負荷単位数と同時使用流量を表すグラフ  R.B.Hunter
グラフ2:器具給水負荷単位数と同時使用流量を表すグラフ 器具給水負荷単位数の小さい部分を拡大

曲線1は大便器洗浄弁の器具が多い場合 曲線2は洗浄弁の大便器が多い場合に使用します

赤でマーキングしたように器具給水負荷単位65の位置から上にまっすぐ伸ばした直線と曲線1が交わる点でまっすぐ横を見ていくと同時使用流量は210l/minとなることがわかります。


流量がわかったら配管径や給水ポンプの選定ができるわけですが、そのあたりの話は次の機会にしたいと思います。

また、このグラフの曲線について計算式はないのか?疑問に思うかもしれませんが近似式はあるようですので興味のある方はさらに調べてみてください。

もっと簡易的に流量の概算値を知る方法

水栓をかなり大きく開いたときに流れる流量は15l/min程度です。おおよそ下の写真右から2番目の状態です(1000l/h≒16.7l/min)。

給水栓からの時間当たり流量比較 米子市のHPより(おそらくどこかの衛生器具メーカーカタログの抜粋)

例えば、ある店舗で同時使用する水栓が5個所だと想定した場合に1栓あたり15l/minですから同時使用流量の概算値は下記の計算になります。

15l/min × 5個所 = 75l/min  

上記の結果が得られます。この計算はシンプルですが申請などが絡まない現場において必要最低限の流量の概算値を予測する場合はかなり役に立ちます。

建築設備専門家の方には是非使っていただければと思います!

厨房の換気量計算について

店舗の施工における飲食店などの厨房の換気量は居室の換気量の考え方とは全く異なる考え方で計画します。汚染された空気を排出するためにかなり換気量が大きくなる傾向があります。

acworksさんによる写真ACからの写真 

フードの形状などによって厨房の換気量は変わる

法的に必要な換気風量を計算します。

建築基準法施行令20条の3および建設省告示第1826号より調理室等に設ける換気設備の内容に下記の換気量計算法が示されています。


・火気使用する厨房機器の上部にフードなしで排気する場合

火気使用排気計算イメージ図 筆者作成

V=40kQ

V : 有効換気量(m3/h)

k : 理論廃ガス量 定数0.93

Q : 燃料消費量 (kW)


・火気使用する厨房機器の上部にフードⅠ型を設置して排気する場合

火気使用排気計算イメージ図 筆者作成

V=30kQ

V : 有効換気量(m3/h)

k : 理論廃ガス量 定数0.93

Q : 燃料消費量 (kW)


・火気使用する厨房機器の上部にフードⅡ型を設置して排気する場合

フードⅡ型は排気口に向かってテーパーがかかった形状でフードを製作します。フードⅠ型の補修効率25%に対してⅡ型は50%としての計算となります。

火気使用排気計算イメージ図 筆者作成

V=20kQ

V : 有効換気量(m3/h)

k : 理論廃ガス量 定数0.93

Q : 燃料消費量 (kW)


・火気使用する厨房機器から直接的に煙突によって排気する場合

排気量はかなり少なく設定することが可能な形です。

火気使用排気計算イメージ図 筆者作成

V=2kQ

V : 有効換気量(m3/h)

k : 理論廃ガス量 定数0.93

Q : 燃料消費量 (kW)


フードⅠ型を設置する場合の換気量の計算例を示します。

Ⅰ型を設置するのでV=30kQの式を使用します。

燃料消費量25kWのガスコンロが設置されていた場合に必要な有効換気量Vは

V=30 × 0.93 × 25 =697.5(m3/h)

よって法的に必要な風量は697.5(m3/h)であることがわかりました。

フードと火元の離隔距離

上記の計算をする場合の条件としてフードの下端と火元(ガスコンロであれば五徳の上端まで)の距離を1.0m以下とする必要があります。

フードおよびグリースフィルターの離隔距離の関係 筆者作成

また、火災予防条例で火元からグリースフィルターまでは1.0m以上としなさいという決まりがあるので混同しないよう注意が必要です。

フードは換気量の計算上ある程度火元に近くないといけないが、グリースフィルターは火災の可能性を考慮してあまり火元に近付け過ぎないでください、という意味です。

厨房の排気量は最終的にフードの面風速を確保することで決定します。

これに関しては次の機会に説明をしたいと思います。

空調機選定の考え方~2~

空調機の形にはさまざまな種類があります。どのような形の機種がどのような用途の部屋で選定、使用されているのでしょうか。

mohamed_hassanさんのイラスト pixabayより

事務所などで使用されている天井カセット形

・天井カセット4方向形

天井カセット4方向は事務所でもっともよく使われている形状です。どこの施設に行っても必ずどこかでみかけると思います。

天カセット4方向形  写真ACより

吹出し方向が多いので小さい部屋であれば中央あたりに配置すれば1台で部屋を均等に空調できます。

広い事務所や飲食店の客席においても天カセ四方向を複数台バランスよく配置して設計することが多いです。

各メーカーともこの形の空調機のオプション機能や周辺部材が最も充実しています。

加湿機能や中性能フィルターの追加、少し離れた位置にダクト延長により吹出し口を取付けることができるなどシチュエーションに応じて様々な対応が可能です。

・天井カセット2方向形

天井カセット2方向 三菱電機のHPより

廊下の長手方向に吹出すように配置したり事務所などのライティングレールに沿って配置して見た目を整える目的で使用するなどが考えられます。

・天井カセット1方向形

天井カセット1方向形 三菱電機のHPより

天井のレイアウトの都合上、空調機を部屋の片側に寄せたい場合があります。

そんな時は天井カセット1方向形を選定し、片側に寄せて配置します。こちらも事務所や店舗の客席などで使用されています。

デザイン重視の場合は空調機を隠す

・天井ビルトイン形

天井ビルトイン形 三菱電機のHPより

デザインの都合上天井に空調機があらわになることを避けたい時はこのビルトイン形を選定して写真で丸い穴が見えますが、そこにダクトを取付けて延長し吹出口を取付けます。

ダクト延長のイメージ  三菱電機の仕様書に筆者加筆

吸込みパネル部分は見えてくるのでデザイン的に邪魔にならない位置に配置します。

吹出口を自由な位置に取付けられること、吹出口のデザインを自由に選べることが利点でこの形の機種を選定すればデザインの幅が広がります。

また店舗の厨房はこのビルトインで空調することが多いです。吸込口を厨房の汚れた空気に影響されない位置に配置して空調機自体の劣化を防止するねらいがあります。

・天井埋込形

天井埋込形 三菱電機のHPより

さらに吸込口の形状や色も自由にしたい、位置も自由に配置したいという場合には天井埋込形を選定します。メーカーによっては天井隠蔽形と呼ぶ場合もあります。

吸込み側もダクティングするので全体の工事費用はアップします。

天井内に納まらない場合は天吊形

・天吊形(1方向)

天吊形 三菱電機のHPより

天井ふところが200mmしかない場合など、そもそも空調機が天井内に隠せない場合はきよく天吊形を選定します。

なにか物体が天井から出てくる感じになるので高級感のある雰囲気重視の店舗などでは選定されませんが、事務所や量販店の売場などではよく選定されています。

・厨房用天吊形

厨房用 三菱電機のHPより

ステンレスボディで汚れに強くオイルガードフィルター付きで内部の熱交換器を保護しています。

調理時にあまり油煙の出ない喫茶店の厨房であれば厨房用以外の天井カセット形を設置することもありますが、フライヤーや大型のグリルを使用するような厨房には厨房用空調機をつけたりビルトイン形で吸込み口を汚染されない位置に配置するなどの対策をします。

これらの対策を怠ると空調機が短期間で傷んだり故障したりするので注意が必要です。

家庭用といえば壁掛形

・壁掛形

家庭用の空調機はほとんどが壁掛形です。

 壁掛形 三菱電機のHPより

なぜかと言われるとはっきり答えられませんが、一般的に住居は天井高がその他の用途の建築物に比べて低く設計される傾向があり天井内に空調機本体を納める前提で設計されていないことが多いからかもしれません。

壁掛形で計画される場合多くは空調機を取り付けた壁の外部側に室外機を設置する計画にします。

壁掛形で計画された場合でも室外機の位置が屋上など離れた位置にある場合もありますが冷媒管の長さに制限があるため家庭用の場合と業務用の場合で室外機設置条件の自由度は変わってきます。

そのあたりの詳細はまた次の機会に書きたいと思います。

便器と便座の隙間から

衛生設備関連でお客様からよくいただくクレームに大便器まわりの床が濡れているので便器のソケットから排水管が外れているのではないか、というものがあります。

私のところに半年から1年に1回は相談が来る感じなので全国の設備屋さんが対応している総数はかなりの件数と思われます。

lyperzytによるPixabayからの画像 

なぜ便器まわりの床だけが濡れているのか?

結論から言うと、大便器と便座の隙間に尿が入り込んでそれが便器を伝って重力で下に流れ、最終的に便器と床の際に溜まります。これが原因であることが多いです。

この原因となる使用者がトイレを出たあと、しばらくして次にトイレを使用する人が見たときに、床と便器の隙間からなにか液体が漏れ出しているように見えるのですが実はその前にトイレを使用した方の尿が床に溜まっている状態なのです。

尿が便器と便座の隙間から外へ出て便器先端部から下へ便器表面を伝って床の便器まわりに溜まるイメージを下図に水色で示しました。

床の便器周りから水が漏れている、とか、便器まわりの床が水浸しだから排水管が外れているのではないか、というクレームについてはまず便器と便座の隙間から外へ出てしまった尿が原因ではないか疑ってみてください。

便器と便座の隙間から尿が出ないようにする対策方法

原因がだいたいわかったところで、お客様にこれをどう説明してどう対策するか。

最近は座りション派の男性も増えました。

マンション住まいの方は特に飛沫の影響で汚れるのを嫌う家族から立って小便をすることを禁止されている家庭も多いと思います。

私自身も公衆トイレの使用以外ではほぼ座りションです。

意図せず放った尿がちょうど隙間に到達して結果的に汚してしまっていたということがあったかもしれません。

尿が外に出てしまうことを防止する商品がいくつかあるので紹介します。

Panasonic アラウーノのモレガード

Panasonicが販売している樹脂性の大便器アラウーノはその形状により便器と便座の隙間から尿が飛び出ないような対策をしています。

PanasonicのHPより アラウーノ モレガードの説明

SANKO トイレ汚れ防止パッド

汚れ防止パッドという商品もあります。

便器先端部の便座との隙間に貼って飛び出そうになる尿を吸い取るという作戦です。

AmazonよりSANKO商品のページを抜粋

その他にも対策できる商品がありますので調べてみてください。

排水管が外れているのではないか?という話を真に受けてお金をかけて大便器を外して確認作業をしたけど何の解決にもつながらなかった、ということにならないように紹介してみました!

問題解決につなげていただけると嬉しいです。

居室の換気量計算について

設備設計などに頻繁に使う換気量計算について説明します。初級の設備屋さん向けの内容になります。まず法的に必要な風量をクリアさせることを考えます。

居室の換気量計算

事務所や店舗の客席など人が滞在する室については建築基準法施行令第20条の2に示された下記の計算方法にに基づいて居室の換気量を求めなければなりません。


V=20Af/N

V : 有効換気量(m3/h)

Af : 居室の床面積(m2)

N : 一人あたりの専有面積(m3)


ちなみにm3/h(立米パーアワー)は換気量を表す時に使用する単位で一時間あたり何m3の換気をするかを意味しています。

Af/Nの部分は居室の床面積を一人あたりの専有面積で除してします。つまり居室に何人の人間が存在するのかということを計算しています。それを20倍すれば必要な換気量が得られます。

もう少し噛み砕いて言うと、一人あたりに必要な換気量は20m3/hでこの値に居室を利用する人数を掛け算すれば必要な換気量を算出することができる、ということになります。

計算例を示します。

居室面積 Af=30m2 の居室の換気量を求める場合、一人あたりの専有面積 N=5mとしたときの有効換気量Nは

N=20Af/Nより

N=20×30/5=20×6=120

よって必要となる換気量は120m3/hとなります。

居室に存在する人が6人で1人あたり20m3/hが必要なので居室全体で120m3/hが必要となるということです。

シックハウス対策で必要な換気計算量

次に2003年7/1から建築基準法施工令第20条の7および20条の8によって施行されたシックハウス対策のために必要となる換気量について説明します。

規制の対象となる科学物質はクロロホルピスとホルムアルデヒドとなります。このうちクロロホルピスは使用禁止とされています。

よってホルムアルデヒドを発散する可能性のある建材についての規制を確認していきます。

まず、内装仕上材の使用制限についてですがホルムアルデヒドの発散量は下の表のようにクラス分けされています。

国土交通省のHPより抜粋

ホルムアルデヒドの発散量が0.005mg/m2 以下の場合はF✩✩✩✩(フォースターと呼んでいます)発散量が多くなるごとに星は減ります。最下クラスの第1種ホルムアルデヒド発散建築材料に関しては使用禁止、第2種と第3種は建材の使用面積が制限されます。

この時、換気量によって使用可能な面積が変わりますが下の計算式によって求めることができます。

三菱換気送風機総合カタログを参照して筆者作成

しかし、実は上記のN2S2 + N3S3 ≦A の計算について少なくとも私は実務で使用したことがありません。なぜなら現在生産されている仕上材のほぼ全てが規制対象外のF✩✩✩✩で作られているからです。

24時間換気の換気計算量

ただしF✩✩✩✩で作られた仕上材を使用した場合においても家具などからの発生が考えられるため下記の計算式で求めた居室の換気量を確保する必要があります。これがいわゆる24時間換気と呼ばれるものです。


・住宅の居室等 V=0.5・A・h

・上記以外   V=0.3・A・h

V : 有効換気量(m3/h)

A : 居室の床面積(m2)

h : 居室の高さ(m)


住宅の居室は0.5回/hつまり1時間で居室の50%にあたる体積の空気を入れかえる、それ以外は30%にあたる体積を入れかえるということを意味しています。

計算例を示します。

面積が40m2で平均天井高さ2.7mの住宅の居室の24時間換気量を求める場合V=0.5・A・hより

V=0.5×40×2.7=54

よって24時間換気として必要な換気量は54m3/hとなります。

店舗などの居室は住宅の居室ではないのでV=0.3・A・hでも本来よいはずですが実際確認申請に絡む図面を作成する場合の換気計算書では安全側の値になるV=0.5・A・hを使用していることが多いです。

設備設計で換気量計算をする場合、法的に必要な換気量を計算する場合は上記の居室の換気量N=20Af/N と 24時間換気のV=0.5・A・hとV=0.3・A・h これを覚えておけばよいです。