ガス配管サイズも給水配管と同様に圧力損失を計算しながら決定していくのですが、この計算についてはガス会社が責任を持ってしてくれるので基本はお任せしています。
ですが設計されてあがってきた図面の配管サイズが適正なのかある程度判断できなければチェックができません。

ガスメーター接続配管サイズを利用して考える
そこで、ガスメーターへの接続配管サイズを配管選定の目安として利用しています。
本来、煩雑な計算が必要なのですがこの方法を使えばおおよその配管サイズを簡便に求めることができます。
まずガスメーターサイズとガス流量の関係の表とサイズを求めるガス配管のモデル図面を下記に示します。


では上記表の数値とモデル図面より実際に配管サイズの選定を考えていきます。
A-B間の配管サイズについて
使用機器すべての合計のガス消費量に対するガス流量となる
合計のガス消費量は
52.3+34.9+7.5+2.5+2.5+14=113.7kw
113.7kw × 860kcal/h/kw =97782kcal/h
ガス流量は 97782kcal/h ÷ 10250kcal/h/m3/h = 9.54m3/h
上記の表より9.54m3/hの時は10号メーターで接続配管径32Aとなり A-B間の配管サイズも32Aとなります。
B-C間は ガス消費量合計99.7kwより上記と同様の計算でガス流量に換算すると8.37m3/h となります。
表の設計流量6.01〜10.0以下の範囲なので32Aとなります。
同様に計算していくとFまで32Aとなります。
最後のF-G間が52.3kwなので流量に換算すると4.39m3/hより表の1.01〜6.0以下の範囲なので20Aとなります。
選定されたガス配管サイズがおかしいと思ったときは
このように簡易的な計算でおおよその配管サイズを判断していくことができます。
冒頭でも述べたように本来は圧力損失計算をして配管サイズを決めていくのですが設備工事全体を管理するような立場の場合はそこまでの計算はしなくてもよいです。
過去に一度だけ、ガス屋さんが選定してきた配管サイズが異様に大きいサイズで、見積も高額となってしまっていた現場があり自分で教科書を見ながら計算をしたことがあります。
ガス屋さんから配管サイズ選定の計算書を提出してもらい、自分の計算と比較しながらこんなに太いサイズになるわけがない、とツッコミを入れて結局、配管サイズを修正してもらいました。
でも、後にも先にもそのようなことはその1回だけです。
その時はたまたまレベルの低い担当者にあたってしまったのかもしれません。
そして、そこまでガチンコの計算はしなくても上記に示した考え方で計算した配管サイズで話をしても十分に打合わせはできますので、おおよその配管サイズを知りたいときには上記の方法を参考に計算してみていただければと思います!