配管からの漏洩の原因について考察するシリーズの2回目ということで、漏洩の原因てそんなにあるの?という話なのですがいろいろあります。
できれば、水漏れなんて経験しない方がいいです。
でも何年も仕事をしているとどうしても経験してしまうんです…。
他にもまだいろいろあると思いますが私の限られた経験と知識から思いつく残り3つについて紹介、考察したいと思います。

塩ビ管が熱収縮によって割れる
店舗においては厨房の排水管にかなり高い温度のお湯が流されることがあります。
特に茹で麺器のお湯を営業終了したら冷ましたり、水と混ぜて温度を下げるなどの対応なしで排水管に流した場合、90℃以上の熱湯が流れ込むことになります。
とりあえず高温でも大丈夫なように茹で麺器系統の排水管は耐熱性塩化ビニル管、HTVPを使用して施工することが多いですが実はHTVPの最高使用温度は90℃です。
お店の店員さんはそのようなことは知りませんからオペレーションとして茹で麺のお湯は冷ますか、水で薄めて温度を下げてから流すような決まりにしておかなければ、営業が終わった瞬間にアツアツの熱湯を排水管へ流してしまうこともあります。
高温に何度もさらされたHTVPが劣化して継手部分など熱収縮をした際に力がかかりやすく弱い部分に、ヒビが入り割れてしまうという現象が起こることがあります。
厨房区画の防水層がしっかり機能していて水抜きも機能していれば問題にならないこともあると思いますが、予算などの都合で簡易的に際部分だけ防水処理しているなどの場合は溜まった水がオーバーして厨房の外側に染み出してきたりして問題になることがあります。

排水管内からの腐食性ガスによって銅管にピンホールが発生
排水管内の腐食性ガスがなんらかの理由で逆流して銅管を腐らせてピンホールが開いてしまうことがあります。
排水管内の排水が分解されて生成する気体には硫化水素、アンモニア、二酸化炭素、メタンなどがあるそうですが銅管に大きく影響して腐食の原因になるのは硫化水素です。
逆流の原因は店内の排気が強く、かつエアコンのドレン管にエアカットバルブなど逆流防止の処置が施されていないことです、下図のようなイメージで排水管内のガスが逆流します。

銅管が腐食性ガスの影響を受けると黒い色に変色します。
目視で確認はしづらいのですがこの黒く変色した部分にピンホールが開いて冷媒が漏洩して空調が効かなくなるという事故の話が何年かに一回耳に入ってきます。


凍結による配管の亀裂
あと配管の漏洩の原因でよくあるのは冬場に発生する凍結によるもの。
配管内の水が凍結により体積膨張し、配管の弱い部分に亀裂を作ったり継手が抜けたりする現象が起きます。
住まいる水道さんのHPに凍結によって銅管の継手が裂けた写真があるので紹介しておきます。

外部に設置された給湯器内部の配管は凍結しないようにヒーターが施されています。
ただし電源が入っていないと(スイッチがONという意味ではなくブレーカーが入っているという意味)これは機能しません。
しばらく、入居者が出て行ってしまい1年以上など使用しないからという理由でブレーカーで電源を落としてしまった給湯器に、新たな入居者が決まって電源を入れてもエラーコードが出て使用できないという場合は凍結によって給湯器内部の配管が破裂している可能性があるので注意が必要です。
長い間給湯器を使用しない場合は給湯管内および給湯器から水を抜いておく必要があります。
漏洩の原因の考察については以上になります、参考にしていただければと思います!