空調設備設計の際に空調機を選定するためにはまず、どれくらいの空調能力が必要になるかを検討する必要があります。
今回は空調負荷 概算値の算出方法について説明します。

業態・用途別の単位面積あたり空調負荷について
空調負荷は日射負荷 貫流熱負荷 外気負荷 照明負荷 人体熱負荷などがあり本来はそれぞれを計算し合算して熱負荷を求めます。
しかし、これらを計算して空調負荷を求めるのは手間がかかるので概算値を知りたい場合は面積あたりの空調負荷を想定して算出する方法がよくとられています。
単位面積あたりの空調負荷はおおよそ以下になります。
業態・用途別の単位面積あたり空調負荷
一般家庭の住居の居室…………………150〜180w/m2
事務所 保育園の保育室
アパレル店舗の売場 …………………180〜250w/m2
喫茶店の客席 …………………250〜350w/m2
レストラン・
居酒屋などの客席 …………………350〜450w/m2
焼肉店などの客席 …………………450〜550w/m2
上記値についてはあくまでも概算のための想定値になりますので日射が直接差し込む室などについては日射負荷をプラスした数値で考える必要があります。
その詳細ついてはまたの機会に説明したいと思います。
面積を掛け算するだけ
あとは空調負荷を知りたい部屋の面積に上記の単位あたり空調負荷の値を掛け算するだけで概算値が出せます。
例えば、家に新しいエアコンを付けたいと思った時は一般家庭の住居の居室、この値を使ってください。
150〜180w/m2ですね。
一般家庭の通常のリビングであれば150w/m2みておけばよいです。縦6m、横4mの部屋の場合面積は24m2です。よってこの部屋の空調負荷を算出する式は
150w/m2 × 24m2 = 3600w=3.6kw
これで空調負荷がわかりました。空調機の品番で例えばダイキンの家庭用壁掛け空調機、ルームエアコンと言われているものですが、の品番で AN36XCS-W や AN36XSS-F などがあります。
品番中の36という数字、これが空調機の能力を表しています。察しの通り36が入っている場合の能力は3.6kwとなります。
算出した空調負荷3.6kwにぴったりの能力の空調機がAN36XCS-W や AN36XSS-F ということになります。
微妙な面積の場合は?
わかりやすくするために空調負荷と空調機能力が同じになる計算例で説明しましたが部屋の広さが20m2の時は空調負荷の計算結果は3.0kwになります。このような場合はどのように考えればよいか。
やはりこの場合も3.6kwの空調機を選定することになります。基本は空調負荷を上回る能力の空調機を選定します。
ちなみに空調機能力は
2.2kw 2.8kw 3.6kw 4.0kw
5.6kw 6.3kw 7.1kw
この刻みの能力でラインナップされています。メーカーや機種によっては3.2kwがあるかもしれません。
と言っても家庭用空調機についてはこの機種は何畳用です、という売りかたをしているので何畳かわかれば計算は不要なのですが。
自分の家の部屋が何畳かわからない場合や、お店で勧められた機器の能力がはたして適正なのか、ある程度の基準を自分で計算したいという方
納得いく買い物をするために是非、スケールで部屋の縦横の長さを計測して求めた面積から空調負荷を求めてみてください!
次回はどのような場所にどのような形状の空調機を設置すればよいか説明したいと思います。
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